24日
土曜日
京大仁義
官の血を引く東大よりも、固いちぎりの義京大。朝8時起床。涼しくなってからもう、寝られて寝られて。夏休み明けに遅刻が多いのは休みボケではなく、単に寝やすくなったというだけかも。朝食、スモークト・オイスターをトーストにはさんで。果物はスイカ。スイカももう今年は食い納めか。夏が去っていくのは寂しいが、今年はこれから書き下ろし・出版ラッシュなので、いつまでも暑いままでいられると、ちと困る。
カードの請求書が来たので見てみたら、前月はひと月に5回もサウナ&マッサージに行っている。コミケがあったせいだが、どう考えても行きすぎである。月にせいぜい2回が限度だろう。あれは行き過ぎると中毒になり、いざというときにマッサージ禁断症状で何も出来なくなったりすることがある(気持ちいいのはやはり脳内麻薬が出るからだと思う)。小野伯父が一時それで、午後になるとサウナに行きたくてソワソワしはじめて、正常な判断が出来なくなったり、大事な会合よりサウナを優先したりしていた。しばらく自粛を決める。だいたい、今、女性マッサージ師二人がお得意さま取りで張り合っており、どちらを頼んでも片方の顔をつぶすことになり、行くときにはスケジュールを調べて、どっちかが休みの日、という日を選ばねばならない。こういう面倒くさいストレスから逃れるために行くはずが、本末転倒である。
原稿書いていたら、急に胸のあたりが苦しくなる。心臓ではないのでイノチに別状はないと思うが、胸の筋肉痛のような感じ。しばらく横になるが、仰向けでは痛いので横になり、またうつぶせになる。しばらくして軽減してきたが、大事をとってそのままの姿勢。グーと寝てしまった。
昼は2時過ぎに、昨日のアサリを使った深川飯(ぶっかけ)。今日は醤油仕立てでこないだよりゲテ味を増してみたが、なかなかオリジナルの深川飯っぽくなったんではないかと思う。談之助さんが言うには、今は深川行って深川飯を頼むと、アサリの炊き込みご飯が出てくるそうである。こんなのは深川飯じゃねえ、と怒ると向こうで
「そりゃわかってる。わかってるが、あんなもんじゃゼニが取れねえ」
と言うそうだ。そうだろうなあ、アサリとネギと醤油だけだもんなあ。……もっとも、新宿の某ホテルにある居酒屋のランチに深川飯というのがあったので頼んだら、味噌仕立てのぶっかけが出て、1200円取られたことがある。ゼニを取れねえ、という深川っ子の気概自体がもう、絶滅寸前にあるのかもしれない。
夕方、渋谷の街をぶらつき、HMVなどを冷やかす。ビデオ売場で、大スクリーンに『マーズ・アタック』を上映していた。ラストのところだったが、ジム・ブラウンが火星人の死骸をグシャッ、と踏みつぶして帰ってくるところで、思わずウルウルとなってしまった。定番だけど、いや定番だから強い、こういう演出。ティム・バートンはオタク監督だが、『バットマン・リターンズ』のラストといい、話をとっちらかし放しにしないで、ちゃんと収斂させる術を心得ている。ここらへん、確信的にとっちらかし放しにするカルト監督のデビッド・リンチと違うところだ。サービスカードを確認したらタワレコのの期限が明日まで。あせる。あせることはないが。西武で買い物。デパ地下の特長はレジ係がみんなトロいこと。スーパー系は早いよ。
8時半、夕食の準備。はんぺん、蓮、里芋の煮物、蕪と鶏の鍋、それにカツオのたたきの端っこの方の切り落としが安売りしていたので、これを生姜と一緒に茹でて、ほぐし、キュウリ・ワカメと一緒に酢の物にして。売り物のナマリ節のように生臭みもなく、ビールに合う、結構な夏の一品。夏と言えば、夕刻から少し暑さも戻ってきたようである。ビデオでアメリカン・プロレス迷場面集。商売のためなら何でもするという連中にはかなわんわ、こら。