6日
金曜日
クレヨン真珠湾 嵐を呼ぶ!モーレツ大日本帝国の逆襲
『パールハーバー』公開記念ダジャレ。寝苦しくて何度も目がさめる。井上デザインの面々にいかにしてヨーデルの発声を行うかという原理をクチクチと説明する夢を見る。ヨーデルの発声法なんて知らないんだけど。7時半に起き、朝食。マイタケ入りスープスパとヨーグルト。外務省の消化器乱入男の映像が何度も流れる。辻元清美が“とにかく、土井さんを守らなくてはと思って”と語っていたが、映像ではただ一緒に逃げてるだけにしか見えないがな。八代亜紀のLモードのCMでバックに流れている“♪エルモード、エッルモード、エルモード……”というフレーズが最近、頭の中でぐるぐるとリフレイン。
さて仕事、ということでJCMのものをやる。これに案外時間がかかり、調べものをしたりなんだりで、結局1時過ぎまでかかって三分の一。それを何とかメールしてふう、と一息。やはり週末は体力が落ちているなあ、と思う。昼は新宿に出て銀行に寄り、万世のラーメン屋でザルパーコーを食べる。凄い大阪なまりの男と中国なまりの男(どちらも大学生か)がやたら早口でしゃべっていた。お互いに理解できるのが不思議である。
帰ったらゆうべ留守録に電話あった旧知の編集(今はフリー)のSくんから、また留守録。タイミングの悪いことである。河出の『文藝』の円谷英二特集へ原稿依頼。こういうところまで円谷英二を特集しますか。それにしても、円谷をこんなに語ることになるとは思わなかった。一昨日、これもフリー編集のNくんから電話あったが、例の円谷本、私の原稿をトリにしたということである。お歴々もあろうに、私のものなどをトリにしていいのんか。Nくんにそう言ったら、“開田さんが「それも今っぽくていいんじゃない」とおっしゃってくれましたので”とのこと。今っぽいのか。
まだやらねばならぬこといろいろあるのだが、今夜の飲み会に出かける体力温存のため、しばらく横になって、UFO関連本を数冊、パラパラとめくる。私が横になるとすぐに猫が、わきにスリ寄ってくる。愛しいとは思うが暑苦しい。すぐグーと寝てしまうが、当然熟睡は出来ず、イヤな気分になる。起きて麻黄附子細辛湯、アリナミン、救心内服液などのんで気合いを入れる。
6時、家を出て、新宿駅南口まで。金曜日で参宮橋近辺メチャ混みで、うわあと思うが、不思議や甲州街道が案外の空き具合で、スイスイ行く。そこから中央線で中野まで。K子と待ち合わせ、居酒屋赤ひょうたん。実相寺昭雄監督がちくま文庫から出した円谷英二本(これも生誕100周年企画である)『怪獣な日々』の出版記念飲み会。最初、知っている顔がほとんど集まってなかったので会場が見つからず、とまどう。しばしして、河崎実、安斎レオ、デスヨくん、風塵舎社長など来。遅れて加藤礼次朗、それから実相寺御大も到着。十人くらいの座敷に最終的に二十人以上が入ってギュウ詰め状態となる。元アルゴの細谷さん、また女性連れてきた。ガバドン、シーボーズの物まね芸をする人(プロらしい)あり、飲み屋のお姉さんが不審げにわれわれを見ていた。
K子においてきぼりをくわせて久しぶりにレオさん、河崎監督などとドオタクばなし。細谷氏と佐川さんばなしなど。“あなた、十年前に会ったときはまだ結婚していたよねえ?”と言ったら“昔知ってる人はこれだからな〜”とヘキエキの態。K子は実相寺組のスタッフの人などと岸田森の話。実相寺監督に、フィギュア王の連載まとめるときに帯か題字書いてもらう約束をとりつける。礼ちゃん、奥さんの話をして、“彼女はボクが昔、親に捨てられたブルマァクのソフビ人形の生まれ変わりなんじゃないかと思うんだ”とノロケるので、レオさんと“じゃあ、寝ているときにそっと布団の端をめくって足の裏見てごらんよ。マルC円谷プロ、ってついてるよきっと”と笑う。
なんだかんだで10時近くまで飲んでいた。かなり飲んで、もちろん監督の分はわれわれ持ちで、ひとり2500円はさすがに安い。みんなと別れ、礼ちゃんと三人、トラジで焼肉と冷麺。北朝鮮の話など。さすがに肩の凝りがほぐれる思いだった。オタクに生まれしものはオタクに帰る、か。