裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

2日

月曜日

わがパイは二個である

 ご家庭でできるダジャレシリーズ(寝室で旦那様がオッパイをさわってきたとき、両方のものを差し出しながら言ってみましょう)。朝8時起床。朝食、ヨーグルトとトマトスパ小皿ひとつ。ギムネマ、サメミロンその他。キャンプデービッドでのブッシュ・小泉会談、やおい本が夏コミに出るか? それにしてもブッシュのあの笑い声はスゴいね。ガハガハガハ、というマンガの笑い声そのまま。

 時事通信社原稿800字を12時までにアゲる。原稿用紙2枚キッカリ、少ないように思うだろうが、2枚キッカリで言うべきことを言って読みどころ作って、というのには芸が必要なのである。ちょっと苦心する。週アスの連載で、こちらのミスで礼を失してしまったサイトがあり、そこの掲示板に謝罪をアップする。ドタバタで最終チェックしないまま原稿を出してしまったため。この前後の連載にはそういうのが多く、まだ他にもこういうトラブルがないか、いささか戦々兢々。

 書き上げてメール、それから急いで京橋まで行き、片倉キャロン内映画美学校試写室で『アメリカン・ナイトメア』試写。ジョン・カーペンター、トム・サビーニ、デビッド・クローネンバーグなど70年代スプラッタムービーのクリエイターたちへのインタビューから、ベトナム戦争、人種問題、セックス開放など、アメリカの混沌の時代の鏡としてホラーを分析した、いわゆるカルチュラル・スタディーズものの映画である。トビー・フーパーやクローネンバーグがおさまったエラそうな感じになっていたのにも驚いたが、ジョン・カーペンターの老けたのにも驚いた。まあ考えてみれば、池袋のデパートのスター・ウォーズ関連のフェスティバルで『ダーク・スター』のビデオ上映を初めて見たのが、もう二十数年も前のことである。

 大学のセンセイたちも何人か登場して時代の欲求とホラーとの結びつきを語るのだが、これがみんなホラーの登場人物以上にアヤしく、オタク顔のデブ、やたら上品なホラーなど見そうにもない老婦人、なんかゲイっぽいユダヤ系若手学者など、実にソレっぽい。カルスタ関係者ってみんなこうか。私には非常に面白かったんだけど、これって一般公開して客が入るのかなあ。一年ほど前に、怪獣映画を同じような切り口で扱った本の企画を講談社の学術部に出して、“こんなもん売れません”と一言のもとに切り捨てられた身としては、何とかヒットしてもらいたいと思うのだが。

 終わって外へ出る。配給会社の方々から名刺いただいたり、雑誌での取り上げ依頼で深々と頭下げられたり、下にも置かぬ扱いを受ける。もちろん、これは一休禅師の袈裟と同じで、ナカミの私に頭を下げているのではない。私が持っている映画批評欄に対して頭を下げているのである。これをカン違いしてはいけない。若手映画評論家でときどき、こちらがオドロくくらい高慢な態度を取るのがいるが、これはずっとこういう扱いを受けて、それが自分個人に対してなされているものである、とカン違いしちゃっているためでありましょう。

 京橋〜表参道まで銀座線。買い物をして帰宅。4時、時間割で『トラッシュ・ポップ・フェスティバル』打ち合わせ。ステージのスケジュール、出演者とテーマについて詰める。さらにチラシ・ポスター類のデザイン発注、後援・広告関係のこと、物販スペースのことなど、かなり全般的にこちらの人脈で行うことになりそう。これまでも夏はかなりのイベント男だったが、今年は秋までオマツリ続き。

 いささか興奮状態で帰宅、井上デザインに連絡して、そのあと少し寝転がって熱を冷ましてから、原稿書き。『メモ・男の部屋』用。いささか寝転がりすぎ、8時までかかって三分の一。タクシーで新宿に出て、すし処すがわら。コチのアラをさっと煮てくれたものが極めて美味。それで菊正宗。最近、菊正も甘くなったように感じる。

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