裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

17日

火曜日

オーウェル進化論

 この会社、まるで動物農場だわ。朝8時起床。寝坊したのはやはり涼しいからか。朝食、ヨーグルト、豆の冷スープ。昨日の奥中惇夫候補のことだが、調べてみると第二院クラブにはかなり深く関係しているようで、この5月からは委員長代行のようなこともやっている(前の委員長が民主党に鞍替えしてしまったので)らしい。『猿の軍団』とか『がんばれ! レッドビッキーズ』とか撮ってるわきで政治活動にも参加していたのですね。

 鶴岡から電話。昨日楽屋で見た、井上デザインの仕事の打ち合わせの進め方に、やたら感心していた。午前中は雑用で過ぎてしまう。K子の弁当(和風チャーハン)作り、それからJCM用の一行知識をまたまとめる。なかなか楽しい。洋書の一行知識本などを参考にして、新ネタもいくつか加える。

 仕事関係の電話数本。いずれも結構な話というわけにはいかず。停滞時期なのか。まあ、別にだからといってあせる気にもならない。うまい具合にいくときはいく、いかないときはいかない。ひとつ、ビジオモノからうちのネコを取材させてくれとの電話があった。やっとこのネコが稼いでくれるか。2時半ころ、ライター兼エディターのNくん(円谷本の編集者)来宅。昨日、ロフトでカードを落とした人がいて、斎藤さんがひろって名前を見たら、Nくんのだったので、連絡しておいたのである。

 カード渡して、いろいろオタク話。次の金子版ゴジラの、併映が『とっとこハム太郎』だという話でちょっと盛り上がった。ゴジラもとうとう併映がついたかと嘆くのが正しいのか、かつての『東宝チャンピオン祭り』の時代に戻ったと懐かしがるべきか。パンコパだってゴジラの併映作品だったしな。しかし、ならばチャンピオン祭り時代の、脳天気なゴジラに作品も返すべきだろう。あんな濁った白眼むいたゴジラに子供たちが喜ぶものか。ハム太郎の方はなにしろ出崎統監督で、ガンバを作った人であり、古巣のネズミ映画にまたもどって何をやろうというのか? と笑う。

 あの、公明党のCM(テレビでも流れていたとか)のゴジラのぬいぐるみに入っていたのは××××氏だったそうな。デストロイアのメルトダウンゴジラの改造だったもので、ぬいぐるみの中にギミックが山のように入っており、重くて重くて動くどころの沙汰ではなったそうである。自分では何の仕事かまったく知らなかったそうで、見て仰天したとか。

 お中元、今年はビールがあふれかえる状況となった。まあ、あふれて困るものではないからいいか。Nくんと話している最中に、Nくんからのお中元のビールが届いたのに笑う。Nくん帰ったあと、桜井さんからのお中元の冷やし中華をひと玉半、また茹でて昼食。冷蔵庫の中の野菜をきざんで。

 8時、下北沢に出る。通りで米沢さんの奥さんに声をかけられる。そう言えば米沢さんや長谷邦男さんが講演する京都精華大学のマンガ研究会に誘われていたのであった。残念ながら、親父の四十九日にカチ会うので行かれず。コミケよろしく、とのみ挨拶して別れる。下北に来たのは、レトロコレクションで天主に、トラフェスへの出店の意向を打診するためだったが、行ってみたら留守。いま、海外へ行っているそうである。週末には帰るということなので、出直すことにする。しかしまあ、せっかく来たんだから、と店内を物色したら、戦前の、実に美しいフォルムの吸入器を見つけた。伊丹十三の『タンポポ』で見て、欲しいなあ、あれと思っていたやつである。しかも4800円と格安。さっそく購入。店番の女性に、“こういうものコレクションしている人の家って見てみたいですねえ”と言われる。

 そこからタクシー拾う。待ってる間に萩原さんの奥さんに声かけられた。東新宿に出て、幸永。ちょっと列が出来ていたが、早めについたので待つ。フィンランド語を終えたK子、ちょうどいい時間に来る。極ホルモン、ゲタカルビ、豚足、それに冷麺とクッパを二人で分けて食べる。クッパのスープ、濃厚。ホッピー2ハイに日本酒。

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