裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

3日

土曜日

アジソン郡の橋

 病名ダジャレシリーズ取りこぼし。朝、コミケの夢を見る。当日になって宅配の荷物が届いておらず呆然とする、という夢。何か遠足で迷子になる夢を見る小学生みたいだが、このところずっとコミケ準備にかかっているので、他に夢の見ようがないのであろう。朝7時40分起床。朝食、トウモロコシにサツマイモ如例、それとゴマのスープ。果物はカットスイカ、ガリガリしていて全然甘くなし。テレビでセボン・ハウス(防災用都市住宅)のCMを見た。ゴジラが放射能を吐きかけても大丈夫、というウリはJARO的にOKなのだろうか。それにしても、CMでここまで本格的にゴジラの破壊シーンを見せつけたのは初めてではないか。検索すると『スペースカッタくん2001』と同じ、川北・破裏拳コンビ作品らしいが、さすが、中抜きをされないと(以下略)。

 K子はフィギュア王や好美のぼる本の解説をやってしまえというが、まだコミケ本用のペーパーが残っている。ジャック・チック評論本がちょっとページ数少なめなので、作品採録の4ページのペーパーをつけて売るのである。コピーをどうしようかと思っていたら、K子から電話で、某氏が安くあげてくれるとのこと。人のつながりは大事だなあと、感激。これで予算がだいぶ浮く。

 翻訳残り二本のうち一本をやっつけて、駅前まで。半蔵門線で神保町まで行く。今日は古本目的ではなくて、カスミ書房さんにと学会の会誌を渡すのが主目的、とはいえやはり本屋は回らずにはいられない。衝動買い防止用にカバンを小さめのものにしておいてよかった。白山通りを歩いて、いもやで天丼。すでに2時近くなっていたのに、やはり並ばされた。それからぶらぶらと歩いて、カスミ書房。入って顔を合わせたとたんに“今回立川流ブースは出るんですか? あんなことになって”と問いつめられる。“いや、あんなことになったからページ数が厚くなるんです”と答える。と学会誌一部贈呈。大変に喜んでもらえる。トンデモ本大賞東京開催の話もちょっとしたら、“やった、これで初めて行ける!”と腕をふりあげてうれしがっていた。こういう人は多いだろうな。決まったらポスターでも貼ってもらおう。雑誌の創刊号コーナーで数冊、それから雑談するうちにちょっと頼まれごと。これはまあ、オタクの相身互い。

 それからまたしばらく本屋ぶらつき(結局、いろいろ買ってしまった。総額は安いものだが)、半蔵門線で帰る。車内、もうストリッパーかお前は、という格好の女性の群れ。ナルシズムなんだろうが、肌をさらすだけで注目を集められる(まあ、視線を逸らされるのも多いだろうが)ところが、女性というのはトクである。男が目立つには(ジャニーズとかGacktとかでない限り)、何か社会規範からもうちょっと逸脱する必要があり、その線を読み間違えて恥をかいたり官憲ににらまれたりするのが多いのである。

 渋谷駅からの帰りに西武により、夕食の素材を仕入れて帰宅。さすがにちょっとくたびれ、横になって足を自己指圧。メール、戦争論、担当レベルでは企画書、OK。あと、コミケでの委託関連のやりとり。今年は同じ島に立川流、と学会、眠田さんのところなどの他にと学会のHさんのトンデモハーレクイン・ロマンス本のブースもある(ホ−53b「カラオケの艦隊」)。鶴岡のドリフトはちょっと離れたところのようで、なぜかデブ美少年ものの近くだ。確か以前も美少年ものの近くに置かれていた気がする。何かカン違いされているのではないか。

 8時、夕食の支度にかかる。あのつさんから送られた新鮮なトウモロコシでトウモロコシご飯。船山流に、まずトウモロコシ一本分を茹でて、甘味を十二分に含んだ茹で汁にダシと、生のトウモロコシを足してご飯を炊く。それから牛タンの柔らか煮、豚バラとエリンギのネギ焼き、カニ缶(お中元の最後の残り)とこれもあのつさんから到来のキュウリでキュウリもみ。それともちろん、枝豆。夏らしいメニュー。缶ビールがすすむ。

 ビデオ、なんと大陸書房のピラミッド・ビデオでまだ未見だった『ハリウッド・スペシャル』。1920年代から30年代のオールド・ハリウッドの華やかな作品と舞台裏を見せる、という趣向で、『ザッツ・エンタテイメント』よりさらに一時代前のミュージカル傑作集。もはや懐かしさというより、歴史の範疇に足を踏み入れている感あり。興味深いという点では非常に興味深いものばかり。ナレーションを担当しているミッキー・ルーニーの出演作が一本も無かったのは版権の問題か。『ザッツ〜』の2には珍品中の珍品としてジェームズ・スチュアートが歌った映画というのが出てきたが、こっちにはジョン・ウェインが歌った映画が出てくる。意外性ではこっちの勝ち。いろいろ紹介された中で、カルトというかB級というか、そういう扱いで、ドナルド・ダグラスとベティ・カンプソンがクモとチョウチョに扮した(舞台劇という設定だが)ミュージカルがあった。おお、ひょっとして『くもとちゅうりっぷ』の元ネタか?(そんなわきゃない)と笑う。ベティ・カンプソンは当時の売れっ子女優でヒッチコックとも、彼の助監督時代に仕事をしたことがあるらしい。顔は下記で。
http://www.asahi-net.or.jp/~ia6t-tkhs/ginmaku-bettycompson.htm

 就寝前、ネットでメール確認。カスミ書房さんに頼まれた件、と学会とささきはてるさんにメールで依頼していたが、どちらからも速攻で返答があり、もう全部段取りが組めてしまった。こういうとき、知人友人が業界で多岐にわたっているのは強いなあ、と自分ながら満足して就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa