裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

水曜日

ソノラマしばらくお待ち下さい

 朝日ソノラマ新刊発売延期。朝7時半起床。朝食、昨日と同じ。ワイドショーではまた岡田美里。彼女の発言でお中元戦線に異変が起こるか? などと考えていたら、脳裏に何の脈絡もなく中学時代の同級生のSの顔がうかぶ。別に最近、近況を聞いたわけでも、特に印象深いつきあいをしてた友人でもないのだが、どういうわけで岡田美里をテレビで見ている時に突如彼の顔が思い浮かび、しかもずーっと脳裏を離れないのか、不思議で仕方なく、いろいろ考えた末に、岡田美里のアゴの形がSに似ていることを発見した。彼女のアゴを見ているうち、脳内のどこかを浮遊していたSの顔がひょい、とフックされたのだろう。

 午前中、フィギュア王原稿。〆切延ばしていたので昨日催促が来て、明日午前中に仕上げますから、と言った手前、バリバリとやる。ギャグ入れる余裕がなくなったがまあ、たまにはよかろう。さすがに午前中というわけにはいかず、1時ころ仕上げてメールする。これで今日は体力をすっかり使い果たしたか、グタッとなってしまい、布団に寝転がる。目を閉じるとまだSの顔がまぶたの裏に浮かんでくるのに参る。ホモみたいだ。

 体調、きわめて不良。いろいろ電話あり、ほとんどが停滞している仕事の催促なのだが、どうもテンションが上がらない。昨日と違って、湿気がジワジワとただようような天気なのもよくないのかもしれない(梅雨明けした筈なのに)。六本木に出て、銀行で用事を済ませ、買い物少し。食事をどうしようかと迷った末に吉野屋に入り牛丼。帰りに近所の小学校の子で、今どき珍しいおかっぱ頭の後ろ刈り上げの女の子を見かけて感動する。紙芝居『少女椿』(丸尾末広のアレとは内容的には関係ない)の主人公・みどりソックリである。

 金成さんから小包。こないだ下北沢のレトロコレクションでアメリカ製のスタトレのシーツを発見し、それをシャツに仕立てて下さい、と頼んでいたのである。そのスタトレの絵というのが何ともチープでキッチュなもので、シャツの柄にしたらB級っぽくなるだろうと考えたのだが、果然、凄くいい感じの安っぽさが出て、実に結構な出来である。これ着てSF大会とかに行くのが楽しみである。昨日のパーティで徳間のOくんの服装センスを突っ込んだら、“カラサワさんも人のことは言えません”と返されたが、なるほどこれでは彼のことを笑えない。

 5時、講談社Hくん、図版受け取りにくる。植芝理一『夢使い』の単行本もらう。腹具合も本調子でなく、心臓も結滞気味。ドリンク飲んでなんとか元気つけて、書庫にもぐる。太田出版のと学会本のコラム用の洋書を選定するためだが、選んでいるうちに汗がボタボタと垂れてくる。突然バサバサバサ、と大きな羽音がしたのに仰天したが、小さな蛾がトマドイをして耳に飛び込もうとしていたのであった。薄暗い照明に息苦しい暑さ、本の山、耳に飛び込んでくる蛾、と、何かコーエン兄弟の映画みたいなシチュエーション。

 マガジンハウスの原稿、一行オーバー(行送りの関係)で修正、FAX。8時、新宿へ出て伊勢丹に行く。カード支払いのポイントをためたら商品券が送られて来たので、これでK子と天ぷらでも喰おうという算段である。カウンターで、サイマキ、めごち、若鮎、イカ、ミョウガなど揚げてもらう。ビールのみ、シャブリのうんと冷やしたのを飲んで、何とか今日の倦怠を吹き飛ばしたような気になれた。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa