裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

21日

水曜日

ルードウィヒ・ヴァン・ズーズーベン

 運命サ、こげなぐええに戸ッコ叩(ただ)ぐだよ。朝7時半起床、朝食。チキンサンド。すぐ風呂入る。10時から掃除のおばさん来るので。薬局新聞一本アゲ。ネット書き込み、さらに資料探索。漫才のWヤングで検索かけたら『原子・分子の密度汎関数法』というお固い本のサイトが出た。W・ヤングという人の著書だそうで。

 梅雨で雨が降っているときはいいが、なまじ半ばに晴れて暑くなるともう、湿気で体がサビついたかの如く動かなくなる。とはいえ、このまま予定がズレ込み続けるとどうしようもなくなる。泣く泣く原稿。大和書房15枚脱稿。それでもまだ1/4もいかない。昼はそれでもチャーリーハウスで定食をかっこみ、パルコで『けだもの会社』2巻を送ってくれるのを待ち切れなくて買って読む。久美沙織さんが、ご主人の作家で、鷹匠をやっている波多野鷹さんのところに、フクロウとか鷹の羽根がどっさりあるんだけど、これペンにしてけだもの会社描きませんか、とメールをくれた。早 速なをきに“どう?”と電話したら、ひー、と悲鳴あげて
「鳥の羽根だけはカンベンしてよー!」
 そうだそうだ、この男は鳥の羽根恐怖症であったのだった。

 鶴岡はモーニング娘の市井についての文章(別宝)がメチャクチャ話題になってるらしい。市井は芸能界をやめて市井の人になります、というシャレを考えたが若い人には読めませんですか。そう言えばまたカエルくんがほんやら堂で毒づいてますな。そんなこと言ってばかしだからいつまでたっても井戸から出られないんだがなあ。

 ヤフーのオークションに何とタイムマシンを売りに出した人物が出現。現在までに10億1万1千8円の値段がつけられている(後に上がって99兆8千999億9千 978万864円に)。寄せられるからかいの質問にいちいち丁寧に応対している姿勢がすばらしい。
「扱いはいたってシンプルですが、使い方を誤ると怖い思いをするかもしれません。現実は“ドラいもん”のようにはいきません」
 などという口調がたまらない。“ドラいもん”ってなんですか、という質問に
「私も知らなかったのですが、タイムマシンをテーマにしたコミックだそうです。私も現在調査中です。ネコのロボットで、色はブルー系だそうです」
 などと答えるのには抱腹絶倒した。

 6時半、時間割。海拓舎の都市論の後書き、少々長くなりそうなので、語り下ろしでやりましょうということになる。東京虚栄都市宣言論、思いのタケをブチかます。編集Fくん、“行き着いた首都論という感じですねえ”と言うが、私はただ、自前の論理の依って来るところを述べたのみ。8時半まで。

 9時半、新宿新田裏すがわら。黒ビールと日本酒ロック二ハイだか三バイだか。ウニ、アルコール臭強くて不味。その分赤貝、鳥貝美味極まりなし。貝類食って、また夜中にジンマシン出るのだろうな、とは思えど美味いものは食わなければシャアない よな。

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