裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

土曜日

比丘尼スタイルのお嬢さん

 イッチィビッチィティニィウィニィアッタマソッタビクニ。朝、8時半起き。ちと寝坊。夏に酔って帰ると大抵、1時か2時に暑くて目を覚ます。汗をまったくかいてないので体温が上がるからだと思う。台所へハイ出て水を飲むと、とたんに汗がワッとにじみ出し、それが蒸発して大変涼しくなり、その後はグッスリ眠れる。最初に汗をかかないのは酒のせいか、エアコン入れて寝ているからか? 二度寝も中々いいものだが、今日は明け方の夢が、“札幌のデパートの屋上でトークに呼ばれたが、向こうは落語をやってくれといい出し、こちらは用意してないから、とトークにしたが、スタッフがマイクもろくに用意してくれず、客もゲームに夢中でこちらの話を聞こうともせず、嫌になって途中で降りてしまう”という情けないもの。自分のトークに自信を失っている証拠か?

 朝食、青豆のスープ、リンゴ。リンゴというもの、なかなかコレハといううまいのに当たらぬもの。午前中、Web現代の資料集め。なかなかいいのが集まる。しかしこういうときはかえってまとめに時間がかかり、文章がなかなか書き出せない。3時にトッパンから展示用のキッチュグッズを受け取りにくるので、それをそろえること もしなくてはならない。

 12時過ぎ、駿河台古書会館に出かけ、愛書会古書展。1万2千円ほど。暑いせいか、あまり人出なし。確かに今日の陽射しはいささか凶暴。道行く人たちが顔をしかめて歩いている。若い人などはニューヨークのように裸で歩いた方がよさそうに思うが、原宿などの通りでもあまりそういうのはいない。ガイジンさんは平気で裸で自転車などに乗っているのである。国風の差か。引っ越したキントト文庫に行くが本日休業。仕方なく帰る。

 昼は寿司屋の稲荷。3時までにもう一度、トッパン用ブツの数を調べ、あれとこれなど入れ替える。キッチュグッズは山程あれど、なかなか展示してサマになるもの、となると難しい。ダンボール箱に一杯、運送会社に渡す。4時、芝崎くん来、いろいろ打ち合わせ。こないだと学会備品としてNくんから貰ったモバイル、ワープロソフトが消えてしまっていたりして、なかなか使いこなせていないそうだ。もどかしいことである。コミケ、SF大会の時期とはいえ、彼には少し仕事押し付けすぎかなあ、と思う。トッパンから電話。20点という話だったが、もう少し並べたいので、あと12、3点、ブツを貸していただけないかということ。そりゃ、私としては賃貸しなのであるから、点数が増えればそれだけ実入りとなる。いいですよ、と請け合う。これでまた、選ぶのが荷なのだが。

 Web現代、なんとか書き上げるが、今度は行数がかなりオーバー。削るのにえらい苦労。待ち合わせの時間にもなり、エイ、後は明日だ、と思い定め、放棄して外に出る。エレベーターの中で、同じフロアの部屋の双児の兄弟と一緒になる。私が引っ越してきた当時は半ズボンの小学生だったが、今年から二人とも(当たり前だ)中学生。双児の親というのは、どちらにも同じ格好をさせたがるというが、血まみれデザインのTシャツを二人とも着用し、ちょっと見にはまるで区別がつかない。最近、駐車場でのテニスに凝っているらしいが、兄弟で仲良くじゃれあっているのを見ていると、何かショタ気分。

 K子と待ち合わせ、渋谷の井の頭線ガード下の腸詰屋『細雪』でメシ。すっかりキレイになってしまったこのガード下だが、ここのみはいまだ汚いまま。流れている有線も『有楽町で会いましょう』『青い山脈』などの懐メロで、時間がとまってしまっいる様子。二代目の主人が、初めてやってきた若い女性二人連れに、“ウチは五十年間、ずっーっとこの味だから”と腸詰の味を自慢していた。腸詰、ピータン、台湾風奴、ゆでギョウザ、ビーフンなど。生二ハイ、紹興酒二合。帰宅してメールチェックする。北海道新聞はK子のイラストでOKらしい。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa