25日
日曜日
夏バテ待とうホトトギス
すいません、この鳥、暑いのに弱くて。朝、8時までぐっすり。ハリケンジャーも見逃す。朝食、オイスター乗せトースト2日目。スイカも2日目。小青竜湯が今日で切れた。『ウェイクアップ!』に住基ネットワークに反対している横浜市長が登場して息巻いていた。現今の住基システム推進派が実はネットのことなど何にもわかっていないオジサン連で(でなければ“まったく危険はない”などと言うわけがない)あり、そのことに対する不安は私も人一倍あるし、都市の自治は大いに尊重すべきだと思うが、この市長氏、他の地方自治体首長たちからも吊し上げにあって、逆に興奮状態らしく、“国民を政府から守る砦が横浜市だ”とか、もはや自己陶酔的な境地にいるところがどうも気になる。中央政治と地方自治は自ずと立ち位地が異なるもののはずだ。性質のことなるものを一緒くたに論じるような人のところに、どうも身を守ってもらいに行きたい気にはならないように思うのだが。
メール、今日も多数。個人メールなのに、同じタイプ(立場とか境遇とか)の人から連続してくるのは、新九郎くんのせいか、あるいは何かあるのか。トンデモ本大賞授賞式東京開催についても、だいぶ論議が煮詰まってきた。スケジュールを確認したが、何度もこの日記にも書いている執筆スケジュールを徹底的にカン違いしていることを発見。それにしても、文庫入れるとこの先一ヶ月ごとに2冊づつアゲないといけ ないことになっている。愕然。
昼は外に出て何にしようかとしばらく彷徨うが、結局フォルクスで和風ハンバーグランチ。味なきに等しい。おまけに待たされること。隣の席の女子大生らしい二人連れ、“このあいだ講演を聴いたんだけどさ、努力は継続により習慣になり、習慣になると何にもつらいことはなくなる、とか言ってた”“あ、ハミガキとかそうよねー”“でも、腹筋は何度やっても習慣になんかならないわよ”“そうよねえ、腹筋は別よねえ”“あれは例外よ”。
腹だけふくれたので青山あたりまでぶらぶら。今日はよさこい祭らしく、メイクした若い女性や若くもない女性たちが、いっぱい神宮前近辺を歩いていた。おとつい昨日に比べるとやや、暑さが戻ってきたようで、シャツが汗でぐっしょり濡れる。紀ノ国屋で買い物。帰るころ、表参道は祭のために自動車等は封鎖されていた。
帰宅、と学会例会用のネタ本を持って横になるが、一文字も読まないうちにグーと寝てしまう。朝10時ころ、母から電話で、“今頃目が覚めるようになったわ、私ももうダメよ、年よ”とか嘆くので、何を言ってる、年寄りは早起きなもんだ、よく寝られるだけでも健康な証拠と思いなさい、と説教した。そのデンで行くと、いや私も 健康なものである。
起きて原稿書き。またメールが届いたのでそれへの返事。SFマガジン最新号が届いていたので読む。巻末のS編集長の“最後の心のオアシスであるファミレスで、常連の方のみにということで、特別割引券をこっそり手渡されました。ここ数ヶ月では唯一、ほんとうに自然な笑みがこぼれた瞬間でした”という記述に涙。最近の日本で一番“忙殺”という言葉の似合うヒトのように思う。もっとも、SF大会レポでの食事問題、“私は(玉泉で)十分に堪能させていただきました”とはナニゴトゾ。
6時半にまた外出、タワーレコードに行く。サービスポイントカードが一杯になっていて、その期限が今日までということに昨日気がついた。洋楽でも買おうとあれこれ見たが食指動かず、結局DVD『てなもんや三度笠』(1)。ちょうどポイントと同額の3000円。あと、洋書売場でビザール系雑誌など1000円。
8時半まで原稿書き、30分であたふたと夕食の準備。小鯛笹漬けのお造り風、白魚と豆腐の煮物、ゆうべの残りの芋煮、ニガウリと羊肉の炒め物。羊肉はちょっといいのを買ったが、こないだの安物の方が臭みがあって、羊肉らしかった。しかしまずまずの出来。缶ビール小缶一本、日本酒冷や二ハイ、梅干割焼酎一パイ。『てなもんや』を見る。当時の家庭用ビデオで撮っていたものを画質調整したというが、いや、よくもまあ残っていた、と、それだけでダイヤモンドみたいな貴重品である。“その中から傑作を選んで”ということだったが、ケチくさいこと言わず、残ってる分みんな、ボックスでいいからだしてくれ。若々しい藤田まこと、元気一杯な財津一郎、南利明、唄子・啓介、てんぷくトリオ、堺駿二、桜京美などなどの顔にただ、涙。やすし・きよしはまだ平凡太郎の山賊の手下、というチョイ役で、京唄子にちょっかいを出して“未成年のくせに何言うとる”とどつかれていた。この回の放送日が昭和42年、西川きよしは未成年ではないものの、まだ20歳! 白木みのると原哲男は変わらない。いま、大河ドラマで唐沢寿明が前田利家をやっているが、私の中での利家のイメージはこの『てなもんや三度笠』の続編『てなもんや一本槍』で、原哲男が演じていた前田犬千代。“ねえ、カバ千代さんカバ千代さん”“誰がカバやねん、犬千代じゃ!”というギャグが私にとって子供時代の定番だった。秀吉も、藤吉郎時代は谷しげるの“あ、忙し”が最もイメージ近いなあ。2話分1時間、CMまで収録されていてタイムマシンで小旅行をしたような満足感があった。ただ、後ろのおまけ映像での澤田隆二の想い出話は、貴重かも知れないが長すぎ。こういうのは本で書けばよろしい。