13日
水曜日
ダーウィンは外国人
その通りですが何か。朝6時起き。やった、まだ眠れると二度寝、また起きても6時50分。シャワーのみ浴びてまた寝。昨日送られた週プレゲラのみずしなさんのマ ンガ読み直してニヤニヤ。
7時半朝食に下のレストランで。今日は目玉焼き焼いている調理師さんがいた。サニーサイドアップとカリカリベーコン。プチクロワッサンにジャムつけて。ああ、毎 朝こんな朝食がとれれば。旅先の小さな罪悪感。
荷造りし、9時にタクシーで新大阪駅。まだ時間早いので喫茶店で時間をつぶす。やっとミクシィにつながった。喫茶店のウェイトレスが、東京だと店のメンツのためにも置かないであろうという、“大阪のおばちゃん”だったので嬉しくなる。のぞみで後は一路、東京へ。資料読み、メモなどつけ、ちょっとメールの返事など書き。
11時半くらいに車中で昼食、西玉水で作ってもらった鱧寿司。およそ“帰途の楽しみ”はこの鱧寿司と能登に行った帰りのフラットのフォッカチャ(ピタパン)だったのだが、能登は鉄道がなくなり、その帰途の楽しみが味わえなくなってしまった。 フォッカチャはあるのに。
1時、品川駅着。自宅へ帰るというK子と別れ、タクシーで渋谷へ。アサ芸ゲラもどしやって、FRIDAY四コマネタとコラム、といきなり日常に戻る。DVD関係者各位にメール連絡。3時、角川書店『ザ・テレビジョン』インタビュー。雑学の魅力について語る。しゃべりながらウソくさいな、と思いつつ、しかしこれくらいウソくさくないと一般人は納得しないだろうと思い、なおウソくさく語る。向こうの若い編集者と和解女性ライターさんは目をキラキラさせ、有名人を間近に見られて、ああ この職業についてよかった、という表情をしている。
「編集部で、今日先生にインタビューしに行くの、と言ったら“ええっ、うらやましい、あたしも行きたい!”とみんなに言われました」
と言う。別にそう言われたからと言ってテレもしない。しかし、心の底で
「いつからこうなっちゃったのかな」
とは思う。徳川夢声の日記に、“わが国話芸の第一人者”と紹介されて、もう別段テレもせず人前に出ていく自分を客観的に描写して、
「いつからこうなってしまったんだろう」
と、心の奥で自問する場面がある。いま、自分もまさに同じことを思っている。これが当然とか思ったときが、モノを記録し続ける人間としての私が消滅するときでは ないかと思う。
インタビュー終わり、自室に戻る。今度は5時、日テレスタッフ来宅。『世界一受けたい授業SP』番宣番組の収録。例によってディレクター氏を家に招き上げ、
「うわあ、すごい本の数ですねえ」
と感心されながら、仕事場でわざとくさくパソコンのキーを叩いてみせ(まずこの絵は定番で撮られる)、インタビューに答える。徳川夢声の日記も紹介した。
「イツカラコウナッテシマッタノカ」
と声がする。
インタビューの最中におぐりゆかが来る。今日はこの後、やはりこの番宣で、虎の子で酒飲みながらの打ち合わせ風景を収録するのである。おぐりをスタッフのバンに便乗させてもらい、私はカメラ回しっぱなしで、タクシーを拾い、車中でもとぎれなく雑学を披露し続けるという趣向の構成。聞いてないぞと驚く。もっと驚いたのはタクシーの運転手さんで、アルカイーダにいきなり銃をつきつけられたイラクのドライ バーみたいな顔になった。
テレビスタッフというのはこういういきなりの依頼にほとんど罪悪感を感じない種族らしい。前もって言えよと思うが、種族が違うので怒っても仕方ない。ハイハイと 窓外の街路樹、看板、赤ちょうちんなどを解説。いつからまったく。
七時半、虎の子着。二見Yさん、イラストのFさん、装丁のYさんなどすでに入っている。打ち合わせをヤラセで収録。おぐりのノリが素晴らしく、私にどんどん突っ込んでくる。神様何度も降臨。ディレクターが大笑い。それよりYさんがいてもたっ てもいられない、というくらい体震わせてうれしがる。
最初は20分くらいで、と言っていたインタビューがなんと二時間になる。虎の子に迷惑かけたんじゃないかと心配。収録終わって、デイレクターと録音のアシの人はここでちょっと食事していった。こちらはやっと解放されて9時くらいから飲み会。 おぐりが先週誕生日だったので、一週間遅れのバースデーを祝う。Yさんに“ナイショで”と言ってあったのでかなりのサプライズではあった模様。大阪で買ったフィギュア(猫キチガイばあさんという皮肉の効いたフィギュア)と、猫デザインの傘。 二見からは花。
10時過ぎ、フィン語終えたK子も来て、一座に加わるが大阪のノリがまだ残っていて、毒舌冴え渡ること。おぐりもそれに負けずにボケをかまし、藤本さんがそれを さらに混乱させ、大笑い大騒ぎとなる。12時に解散。
いや、楽しかったがまたハラハラもした。タクシーで帰宅、メールチェックして就寝。あわただしい一日だった。本当に、
「イツカラコウナッテシマッタノカ」
と考えつつ寝る。