裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

31日

水曜日

だじょー仏心

 ハタ坊には仏様のような思いやりの心があります。朝8時起き。昨日のパイチュウ効いたか、心地よい目覚め。朝刊で井上忠夫の自殺を知り驚く。“森トンカツ、泉ニンニク”はわれわれの世代の心の歌ではないか。朝食に、昨日兎丸くんからもらった食パンを食べる。彼がエッセイで“家の近くに日本一うまいパン屋さんがある”と書いたのを読んだK子が、“それが食べたい〜!”と強制して買ってこさせたもの。確かにキメが細かくてうまいパンである。あと、アボカドサラダ。薬局新聞1枚半アゲ。

 午前中はよかったが、午後になり、低気圧と湿気が尋常一様でなくなる。いっそ降ってくれればまだ過ごしよくなるのだが、体がなにかモヤに包まれたような感じで、ピクリとも動かぬ状態が続く。原稿書こうとパソコンの前に坐っても、以前の原稿を読み返したり、ネット徘徊したりするばかり。6時過ぎになってやっと驟雨一過、体の自由が効くようになる。気のせいだとは思うんだが。

 後書き送った『新人賞の獲り方教えます』、気に入ってくれたと見え、オビにも一部を抜粋したいという要望。原稿読み返してみたが、やはり人称の不統一とか、ケアレス多々。急いで書いた原稿はイキオイはいいんだがこういうところが。昼は札幌から送ってきた、キャベツと鶏肉のスープ。これがメチャうま。パンと一緒に 食べる。

 非常に不敬なオコナイであるとは思うんだが、最近のトイレ用読書本は岩波文庫の『古事記』。区切り々々のスペースが一回の在室時間にピッタリなのである。応神天皇が酒を飲んで酔っ払い、杖で石を打ったらその石が走って逃げた、などというわけのわからん記述があったりする。メール情報、TINAMIX休刊の報。早かったねえ。一時的なもので継続はする、と言ってるが、さてどうであろうか。結局、あそこに東浩紀や砂のからみで誘われた執筆者こそいい面の皮であったな。

 6時20分、雨の中新宿から山手線で日暮里。林家しん平プロデュースで落語と特撮のリミックス寄席。サニーホールの方かと思ったら、同じ会の大きな方の会場でやっていた。こういうマニアックな会はロフトプラスワンみたいな密室の方がいいんだけどねえ。談之助、ブラックはいつもの通りの調子だったが、会としての充実度はイマイチ。しん平の怪獣好きが逆に話の毒を薄めている感じだった。も少し落語家的なツッコミがトークでも欲しかったし。と学会のメンツも来ていたが、
「カラサワさん、聞きながらイライラしているのが後ろでわかりましたよ」
 と言われた。打ち上げは白木屋。それから近くのラーメン屋でチャーシューメン食って、解散。

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