17日
水曜日
たどりついたら出雲雨降り
島根旅行に行ったんだけど、天気がどうも。朝8時起き。朝食、チーズとソーセージサンド、イチゴ。こないだの思いがけないルートの話、片一方の方はちょっと拍子抜けの顛末となる。まあ、よくあることさ。業界紙原稿、4枚弱に案外てこずり1時 までかかる。
K子に弁当、冷飯を炒飯にして詰める。昨日中野で買ったカストリ雑誌類をチェック。昼は札幌から送ってきた姫タケの味噌煮をメシにぶっかけて食べる。食べたら急に眠くなり、バッタリ倒れるように寝てしまう。気圧のせいだと自分では思っていたが、札幌の豪貴(からさわ薬局養子)によると、漢方ではこういうのは小陰(唇、ではない)に病が入ったというそうで、体力気力全般が衰えているんだそうである。そうなのかなあ。
日記に書き忘れていたが、昨日ブラック毒演会に出かける途中、ブロードウェイの祭事場で開かれている古書即売会に、大したものはあるまいとタカくくって立ち寄ったらカストリ雑誌や古い袖珍本などが格安の値段。『都々逸選集』(大正15年)や『結婚初夜の知識と其心得』(昭和2年)などの他、明治30年発行『女殺し快楽の秘薬』なんてのがある。快楽の秘薬、ってのは比喩かと思ったらそうでなく、実際に 女をトロかす秘薬の製造法を書いた本で、例えば
「ごく勢のよき蛤を強き火にて焼蛤となし貝の中より吹き出す泡を鉢に取り置き泡一合につき丁子二十目を細末にしてその泡の中に入れ能く練りて萬金丹の如き丸子となし日に干してよく乾かして貯へ置きこれを婦人に飲ませるなり」
この薬は女性を酔っ払ったような愉快な心持ちにし、判断力を弱める働きがあるので、こっそりのませればすぐコロリといくのだそうである。合法ドラッグ明治版。他にもスッポンの甲羅を粉末にして薬草と混ぜて丸薬にしたものなどの製法も書いてある。尤も、ほとんどは芸者や女郎の顔色を読む法、などの手引きだが、何にしても脳天気なもの。
目が覚めたら芝崎くんから電話。6時に来るというから、6時半にしてくれと頼んで、六本木に出て銀行と買い物。帰ってジャスト6時半、芝崎くん来宅して、リビングに備えつける棚の寸法、測り直していく。こないだ測った寸法で出来合いの棚を買いに行ったら、その高さのが無かったそうで、K子と相談して別誂えのにするのだそうな。海拓舎F井くんから電話で、芝崎くんに原稿、出来たところまででも渡してくれというから、ヤだと言っておく(出来てねえって)。
夕食、9時。アジの塩焼、キュウリもみ、それと鮎飯。少し柔らかく炊けたが、味は絶品。NHK『そのとき歴史は動いた』長篠の合戦。さすがNHK、考証に金がかかってること。
・今日のお料理『鮎飯』
鮎(一人前で一・五尾くらい)に塩をふり、焼いて頭と骨、内蔵を取って捨て、肉をほぐしておく。ご飯を昆布ダシと醤油で茶飯に炊く。このとき、取った頭をダシに使ってもいい。炊きあがったらほぐした身を入れ、しばらく蒸らす。シソの葉の千切り、芽ネギ、木の芽などの薬味をたっぷり散らして食べる。