裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

23日

土曜日

アラ〜ン、ドロ〜ン、アランアラン、ドロン

 ゲゲゲのリプレー。朝7時起き。軽く頭痛残るが風邪はなんとか退治た模様。K子が少し鼻をグズグズ言わせている。朝食、卵を浮かせたオニオンスープ。美味。桂文珍の『WAKE−UP!』で、韓国の自殺幇助ホームページのことを取り上げてる。ちょうどこの事件は昨日、ネット上で調べていたのだが、そのとき、こんなニュースも発見した。私的にはこっちの方が好み。
・公安委HPの「おしり写真」、システム異常が原因だった (朝日)
 国家公安委員会のホームページ(HP)に8日夜に無関係な女性のおしりなどの写 真が表示された問題で、システムを管理する警察庁は18日、原因はハッカーではなく同庁の庁内通信網(LAN)用システムの異常だったと発表した。HPなどを一時的に蓄積しておく「代理サーバー」の動作異常で、保存していた公安委HPの一部写 真が、同じように代理サーバーに保存されていた、別の女性の写真と入れ替わったらしい。女性のおしりなどの写真は、同庁職員がインターネット上の有害情報を監視するなどの捜査で、成人向けのHPを閲覧した時、代理サーバーに自動的に保存されていたものだったという。
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/1394/
『インターネットトラブルニュース』より。最後のはどう考えてもウソだろ。

 快楽亭ブラック、芸術祭優秀賞受賞! 大賞が昇太というのがどうも政治力を感じさせるが、なにしろ三度目の正直、まずめでたし。なにをお祝いにすべきか。官能倶楽部のメンバーとも相談しなければ。午前中、Web現代原稿を手直し。カタくなりすぎたところをちょっと崩して、程度のチョコチョコとした作業だと思っていたのだが、気がつくともう正午になっていた。

 グッタリと体力失い、気を入れるために神田まで出る。古書市はないのだが、なじみのところに一応、年末の挨拶に、と、カスミ書店で挨拶。コミケのことなど雑談する(彼はコミケの古株スタッフ。例のクイックジャパン取材騒動の裏ばなしなどを聞いたりしたのもここで)。トンデモ本関係、芸能関係などを二万ばかり。あと、大雲堂(地味だがここでは必ずなにか見つける。今日も相撲の資料でいいのがあった)、中野書店など回る。中野書店はこのごろ凄まじい値段をつける。二階の貸本マンガの棚に西たけろうがあったので、五○○円くらいなら買おう、くらいに思って手にとったら、なんとイチマンハッセンエン。うわあ、と目の玉が飛び出た。数年前、さがみゆき五○○○円という値段を見たときにも仰天したが、西たけろうで一万八○○○円とは少々常軌を逸していないか。そもそも、誰が買うのだろうか。

 神保町交差点の回転寿司屋で昼飯。風邪のせいか、舌がちょっと荒れていて、あまりものの味がわからない。頭痛もまだ続く。帰って、少し横になったら、夕方まで、そのまま死んだようになってしまう。『と学会年刊2001』の誤植チェックなどをする。出版社の方で見つけたものの他、東宝名人会を東方名人会などとやっているところを発見。こういう誤記はワープロ時代特有のもので、こちらには“こんな簡単なところ間違うわけがない”という意識があるのでつい、見逃してしまいがちで、実にどうも困ったことだ、と思っていたら、栗本薫先生が、某サイトでこんなステキな言い訳をしているのを発見。誤字、誤植が最近のグイン・サーガには多い、と指摘され
「いくつかの誤字は私がワープロの変換をそのまま出したためにおきました。気づかなかったのは私が無知蒙昧かもしれませんが、最初に辞書で設定したのはその辞書ソフトの製作者だと思うのですが、それも私の責任でしょうか?」
 ・・・・・・そこに持っていくか?

 鶴岡からの電話などで起き出すが、どうも体が本調子でない。書庫で資料探しをしているうちに座り込んで、本を読みふけってしまう。昔、S出版社に持ち込んだ、占い師本の企画書などが出てくる。ハナであしらわれたが、後で事情聞いてみると、ここ、社長が和泉宗章の天中殺にハマって、和泉氏の本を十数冊出した。ところが、和泉氏が長島の監督引退時期(最初のときね)を占って外して、責任をとると称して占い師を廃業、それどころか“占いというのは全部インチキ”と、一八○度反転した批判をはじめた。当然、S出版から出した本も全部絶版。それで社長はカンカンに怒って、それ以来、占い師の本には大警戒になったとやら。出版界もいろいろあるね、と学んだことでありました。若かったなあ。

 7時半、K子とタクシーで幡ヶ谷。チャイナハウスに、年末の挨拶を兼ねて食事に行く。なんとこの店、大晦日から正月三が日、連続営業。4、5、6日と休んで7日から通常営業、しかも8日の月曜は定休日だがやるんだと。ハリキルなあ。南條竹則先生が杖ついてやってくる。ベトナムで足をくじいたんだとか。かの国で食べた犬のうまさ、ドブロクのうまさを夢見がちな目で語る。実にウマそうである。ドリトル先生のことでちょっと盛り上がる。リーメンまでたっぷり食べるが、やはり舌が本調子でないのが残念。蟻をひたした白酒(パイチュウ)をご馳走になる。たちまち汗が吹き出てくる。効験アラタカ。

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