裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

15日

金曜日

キクとIZAM

 黒人米兵を父に持つ姉弟はやがてユニセックスな歌手になりました。朝、6時半起床。外観も部屋の内装も真っ赤なマンションの夢。内部を見ながら“科特隊の訓練室みたいな部屋だなあ”と思ったのは夢ながらオタク。昨日のマッサージの揉み返しの ような感覚。

 入浴、スイカとコーヒーで朝食。二見原稿一本アゲてメール。日記つけて、SFマ ガジンに図版データメール。ポーランドのげらっちさんから、
「日記の“フォッカチャ”、“フォカッチャ”が正しいのでは?」
 とメール。うーん、発音しにくいねえ。佳声先生の娘さんからはDVD進めることへの了解。トンデモ本大賞への出演を佳声先生大変に喜んでいたそうである。まずよ かった。

 今日は昼間の予定は特にないので、中野で昼飯でも食べて……と思ったが、イマジカとの打ち合わせが1時に変更になっていたのを思い出した。12時10分、あわててタクシーで出勤。車中で資料にチェック入れる。そう言えば出るときに気がついたが携帯がない。ゆうべ寿司屋で忘れたか? と思ったがそんな記憶もなく、仕事場に置いてきたのだろうと判断。いつも胸ポケットに入れることを確認してから出るし、ある程度の重さがあるものなのにと思ったが、仕事場で確認したらちゃんとあった。 忘れるときは人間、忘れる。

 1時、時間割にてイマジカエンタテイメントSさん。予算の件、収録箇所の件、京都での撮影の件、特殊メイクの件、その他いろいろ具体的なことで打ち合わせすすめる。宣伝についても。キツキツのスケジュールをどういう風にクリアするか、その件 をまず。

 徳川夢声は夜店で買った千手観音を自分の守り神として飾っていたそうだ。放送、舞台、執筆、講演と四方八方に手を出して全てうまく行きますようにという願いを込 めてだそうである。私もそろそろ千手観音をオマツリするか。

 別れてチャーリーハウスで豚とキクラゲと厚揚げ炒めの定食。食ってセンター街に行き夏用のスニーカーを買う。いままで履いていたやつはロケハンで泥がこびりついてしまった。途中、早川書房Aさんから電話、反射的に“原稿すいません”と口に出そうになるが(我ながら情けない)そうではなく、みずしな孝之さんにイラストお願いしたいので紹介してくれとのこと。もっともあの人もいま、忙しいからなあ。

 帰宅、『社会派くんがゆく!』ロンドンテロ事件号外原稿を。途中でやたら体の具合、不調となる。気圧か。眠気とダルさが時間差攻撃。ちょうど鶴岡から電話が来たので、話したかった用件を。進めていた某件、そろそろこちらの方で着陸地点を見つける算段が必要になる。トラブル含め、ある意味私にとってのカンフル的なものではあったが、最近こっちへの影響がシャレにならなくなってきた。あれやこれや話して いたら三十分が一瞬に。

 4時、東武ホテルでFさん待ち合わせ。時間割にて、例の“世界の仕組み理論”原稿メモのノートを三冊(!)見せられる。私はFさんの借金(と、それによる別居、離婚)を保証人のハンのせいだとばかり思っていた(8日の日記にもそう書いた)のだが、実はそうではなく、店が景気いいときに、営業の拡張用につぎ込んだ資金がヘンテコなことになり、さらにさらにとつぎ込んだお金が借金になり、それが雪だるま式に大きくなっていったのだそうである。ある意味快楽亭とそっくり。カバンの中からムーもとりだして、
「フォトンベルトって知ってますか」
 まで言う。どうなるかとドキドキしたが、
「こういう話はありゃ、ウソですね」
 と。まだ理性は残っているな、とややホッとした。とはいえ別れた奥さんに、“今後どうするの? 見込みはあるの?”と訊かれて、この“世界の仕組み理論”で説明するんだそうである。奥さんの心中、はかるにあまりある。とにかくメモとかだとま とまりがつかない。原稿にきちんと仕立てなさいと言っておく。

 話の最中に京都の山田監督から電話。予算ワク内での撮影について、いろいろ細かく。それと小学館からも電話。例の学年誌の落語トリビア。6時、帰宅、残った『社会派くん』片づけようとするがちょっと時間かかりそうなので、眠田さんのトゥーン同人誌原稿に。書き出しはとにかく頭に思い浮かぶままにMGMのアニメのことを書こう、という切羽詰まったもので、ただしあまり人の語らない作品を、ということでMGMで製作されたがディズニーが関与した某作品のことを、という思いつきだったが、後の展開はこっちの引き出しと、手持ちの資料の組み合わせから結論を導き出して、これまで(たぶん)そこに注目して語った人はいないだろう、というちょっとユニークなものになる。また、これまでの自分の認識に、資料の年代を付け合わせるうち、見落としていたある面白い事実も発見。それらを組み合わせてマニアックで短い ものながら充実感ある原稿になる。9時半にそれをメール。ふうと一息。

 それからメールチェック。おぐりの方から、撮影予定にあてているうちの最終日に仕事が入ったと伝えてくる。致し方ないことだがどひゃーである。何とか調整しなく ては。マネージャー役のツチダさんにメール。

 10時半、家で札幌から帰った母と久しぶりに夜食。イカと玉葱のかき揚げと、イカ刺し。めぐみさんのお母様が作ったという稚アユのつくだにがうまい。イカ刺しをご飯に乗っけてイカ丼にして掻き込む。自室に戻り、『社会派くん』、ちょこちょこやって休む。K子といろいろ話す。不満もあろうがあと3年、50歳まではムチャも したい。体も酷使したい。それにまだまだ老け込みたくはないのである。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa