裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

金曜日

正直ジェイソン掘ったなら

 13日の金曜日記念ダジャレ。朝7時45分起き。朝食、また昨日と同じ。そろそろ飽きてくる。夏バテ防止用にクスリ数種。お中元、不況の時節故、送ってくるところは少ないが、こちらの要望(?)をそろそろどこもわかってくれ始めたらしいとみえ、ビール詰め合わせが多いのがうれしい。講談社から新刊『裏モノウェブ見聞録』著者分、届く。ひさびさの新刊なので妙に落ち着かない。

 午前中はひたすら、一行知識まとめる仕事。JCMのネット配信用である。いろいろ面白いのはあるのだが、サシサワリがあるものはほとんど排除しなければならないのがモッタイない。午前中に一度送ったものがURL違いで戻ってきてしまい、あわてて午後1時くらいにもう一度送る。K子に弁当、カボチャのそぼろ煮。

 昼はカレーライス。こないだ飯坂温泉のみやげもの売り場で買ったイノシシカレーだが、これが普通のレトルトカレーの倍くらいの量がある。現在減食中なので、半分だけごはんにかけて食べる。味は濃厚で悪くない。本日、歯医者なので食後丁寧に歯を磨く。『猿の惑星』の試写状届く。19日朝10時から。そんな朝早くからサルを 見たいか、みんな?

 2時半、家を出て渋谷駅まで歩く。暑さ尋常一様にあらず。しかし、これだけバテて苦しくてどうしようもない暑さなのに、夏が暑くないと、何か一年を損してしまったような気になるところが不思議なもの。西永福まで井の頭線。山手線などに比べこの井の頭線に乗り込んでくる女子学生は上品で、車内の携帯使用率は三分の一以下、茶髪率は五分の一以下である。規則でそういうことを禁じられている、いいとこのお嬢さんが多いのであろう。自分がそういうものが大嫌いなのに、型にはまった教育、規則で縛り上げた育て方をされている若い人を見ると、何か日本はまだまだ大丈夫、などと思ってしまうのは何故なのか。興味ある心理である。

 佐々木歯科。今日も歯石取り。うら若き女性に金属器具を口につっこまれ、血だらけにされる。ほとんどマゾの境地となる。先生は隣の席で、レントゲン写真を前にして“この少年の歯は……”と母親に説明していた。日常会話で子供のことを“少年”と表現する人間にあったのは初めてである。

 帰りの井の頭線は男子校の生徒たちでいっぱい。やはりいいとこの学校なんだろうが、いいとこだろうとなんだろうと、やはりこの年頃の男子というのはムサクルシイものである。帰宅、渋谷駅から歩いてきただけで汗ダクとなり、パンツまで全部取り替えて、シャワー浴びる。ちょっと休んで、仕事にかかる。『本の雑誌』からチェック用ゲラ届く。道新からは新連載の参考用のバックナンバー。イラストがちょっと、おとなしめすぎて私の文章に会わないのではないか、と心配になる。マガジンハウスからメール、ダカーポの1月からのリニューアルは失敗だったらしく、私のコラムも入っているコラムレンジャー欄、早々となくなるらしい。まあ、わかるような気もする。ネコがなついてきたかと思ったら急にえずきはじめ、ゲロを吐く。夏バテなのであろう。もう年だしなあ。

 8時半、タクシーで新宿すがわら。こういう暑い時期はやはり寿司屋はまるでダメだそうである。白身うまくておかわり。他にタコの茹でたて、コチのあらなど。妙に酒がうまくてすすんでしまった。K子から、『奇形児』再刊のものを見せてもらう。今回の再刊は新たにツッコミを入れてある。やはり、これがないと物足りないという読者が多いんだよなあ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa