裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

土曜日

パクチーの湖

チャイコフスキーバレエ、ベトナム公演。

※白夜キャプション原稿 MXテレビ取材

朝8時半起床。
雨で体調、非常に悪し。
雨でも全くそれが気にならないこともあるが、
やはり身体に蓄積した疲れとの相関関係があるのだろう。

9時、朝食。
小型メロン半個、柚子みつヨーグルト。
『ぶらり途中下車の旅』、旅人は車だん吉。
こないだ撮影したビデオの乾ちゃんのセリフに車だん吉を
使ったのでニヤニヤ。
弁当貰って、自室に戻り原稿。

白夜書房パチスロ雑誌キャプション。
書いてメール。
ミリオン出版の次の本の企画についてK子と打ち合わせ。
私は今回はちょっと猟奇から離れたものを、と
思っていたが、K子はヨーロッパ猟奇シリーズを
やりたいと言う。

昼の弁当、焼肉と卵焼き。
弁当の分量は普通の外食の三分の一くらい。
ダイエットにはいいが、外で仕事があるときはやはり
もう一食、ソバなどを腹に入れないと保たない。

1時15分、家を出てタクシーで事務所。
東京MXテレビ『大進撃放送BONZO!』インタビュー録り。
スタッフの他、IPPANさんも来て。
インタビュアーは以前文サバで私の塾生だったKさん。
まず仕事部屋でスチールを撮り、それから居間で
インタビューを受ける。
“トリビア”“ヤマト”“コロンボ”など、テーマが
バラバラじゃないか、と最初思ったが、話してみると
全部つながるので自分で驚いた。
最後にロフトの『ざつだん人の踊り』告知を。
初回放送は、5月16日(金)27時30分から。
http://www.mxtv.co.jp/schedule/index2.php?final_year=2008&final_month=5&final_day=11
以降、何回かに分けて放送するようだ。

そのあと、仕事部屋で大賞授賞式進行台本に、昨日の
会談をふまえた手入れ。
時間の計算に頭を悩ます。
途中で電話、ハッシーから一件。
さらにメール、集英社Mくんから。
ちょっと仕事絡みで質問があったのでメールした返事だったが
それにからめて、結婚の報告。
お相手もなんと、別会社の女性編集で、私の担当もしてくれている人。
大学の同窓ということで、なんとなく似たところのある二人だな、
とは思っていたけれど。

明日の会のネタも仕込み、まずよし、と、
小雨ソボ降る中、バスで帰宅。
小学館の原稿資料が重いこと。
サントクで買い物、それから自宅で仕事再開するが
進まず。
気圧のせいさ、と放り出して、飯にする。
冷蔵庫に余っていた中華麺を茹で、
カニ爪肉とギンダラをニョクマム風味で味付け、
トマト、香菜を刻み込み、ゴマ油をかけて、
全く自家製のアジア麺。
ちゃんと食えるものになってしまうところが凄い。

ビデオで『長靴をはいた猫』。
昔、アニドウの会誌の投稿欄に、
「ペロがピエールをカラバ公爵に見せかけるため、
農民をおどしてカラバの家来のふりをさせる部分が
許容できない。特権階級である王におもねるために貧しい農民を
おどすというのは主人公にあるまじきふるまいなのではないか?」
という意見が載った。
当時(1970年代末)のわれわれ若い世代のアニメ批評というのは、
こういう、思想とからめたものが高級っぽいとされていた感が
あるが、その典型みたいな意見だった。
「ここはペロの機知を楽しむところであって、そもそもペロは
一介の農民であるピエールをお姫さまの妃に仕立て上げるという、
階級制度を根底からくつがえすためのいたずらを仕掛け、その協力を
頑迷な農民たちに(半ば強制とはいえ)求めているのだ……」
というような反論文を書きかけて途中でアホらしくなって
放り出した経験がある。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa