裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

3日

金曜日

キッチン太助

 こういう台所用具、売ってると思う。。朝7時半起き。朝食は8時。バタロールにソーセージをはさんでモーニング・ドッグ。コーヒーにリンゴ。早川書房のイラスト指示をK子にして、また原稿。さんなみからいしりが半ダース、届く。どうも、ホームページで店の名前を出した、そのお礼らしい。恐縮する。『金沢殺人事件』は読んでるのだろうか?(笑)。

 某出版社から5月に出るホラーマンガ雑誌にエッセイ連載のお仕事。来週打ち合わせ。営業回りに行かねばと思うと、向こうから飛び込んでくるもの。ただし、原稿料は安いらしいが、今日びゼイタクは言ってらんない。今日は他に実業之日本社からも飛び込み原稿依頼あり。毎度、この調子であれば営業の必要もないんだが・・・・・・。

 昼は迷ったあげく、神戸らんぷ亭で納豆と牛皿。ご飯がこれ以上ないくらいマズく炊けていて、せっかくの納豆もうまくなかった。早川、必死の思いで4時までに書き 上げてメールで送る。あとはゲラで直しだ。

 4時から歯医者だ、と思って出かける用意をしたら、時間を間違えてスッポかしていたことが判明。力が抜ける。ダイヤモンド社のN氏にに電話。昨日の日記で(まだナイショ)と書いたばかりだが、幻冬舎の8月のフェアに『古本マニア雑学ノート』を文庫化させてくれないか、という件を頼む。
「そろそろ来る頃だと思ってました」
 と、一発OK。『創』の件で神経質になっていたが、案ずるより産むが安し、西川より横山がやすし(意味はない)。もちろん、単行本を他社で文庫化する場合、版権を著者が引き上げていればともかく、普通は売上の何パかが元本出版社にもいくものである。幻冬舎はその支払いをケチりたがるので有名(笑)だが、Sくんに連絡したところ、“これは(売れる本なので)仕方ないでしょう”と、こちらもOK。安堵の息をついた。歯医者をスッポかしてなければ電話は来週以降になり、その期間、神経使って痛め続けだったと思うと、スッポかしも無駄でなかったか。

 6時半、『時間割』。海拓舎『B級学・都市編』語りおろし。この本は私が最初から筋道立てて話すというのでなく、まず示した私の基本コンセプトに従って編集のFくんとライターのTくんが資料を集めてそれをまとめ、その疑問点と次の展開の方向性を私に質問し、それにまた答えて・・・・・・という、RPGみたいなやり方でまとめていっている。次の展開がどっちの方向に行くか、私にも予想がつかない場合があり、毎回の打ち合わせが極めて新鮮である。疑問点に答えながら、“そうか、こういう視点もあったか”と、自分で膝を叩くこともしばし。今日も奇説多出で、話していながら自分で呆れ、かつ感心。

 終わって9時。K子と待合せ、神山町裏の鮮魚割烹店へ。小さな、あまりきれいでない店だが、前にK子がアシスタントとランチに入ってかなりおいしかったという店で、イワシ刺し、鯵のなめろう、茄子浅漬など。ボリュームたっぷり。ツキダシが菜の花のピーナッツ和えと茶碗蒸しの二品も出る。

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