23日
火曜日
開田 開田 まくらが 開田
立川談之助が落語のまくらで開田裕治のことを。今月の31日(水)に開田画伯もゲストで高座にあがる怪獣ばなし落語会『RAKUGO EPISODE1』が日暮里サニーホールで行われる。出演は他に快楽亭ブラック、林家しん平、韮沢靖、満留 浩昌。問い合わせは落語王(03-3372-1481)まで。それはそうと朝8時起き。早 朝から晴天で暑そう。朝食、ローストチキンサンド、オレンジ。幻冬舎からメール、文庫版『古本マニア雑学ノート』解説、坪内祐三氏に決定とのこと。
午前中ずっと書評原稿用読書。データ本、書庫探したがないので六本木ABCまで行く。ついでに歯医者の金、銀行でおろす。トツゲキラーメンで昼食。再開発で日比谷に会社が移転した人の中には、タクシーで六本木まで通ってこれを食べている人もいるとか。今日はちょっと胃の具合悪かったので胸焼け。
帰宅、読書続き。由井寅子『ホメオパシー』、日本に、というか世界にまだホメオパシー医療の団体が存在していたのか、という驚き。ガードナーの『奇妙な論理』で19世紀に大流行し、20世紀にほとんど消滅した理論、として紹介されていたが。 竹田日恵『魏志倭人伝の陰謀』と北周一郎『極北に封印された「地底神」の謎』の二 冊は、新味はまったくなく、使い古された資料の持ち出しが気になるが、それに目をつぶれば、ジェットコースターのような論理の飛躍が楽しめる、どちらも実にトンデモ本らしいトンデモ本。特に後者の大スケールはホラ話マニアには拍手喝采もの。西丸震哉『こんなものを食べていたのか』、最近のこの人の著書の特長である酔っ払いのクダ巻きを聞いているような感じが顕著なだけのもの。危機意識の発露なんだろうが、山本夏彦の言うごとく、警告というのはあまり繰り返されるとただうるさいだけのものになる。浅野八郎『寿司占い』は表紙の“回転寿司にも対応!”という惹句に大笑いしただけ。
トンデモ本の世界が魅力的なのは、こういうスノッブ出版物が売れている、という事実が、根本的に文化の地平を複雑にしているからではあるまいか。一流のもの、ホンモノであるもの、だけが評価され、売れるという状況がもしあったとして、それはなんとなくノッペラボーな、起伏に乏しい文化的荒野にしかならないような気がするのである。ホンモノの回りに群がる二流、B級、ニセモノ、パチもん群に実は文化は支えられ、伝承されていくものだ。“バケモンが出なくちゃいけません!”というのは落語界のことについて桂文楽(先代)が口癖にして言っていた言葉だそうだが、まさにこれ、文化状況全般における真理。
4時、歯医者に行く。奥歯に麻酔して、ブリッジをはずした後の虫歯治療。神経スレスレまで削るので少ししみる。新ブリッジ台、33万。マカリませんか、と訊いたがマカリません、とのこと。ビアス曰く、歯医者とは“口の中に金(歯)を入れながらポケットから金(貨)を抜き取る手品師のこと”(『地獄の辞典』より)。
帰って原稿書き上げ、メール。8時、曙町井上デザインに行き、ここのHPの製作費支払う。新著デザインについて少し話す。通り沿いの串焼き屋『どど』でビール。フジテレビあったころの名残か、デビュー当時のタモリの色紙などが飾ってある。ポテトの串焼きがお菓子のようで美味。おかわり頼んだが、人気商品らしく品切れして しまっていた。