裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

土曜日

パクチー砦の二悪人

日記内容参照。

今朝の夢。
雑誌の特集用かなんかで、スタジオで写真撮影している。
女性モデルと私の二人。
傘をさして雨のシーンを撮るが、カメラマンが雨はあとから
合成するという。
「今は合成できますがね、昔はひどかった。雨足をきれいに
撮るために、何を使うと思います? イカソーメン」
という。イカの身には発光バクテリアが付着していて、
一晩くらい置くと光ってくるので、それを雨の代わりに
天井から降らし、これを特殊感光フィルムで撮ると、
実に美しく幻想的な雨足になって写るという。
さぞ臭気ふんぷんの撮影だろうな、と私は眉を顰める。

朝9時起床。
紀ノ国屋で買ったミートパイとアップルパイで朝食。
それとアイスミルク。
日記つけ、連絡類ちょっと。
『トンデモ音楽(ミュージック)の世界』の最終確認。
杉&鉄のCDの曲名をちょっといじる。
インパクト重視で。

ブラックバーン『薔薇の環』読み継ぐ。
例によりサスペンス風に始まり徐々に風呂敷が大きくなっていく
ストーリー展開である。
ブラックバーンの作品は『NOTHING BUT THE NIGHT』が
クリストファー・リーとピーター・カッシングのコンビで
『デビル・ナイト(悪魔のチャイルド)』として映画化されたこと
があるが、彼の作品の常連であるカーク将軍とマーカス・レヴィン卿
をこの二人にアテてぜひ、シリーズ化してほしかった。

昼は食欲なく、エスニック風ラーメン作るがひと啜りくらいした
のみ。牛乳飲んでしのぐ。
日記つけ、過去のものもちょっと。
A社から原稿催促電話。状況説明したら向うの声、やや明るくなる。

山口A二郎さん推薦の自主製作怪獣特撮映画をYouTubeで。
http://jp.youtube.com/watch?v=XcHxm-Mcat0&feature=related
監督・製作の田口清隆氏は『ゴジラ FINAL WARS 』で
デジタル合成のスタッフをしている人だそうだからまあ、自主製作と
言っても純然たるアマチュアではないのだが、見ていてニヤニヤ。
そう、私らが観たいのは『クローバーフィールド』じゃなく
こういう怪獣映画なんだよね。
しかし、自主製作でも特撮は今やここまで出来るというレベルながら、
出演者の演技はこれはもう、如何ともしがたいものがある。
いかにCGが進歩しても、役者はプロでないとダメなのですねえ。

気圧下がり、体調不全。
汗をやたらかく。
仕事もできず、ともあれと家を出て、新宿で買い物。
本日はダーリン先生ファンの芸人さんたちが、
ダーリン先生の復帰までつないでやっていこう、と企画した
おるすばんライブ。
ぜひ行きたかったのだが、パクチーハウスがずれこんだため
行けなくなってしまった。せめても楽屋のみなさんに、
と小田急で寿司を仕込む。

丸ノ内線、銀座線を使って上野広小路まで雨の中。
広小路亭、もうかなり並んでいて、トップがぎじんさんだった。
挨拶して楽屋で、さだやん師匠に挨拶、
「ヤスケ(寿司の符牒)でございます。みなさんでどうぞ」
と差し入れを置いて、辞去。ノリローさんにもご挨拶と
思ったが、実はこういう挨拶苦手なんである。
私は業界では愛想やつきあいのいい方で通ってると思うが、
そこは出自がオタクの引きこもりで、実は極めてそういう人つきあいは
苦手な方で、今でも、しなくてはいけない挨拶をつい、
先延ばしにして結局オロソカにしたまま、有耶無耶にしてしまう
ことがある。

コレデハイケナイと思うから、実はかなり意識して人に会ったら
声をかけたり挨拶したりするのだが、出来れば、差し入れなど
置いたら何も言わずササーッと退散してしまう方が気が楽なんである。
結局、サササーッで地下鉄でいま来た道を逆方向に新宿に戻り、
小田急で経堂へ。
パクチーハウス東京。

オノ・マドと麻衣夢ちゃん、それから朝日新聞のNアニキにKシュー
で私の誕生パーティ第二弾。麻衣夢ちゃんからは声が枯れないように
とハチミツ、オノマドからは熊さんのパンツ(笑)。
ビールで乾杯。望みのパクチー料理は、パクチー春巻、
ヤンパク(羊肉炒めの下にパクチーを敷き詰めたもの)、
ピータン豆腐(ペースト状になるまで掻き混ぜて食べる)、
パクチーパスタ等々。Kシューが飲んでいた“パク酒”、
ウォッカにコリアンダーシードを漬け込んだ酒だが、
なかなかイケた。

麻衣夢ちゃんの新譜の推薦文のこと、またこないだの『裁判員法廷』
の朗読サービス許可依頼のこと(やはり書評をそういう朗読サービスに
するというのはかなり珍しいことらしい)など、
話またはずむが、どうもアニキ(矢沢永吉ファンなのでこう呼ばれる)
が浮かない顔。話を聞いたら、実はパクチーみたいな香草は苦手で、
パクチーというものをそもそも知らず、今日の会場はアニキから
Kシューに伝えたのだが、伝えたあと
「ところでパクチーって何?」
と訊いてきたそうな。
しかも最初に口にしたのが中身がほぼ、パクチー100%の
生春巻だったので、かなり強烈な初体験だった模様。
Kシューもオノも、人が困ってるのをつつくのが大好きな人種なので、
もう盛り上がること。パクチー砦の二悪人といった状況。

途中で麻衣夢ちゃんの指示で、お店からバースデー・ケーキの
プレゼント。麻衣夢ちゃんにハッピーバースデートゥーユーを歌って
もらう。このケーキのクリームがやはりパクチー入りで、グリーン。
ちょっと聞くとオゾ気をふるうが、食べてみるとパクチー臭まるで
なくてさわやか。

最後、パクチーパスタで〆のあと、元気取り戻したアニキの
誘いで、寿司屋で二次会。人物月旦、今後の仕事のことなども
話すが、みんな酔って気分が大きくなっているから、もう
フくことフくこと。
かなりベロになって、タクシーで帰宅。
気圧のせいだな、この酔い方は。

祝っていただいてありがとうございました>みなさま

Copyright 2006 Shunichi Karasawa