裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

月曜日

嗤うポケモン

 儲かって儲かって。朝、6時に目を覚ます。肌寒く、ズトズトと雨がトタン屋根を叩く音もする。冷夏のムード。寝床の中で『教養人の世界史』読了。階下に降りて、テレビと新聞で選挙結果確認。自民も大勝々々と浮かれているが、あれだけの小泉人気にしちゃあ中途半端な勝ち方。大したこたあない。大体、日本人はバランスを取りすぎるから大きなことが出来ないのである。本当にコイツに改革をさせようと思うなら、ポンと独裁権を与えて、で、改革が終わったら放り出せば、それでいいんじゃないのかね。イギリスは第二次大戦の危急に際し、ヒトラーに勝つという唯一の目的のために(いろいろと問題はある男であったが)その才能のあるチャーチルに全権を与え、彼が仕事を果したとたんにやめさせて、人畜無害なアトリーに交代させたのである。これくらいドライにならないといけない。

 自由連合は全員落選。タイガーマスクの佐山聡など、いたのか、という程度の存在感だった。昨日早々と当選を決めた大仁田厚、明暗を分けたがかつて新日と全日で、ジュニア・ヘビーのチャンピオンとして並び立った中である。レスリングの才能は佐山の方がはるかに上だったが、カリスマ性では大仁田の方が圧勝。強くないからこそここまでに成り上がったという彼の存在理由がわからなければ、現代というものはわからない、と言っていいと思う。選挙というもの、本当に世間の最前線のさまざまなものが凝縮して見えてくる。

 朝食、スクランブルド・エッグにハム。夏バテか胃が少し疲れており、卵料理のバタで胸がちょっと焼けた。メールいくつか。雨は小降りになり、昼前にはやむ。母は昨日の坊さんがハンサムだったので、百箇日には寺は呼ばないと言っていたのに、やはり呼ぶことにしたそうである。10時半に家を出て、毎日新聞社ビル。薬局でちょいとばかりクスリを買う。それから6階のノーザンクロス。編集のIさんに赤入れをしたゲラを渡す。Iさんは最近カメラに凝っており、K子とカメラ談義。

 そこから歩いて、北海道新聞社。札幌で二社も仕事の打ち合わせができるとは便利なことである。文化部に通され、9月からのコラム連載の話。オタク通史、のような感じのもの。4ケ月の短期連載ではあるが、また週刊2本のペースに戻るわけで、仕事配分は要注意になるだろう。雑談いろいろ。

 1時、タクシー拾って、ノーザンのIさんに教わった、北大前のラーメン屋“まるたか”へ。非常に大雑把にしか場所を教えてもらっていなかったのだが、タクシーの運転手さんが“あそこじゃないかな?”と言ったところがビンゴだった。“ごく普通のラーメンとしては最高です”というIさんの言はウソでなく、昔なつかしいまっ黄色な麺の弾力といい、スープのコクといい、結構々々。ただ、バテ気味の胃には少し油がこたえた。薫風さんのすぐ近くなので、ちょっと寄って、挨拶。えらく驚いていた。今年の暑中見舞いの葉書はここで撮影した写真なのだが、ほとんどの人が私の書庫ですか、と訊いてくる。要するに、本の前にさらに本を積むという、書店らしからぬ並べ方なのである。

 歩いていける距離なのだが、タクシーで札幌駅へ。スムーズにライナーに連絡できて、千歳、JASは夏の乗客増で機種を古いタイプのジャンボ機に変更し、ゲームどころかモニターも何もついていない。おまけに羽田に到着しても、飛行場のはじっこにしか着陸させてもらえず、バスに乗って出口まで。まあ、文句は言うものの、無事東京へ帰りつく。仕事連絡いくつかあり。明日からまた通常営業。

 帰宅してすぐ(5時ジャストくらい)、帰省中見られなかった、例の共著本パティオをのぞく。X氏の原稿は驚くべきことに、まだアップされておらず。もっとも、昨日の晩に“あと数時間お待ちを”という書き込みがあった。とはいえ、それからもう既に二十時間以上たっており、こりゃダメかな、と思ったとたん、書き込みされた。花道から暫く、暫くと駆け込んできた形である。

 日記つけ、本の整理など。8時、出て買い物し、焼き鳥屋パパズアンドママサン。ギネスと梅干し焼酎。焼鳥とじゃこ奴、ワンタン。右の席には若い部下にいろいろ仕事のことを教えてやっている風情の女性。下心かなり見えてるんじゃないか? という感じの取扱い方。左の方にはバンド組んで夏のイベント場回りしているという兄ンちゃん、こないだ伊豆に行く途中の山道でアオカンした話。女が紙がないので熊笹で拭いてやがんの、と言ってるのを聞いて、こっちまで股間がカユくなった。われわれは親父の葬式がらみで悪趣味な話ばかり。ここは上品な店なのに、客の質が悪かったですな、今日は。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa