裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

4日

木曜日

戦えアズマくん

 あやまれコミケの首脳陣。朝7時起き。朝食、和風ピタサンド。これがうまい。最近なに食ってもうまくて困る。バス乗っ取りの17歳、昨日の殺人経験希望の17歳と、17歳ブーム。替え歌がやたら出来そうだな、と思い某パティオに行ってみると案の定。新聞で“大人社会のゆがみの反映”と例によってラチもない論説あり。そういうことばかり言ってオトナ扱いしてやんないから17歳も怒るんだよ。

 母から電話。昨日よりは落ち着いたようだが、確かにあの家は一人でいるには広すぎていけない。孤独感がひしひしと伝わるだろう。見舞いに行こうか、と言ったが、もう少しよくなって挨拶とかがちゃんと出来るようになってからにして頂戴、と断ってくる。それでは見舞いの用をなすまいと思うのだが、夫を少しでもよく見せたいという妻としての見栄か。

 昼、NHK前に行ってみるがどこも全滅。中華料理の酔香楼が開いていたので、そこで海鮮ヤキソバ。ヤサイ類が、ニンジンを型取りした残り端のところとか、チンゲンサイの柔らかい部分を切り取ったところとかの廃物利用。これで1300円。送ってきた『創』『ダ・ヴィンチ』など読む。『創』の編集後記で篠田編集長、松沢呉一とのトラブルにおける彼のHPでの事実曲解ぶりに呆れている。まあ、いつものことである。もっとも、彼の意識の中においては、それこそが完璧なる事実なのだろう。 彼我の事実同士が衝突しあうのが世間である。『ダ・ヴィンチ』の私の顔写真、やは り病み上がりといった写り。あらそわれぬ。

 1時、芝崎くん来。連休中に、内装工事でむちゃくちゃな状況になった書庫や仕事場の本整理するので、手伝いに来てもらうのである。書店員時代にしていたという前かけをつけて、ハリキっている。とりあえず、現在パソコンの周囲に山をなしている本類を分け、仕事に使用し終わった本を書庫に戻してもらう。以前、川井くん(K子の映画のデブゲンドウ役)に来てもらったときより本の数が倍加しているので、整理というのは事実上ムリであり、整頓というくらいしか出来ないのだが、それでも、人に手伝ってもらうというのは大したもので、みるみるうちに部屋が広くなっていく。自分一人でやると、ついその最中に出てきた本を読みふけってしまうのだが、それが出来ないだけでもはかどるのかもしれない。小版カストリ雑誌系の棚を中心にやり、検索がこれでだいぶ楽になる。

 芝崎くんという人、とにかく私を尊敬しており、私の言動や蔵書内容のいちいちに感動し、賛嘆する。私のファンというのはヒネクレた連中がほとんどのため、褒めるにしても素直には褒めないので、そういうコトバにあまり耐性がなく、体じゅうがコソバゆくなる。これからヒネたモノカキに鍛え直してやらねばなるまい。

 整理、結局中休みもなく8時まで。瞬発力こそないが耐久力には自信があったのだが、やはり足がむくみ、全身の筋肉に乳酸がたまるのがわかる。それでも二年ぶりくらいにパソコン回りの床に掃除機をかけられたのは感動モノである。それまでは掃除機のあのヘッドが降ろせるほどのスペースも床になかったのである。

 某古書店からHP開設のお知らせ。“神戸後架下で目撃情報がありましたが”というメッセージ。古書マニア情報網、CIAなみである。武蔵野警察署から、無くしたバンクカードが届けられたから三鷹まで取りにきなさい、という葉書。何故に武蔵野署? 電車の中で落としたのか? ともあれ、ひとまず安心。

 8時、パルコ上のタイ料理屋で、K子、芝崎くんとタイスキ。疲れた体に辛味が美味。ビールとワインで、ちょっと酔いが回った。芝崎くんもちょっと顔を見せている(はずの)日本テレビ『フジリコ』、明日5日、深夜0:07分から放映。“ヘンタイ女性Hマンガ家インタビュー”ときたもんだ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa