裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

月曜日

サイファイおじさん

 梅原克文氏のこと。朝7時半起き。朝飯、コンソメスープスパゲッティ。朝っぱらから鶴岡から電話。ネットの裏情報。6月1日にロフトプラスワンで“戦え!僕らのマンガロン”と題してトークライブやるそうなので、行ってやってください。7時半スタート。問い合わせ3205−6864。

 11時、学陽書房Hくん、『カラサワ堂変書目録』見本刷り持参。今度は全体がワサビ色のシブい表紙。早ければ1日から書店に並ぶはず。ざっと読み返すが、あれだけチェックしてまだ誤植がある。K子の弁当、ジャコご飯と豚肉生姜焼き。こっちはカレー。昨日はマウスパットがベトついてぜんぜんマウスがスベらないくらい湿気がひどかったが、今日はそれほどでなし。とはいえ肩凝りと脱力感ひどく、メシの後、首をまっすぐに保っていることだけで荷である。

 原稿、やらねばならんのが山積だが手がつかず。横になって本を読んでいると、数度に渡って、頭の上に本が落ちてきてハッと気がつく。知らぬ間に気を失うように寝てしまっているんだな。で、夢を見るんだが、これがロクなもんでない。親指の爪が割れて、そのあたりを押すと、割れ目から真っ黒い、魚のエラがたくさんまじったヘドロのような膿が際限もなく吹き出してくる、という夢。起きているアタマではまず考えられない、嫌すぎるイメージだなあ。どうすればこんなことイメージできるんだろう、とむしろ感心。

 4時ころ、芝崎くん来。土曜日に、リビングにあふれているビデオ整理のための棚を作りつけるのだが、その棚を抑える耐震用器具を買ってきてくれた。いつまでもダラダラしていることもできないので、買い物に出かける。このごろお気に入りで飲んでいた紀ノ国屋のブラッドオレンジジュース、昨日でフェア終わってしまっていた。 残念。

 7時半、K子と焼鳥屋ママズアンドパパサン。親父さんと世間話。下のソバ屋の主人、なんと×××の最後のレコードのプロデューサーだったとか。もう、そのころはクスリ中毒の末期で、スタジオでも楽屋にこもったまま、中でシャブやっている状態で、死んだときは大変な迷惑こうむったという話である。そうか、以前に、“なんでこのソバ屋の店員はみんな美形っぽい若いのばっかなんだ?”と不思議だったが、その当時の流れでミュージシャン志望の若いのがアルバイトしていたんだね。

 8時半、赤坂までノス。バンビという、K子が庄司陽子さんのアシだったころからの昔なじみのゲイバーのママがいて、私も結婚直後くらいに行ったことがある。彼女がこないだTVでK子を偶然見て、会いたいわアと連絡してきたのである。同じおなじみで近くに引っ越した成毛厚子センセイも誘っていく。成子先生はなにしろ財閥のお嬢さまであられるので、氷川神社の側の超高級マンションにお住まいであられる。タクシー降りて、インタホンで呼び出すと、“玄関で待ってて”と声があって、巨大な鉄扉がガタン、ゴーと音を立てて開く。なにかスターウォーズのジャバの館のシーンみたいだった。

 そこから歩いて七、八分の『レ・ヴェール』というお店。ママのバンビはもう60代。日本における金髪ガングロの元祖である。3年前にお店のお得意さんの社長と結婚したそうで、二人で撮った結婚写真も見せてくれる。当然だが古いタイプのオカマで、ゲイリブ批判しばし拝聴。1時近くまで話しこんでいて、タクシーで帰る。この運転手が何言っても鼻で“ふぇ”としか返答しない奴。アブナイ奴かと思ってたら、そうでなく、ただ単に返事の出来ない奴だった。K子の携帯に電話あり。『創』からで、1時にゲラ送ってきて、今夜じゅうに戻せということ。そういうことならなぜ昼間に連絡しておかないか。で、帰ったらコピー機が紙づまり状態。我にもなく荒れてしまったのは、やはり夏バテのせいか。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa