裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

19日

金曜日

ブラピはらさでおくべきか

 タイトルに意味はない。朝7時45分起き。ちと二日酔い。時間割、まさ吉としゃべり過ぎてノドも腫れている。朝食、サヤエンドウとカボチャの炒めもの。例のタダ調べもの、“すいません、もういいです”とFAXが来ていた。ちと申し訳なく思うがホッとする。早川書房から『とて変』再版分届く。こちらが正式バージョンでありますので、コレクター諸氏はこっちを買って取っておくように。もっとも、もう書き直し箇所を発見してしまった。

 メール何通か。お仕事計画及び飲み会計画立てる。ほんやら堂は掲示板復活したようでめでたい。相変わらず馬鹿なことはどうしようもないが、そこに味があります。そこでの書き込みによれば東浩紀はTINAMIXとケンカして編集降りるとやら。ホントかどうか知らないがこれもまあ、馬鹿な上にコドモなんだから仕方ない。風呂入り、K子に弁当。親子丼。

 加古郡(どこ?)の古書店“へんきどう”から本がダンボールひと箱、ドサッと届く。フリンジ系サブカル本ばかり。大正から戦後にかけての実録犯罪もの、刑事懐旧もの、犯罪者ざんげものってのも集めても集めても集めてもまだある。いったいどれくらい出版されたんだ。4万なにがし、すぐ郵便局で払い込む。ここのHPとはリンク張る予定。

 新宿に行き、銀行で金降ろして買い物。伊勢丹で鯛そぼろ弁当と冷し茶碗蒸し買って、帰って昼食にする。2時、歯医者に。中学生のときに入れた左奥歯3本のブリッジ、すでに磨耗がはげしく、新しいセラミックのに代える必要があるとのことで、このお値段が3本で30万! 歯間ワイヤで首くくることにならねばいいが。1時間少しガリガリやって、後は来週。金取ると思うと長時間治療しますな。

 西鉄バスジャック事件以来、マスコミによる2ちゃんねる叩きがはじまりそうな傾向。久米宏なんかも“匿名は卑怯”などと言っているが、世の中、卑怯な発言だってする場所がなきゃいけまい。きのうNくんにも話したことだが、人間のホンネを聞こうと思うなら匿名発言にまさるものはない。実名発言には一種の劇場効果があって、必ずしもホンネが出るとは限らないのである(徳川夢声が五十年前にこのことは指摘している)。人間というのはそもそも卑怯なものだ、という感覚がない奴にジャーナリストはつとまるまい。久米宏はじめとする顔出し人(私のその中に入る)は、これはタレントという特殊な病気なのだから一般人と同一には語れない。

 ネットの普及は馬鹿にも卑怯者にもキチガイにも発言の場を与えた。匿名性などという小さなことを批判するより前に、そもそもこういう奴らに発言権を与えることについて、各マスコミ人はどう思うか、旗色鮮明にしてもらいたいものである。私は当然、卑怯者支持。

 梅雨近くで蒸し暑い。体に二日酔いの毒気が残っている感じなので、夕方また新宿へ行き、サウナとマッサージ。疲れているときは歯医者とかマッサージとか、自分を完全に他者にゆだねる場が心地よい。帰って夕食の支度。味噌仕立ての鳥鍋、小柱の木の芽あえ。先日撮ったBOOKTVのビデオが送られてきたので見る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa