裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

5日

月曜日

日ごと雄琴

おまえ、ソープ狂いもいいかげんにしろよ。

※原稿書き 『Pマン』撮影

今朝の夢。パソコンソフト『妖怪図鑑』を見るというもの。
画像が『墓場鬼太郎』のようなアニメで、ちょっとした動きをする。
出てくる妖怪はみんなオリジナル。
記憶に残っているのは『己が火(おのがび)』というやつ。
古い家の姿で現れ、いつからともなく建っていたように
人々は思うが、ある日突如自然発火していなくなってしまう。
画像では、草色のペンキを塗った和風の家で、窓が巨大な目に
なっており、家の一部が燃えて、おーん、というような
鳴き声を一声、あげる。

朝、9時半まで寝る。
10時朝食。オレンジとリンゴ。
昨日の撮影終了の報告をと学会MLに。
さらに一通、友人に頼みごとメール。
休日だが原稿催促電話。

雨、また降り始めた。
気圧も低下で体調究めて不良。
昨日、撮影日に、曇りではあったが降らなかったのはかなり
幸運だったのだな。

12時、家を出て地下鉄とタクシーで渋谷。
仕事場でFAXの類、手紙類を整理。
数日来ないあいだに溜まるもの。
あと、シルクハットを家まで持ち帰る。
バスで帰宅。

タイミングよく、帰宅したところで山口さん来。
撮影準備をして、自宅の物置部屋で
撮影開始。設定では宇宙船の中なのだが、背景は全てCG、
相手役はストップ・モーション・アニメで撮影して合成のため、
白い壁の前で、独り芝居である。

『Pマン』に登場する、宇宙の故買屋、プロフェッサー・フー。
もちろん、『キングコングの逆襲』のドクター・フーへの
オマージュキャラである。セリフにも、そのテイストが満載。

指に、以前K子にとデザインフェスタで買った、
クモの指輪をして、これを目立たせるように撮ってもらう。
天本英世はアヤシゲな中にもカッコよさがあったが、
私がやるとアヤシゲさ100%だな。

1時間ほどで撮影は終わり、山口さんとスタッフ、帰ったあと、
気圧の急激な変化で頭がクラクラしてきて、
ベッドの上で気絶する。
寝るのと気絶の違いは、意識をなくしている間に寝返りを
打つか、だと思うのだが、一時間後に意識を快復したあと確認しても
ほとんどシーツに乱れがない。
失神に近いのだと思う。

雨は止んでいる。
外出してサントクで買い物。
パクチーがあったので買い込み、パクチーハウス新中野、と
決め込む。

原稿カリカリ。
9時まで書いて、それから料理。
茹で鶏のパクチーソースがけと、パクチー麺。

・パクチー茹で鶏

鶏肉を茹でる。お湯の中に日本酒をどぼどぼ。
つぶしたニンニクとネギ(今回は長ネギが無かったのでタマネギで代用)、
ショウガと一緒に鶏肉を入れ、煮立てる(小一時間)。
アクはこまめにとる。

その間にソースを作る。
すりゴマにおろしたニンニク一片、ショウガ一切れ。
ゴマ油、砂糖、醤油、豆板醤を混ぜ、青ネギとパクチーのみじん切りを
加える。

肉が茹で上がる10分前くらいにモヤシを入れ、鶏肉は切って一緒に
皿に盛る。
その上に上記のソースをかけ、さらに大きく千切ったパクチーを
上に盛って。

・バー・ミー・ヘン(バンコクの汁なし麺)風パクチー麺。

ニンニクのみじん切りをオリーブオイルで熱して香りを移しておく。
エビ、ホタテ、肉団子を茹でておく。
香菜、細ネギはみじん切り。
麺を茹でて、茹で上がる前にモヤシを加える。

ニンニクオイルにニョクマム、醤油、砂糖を加え、これで
茹で上がった麺を和える。

エビ、ホタテ、肉団子を上に置き、みじん切りの香菜、青ネギを
上に。
ライムの絞り汁、唐辛子粉を上に好みでふる。

アジア〜ン。

出来上がった料理をmixiに写真つきでアップしたら、
パクチーのダジャレでコメントが伸びること伸びること。
焼酎蕎麦湯割飲んで、DVDで古い刑事物など。

マイミクさんの日記で関谷ひさし氏の死去を知る。
『少年』誌の常連で、『ストップ! にいちゃん』が代表作だろう。
連載開始が昭和37年、終了が昭和43年。当時小学生の私には、
主人公の中学校生活がすごくオトナの世界の話に見えた。
ヒロインのサチコもお転婆なのだが“可愛い”ではなく“きれい”な
お姉さんで、主人公の勇一との、ケンカしながらも互いにひかれていく
淡い恋愛関係が読んでいて気恥ずかしかったものだ。
それよりも、繰り返し読んだのが当時秋田書店で刊行していた
『マンガのかきかた』に、参考作品として掲載されていたSFヒーローもの
『遊星ナンバー1』で、裸に海パン姿、ヘルメットに水中眼鏡みたいな
ものを装着した、まったく正体不明のスーパーヒーローが活躍する
短編で、当時の私でも
「へえ、関谷ひさしがこんな作品を描くんだ」
と、ちょっと意外だった。
まあ、実は『ストップ!にいちゃん』でも、ロボットみたいな
金星人が出てきた回があったから、SFは好きだったのだろう。

男の子でも、横顔を描くときに、長い、そったまつげを描き加える
のが特徴で、上記『マンガのかきかた』では、目の描き方でこの関谷ひさし
式のものを“まつげ型”として分類していたっけ。
それのせいか、少年を描いてもどこか少女っぽさがあるところが
関谷キャラの特徴で、昭和30年代に量産していた時代劇漫画には、
ときどき、ドキッとするような美少年が登場してくる。
現代のBLファンの女性にはたまらないかもしれない。

とにかく、絵の上手い人だった。当時の漫画家に比べると
現代の若手漫画家の方がおしなべて絵は上手いが、その上手さは
リアリズムの上手さで、関谷ひさしのような“略画の上手さ(要するに
簡略な線でフォームを巧みにまとめてみせる上手さ)”を継承する人は
いないように思う。
ご冥福をお祈りする。
1時半就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa