裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

火曜日

隠し撮りの三悪人

長澤まさみ入浴シーンをねらったパパラッチ三人組逮捕!

※『社会派くん』ゲラ直し DVDデラックス打ち合わせ

劇団の稽古の夢。
脚本は私が書いている。
演出家がそれを役者につけて、
厳しく稽古させている。
その稽古場にお客さん。
昔の私の知り合いの女性で、私のことを絶賛。
照れ臭くて困る。
一方で演出家は主演女優と、街へ舞台セットを見に。
中華レストランのモザイクの壁がいいと演出家が言うと、
主演女優、カンフーのように蹴りを入れてその壁を
建物からはがし、持ってきてしまう。
夢とは言え、ひどい。

朝8時起き。
寒いこと。暖房を入れる。
9時、朝食。
札幌から母の日で送ってきたコーヒーを入れて。
オレンジと小プリンスメロン半個づつ。

中国四川省の震災のニュースに心痛む。
被害の大きかった成都は、昔、チベット旅行をした際に
立ち寄り(チベット行きの飛行機は成都発)、三国志の武将像を並べた
武侯祠などを見学した思い出の場所だ。
ラサ行きの飛行機が一回砂嵐で引き返したとき、
ゲン直しにご馳走を食おう、と成都のホテルでみんなで抜群に
上手い鱸の清蒸(酒蒸し料理)を食って、一気に一体感が高まった
こともあった。
成都からラサに向かうドメスティック・エアラインの
受付は、白くペンキを塗ったレンガ作りの、とても空港受付とは
思えないところで、何やらスターウォーズのモス・アイズリー
を連想させる場所だった。
あれは、大地震じゃひとたまりもないだろうなあ、と思ったが
考えてみればさすがに現在ではもうちょっと近代的になっているか。

『社会派くん』対談ゲラチェック。
今回はあまり手を入れていない。
チベット問題もまたかなり論じているが、今回の地震の
震源地がチベット自治区であったこともあり、このことが
次回は大きなテーマになるな。
それにしても、と学会員として興味深いのは、例のブラジルの
予知夢男、ジュセリーノである。
彼の予言中、
「2008年9月12日、中国で100万人が被災を受ける
地震と津波が発生する」
とある。

以前、日本での地震予知報道のときにも日記に書いたことがあるが、
地震予言の意地悪なところは、多くが大外れも大当たりもせず、
ちょっとかする程度に当たることである。
地震の予言というのは、予言の中では(他のものがほとんど外れる
のに比べて)かなりの確率で当たることが多い。
しかし、その当たりは、100%でなく、必ず、場所か、日付か、
どっちかが大外れしている。
今回のジュセリーノの予言も、“中国で100万人が被災”
という点では大当たり(死者だけで1万人だから、被災者は
100万を越えるだろうが)だが、9月と予言したところは大外れ。
それを、“それでも中国で地震”というポイントは
ピッタリだし、12日という日付までその通りだったんだから
当たった、ととるか、“4ヶ月も日付がずれていて予言と言えるか”
と否定するか。
これで予知肯定派と否定派の争いは永遠に続くのである。

ゲラ送り、気圧の乱れによる不調も少し収まったところで
渋谷へ。バス乗り継ぎで。
東武ホテルでDVDデラックスKくん打ち合わせ。
今度わが社も新書を作る企画がありまして、
この連載を新書化できないか、と……と言うので、
DVDデラックスが新書? と一瞬イメージが頭の中で混乱
したが、考えてみるとこの雑誌の刊行元は毎日新聞の子会社だった。

その他集英社、小学館クリエイティブ等と連絡。
NHKのYくんからも打ち合わせの電話。
某店に予約電話入れるがちょうどその日は貸切パーティとのこと。
善後策をオノに依頼。
トンデモ本大賞ビデオのやまぐちさんからメールで問い合わせ、
盲点のように、最も大きな基本的変更点を伝え忘れていた。
あわてて訂正。
エレベーターで階下に下りたら、熊倉一雄さんにバッタリ、
さっき部屋でお送りした(芝居への花のお礼)菓子への
ユーモラスなお礼状を読んでいたばかり。
西手新九郎のちょっとしたお遊び。

久しぶりに東急本店の紀ノ国屋で買い物、バスで帰宅。
メディアファクトリーの原稿、不捗なれど既に書いている
部分に手を入れると、格段によくなった感じがする。
感じだけど。

8時、体調悪化で神経イライラするので、料理に専念、
気を休める。
マイミクさんの日記で“気圧食い”という言葉を知ったが、
確かに気圧で体調不良のときはやたら腹がすく。
憶えたばかりの料理二点。

*チキンのリンゴカレーソースがけ
朝、グッチ祐三がテレビで取材していたスペイン料理店の
まかない料理だそうである。
グッチさんの料理はなぜか私の舌に合わないものが多いのだが、
これは彼が取材したスペイン料理店のものだし、
リンゴジュースを使うのが面白いと思い、作ってみた。
・鍋にオリーブオイルを熱し、チューブのおろしニンニクを
たっぷりめに加える。
・タマネギの薄切りを加えて炒め、リンゴの角切りも加える。
・鶏もも肉に塩コショウして小麦粉(切れてたのでソバ粉代用)
をはたき、フライパンで焼いて表面に焦げ目をつける。
鍋にリンゴジュースを一缶あけて、その中でタマネギ、リンゴ、
鶏肉を煮る。スープのモトを一キューブ、あと隠し味に醤油、
月桂樹の葉を一枚加えて15分。私は日本酒を少し自己判断で加えた。
鶏肉を取り出して皿に乗せ、残ったソースにカレー粉を加えて
煮詰め、カレーソースを作る。これも自己判断でバターひとかけ。
ソースを鶏肉の上にかけていただく。
感想から言うと、かなり食えるが甘い。リンゴジュースは
出来るだけ甘味のないものを使うといいだろう。

もうひとつはマイミクのrikiさんの釣り日記に
あった、イカのたたき。
本来は船の上で作る漁師料理なのだろうが、
小粒のムギイカの身を青ネギ、シソと叩いて、コチジャン
で和えたもの。
ちょうど紀ノ国屋にヒイカが売っていたので、プロレスラーの
指ほどの太さの7〜6パイのヒイカを無念無想で下ろす。
甲、目玉、キモは捨て、身と足の部分を俎板の上でトントンと
粗くたたき、刻んだシソ、芽ネギ、ゴマと合わせて、
上からコチジャンをかけ、ウズラの卵を落とす。
コチジャン風味が非常にいい感じ。

ビールと日本酒、最後は例により焼酎蕎麦湯氷ロック。
資料DVD何枚か。
12時、寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa