裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

20日

水曜日

anan忠臣蔵

虎のキラーに母親を殺された子犬のロック(声・櫻井翔)は……
(東映“動画”ファンでないとわからないシャレですいません)

※ネット討議

朝、目が覚めて時計をみたらもう9時半。
一回も目が覚めず、熟睡していた模様。
そんなに寝が足りてなかったのか、疲れていたのか、と
驚く。

コーヒーとジュースで朝食。
ぽかぽかしたいい天気である。
メール連絡、間近のトンデモ本大賞実行委員会議の議題に
ついて、ちょいと討議。

スケジュール立て、雑用の整理、その他いろいろ。
いろいろと気弱になっている部分があるな今の自分は、と
客観的に見てニヤニヤ。

先日、テレビで奈良の鹿の数が激減、というニュースがあった。
原因は人間によるエサのやり過ぎだという話。
専門家の、“鹿は満腹感を感じないので限度を超えていくらでも
エサを食べてしまって死に至る”という説明に驚く。
鹿の脳というのはどうなっているのか。

それより興味深かったのは、禁止されても怒られても、なお
鹿にエサをやり続ける人間たちの姿である。おじさん、おばさんに
多いようだ。中にはトラックにキャベツの芯やパンの耳を山積みにして、
山中の道路で“こっそり”やっているおばさんもいる。あれが毎日だと
したら、いったいいくらかかるのだろう。
番組の中で注意されたおじさんは逆ギレしていた。
いくら、奈良の鹿は飽食状態なのだ、と言っても聞き入れない。
こうなると、エサをやること自体、彼ら彼女らにとって、
快感なのだと思わざるを得ない。以前住んでいた参宮橋にも、
公園でいくら注意されても、毎日大量のエサを持ってきてハトに
やっているおばさんがいた。

いや、鹿やハトに限らない。おじさん、おばさんはたいてい、若いものに
食事をおごるのが好きだ。私も若い頃は、もう食べられませんと
言っているのに、年配者に“いい若いもんがなんだ”と言われて
食事を強いられた。自分がおじさんになってみると、やはり
若い劇団員などにおごるのは一種の楽しみである(中年の劇団員に
おごるのはあまり楽しくない)。以前読んだプロレスラーの裏話本では、
阿修羅・原が借金まみれになってプロレス界を追放されたた原因は、
後輩たちにおごるのが道楽で、それで大借金を作ったため、とあった。
ホントかどうかしらないが、読んでちょっと戦慄した。
世の中にはギャンブルや女狂い以外に、こんなことで破産する人間も
いるのか、と知って、我が身を省みてゾッとしたのである。

他人に食事をおごり、それをその人がおいしそうに食べるのを見る
という行為は、どこかで人間の心の空白を埋める効果があるのだろう。
鹿やハトにエサをやっている老人たちを見ると、たいていが身なりに
まったく気を使っていない。気を使うべき人間が周囲にいないのだろう
と思われる。人間は愛を受けるだけでは満足できず、愛を与えなければ
生きていけない動物だ。食事を与えるという行為は最もダイレクトな
愛情の表現である。彼らはそれで、寂しい心をなぐさめているのである。
エサを与えられすぎて死亡する鹿も問題ではある。しかし、その番組は
踏み込んでいなかったが、鹿にエサを与えないではいられない人間の
増加が、鹿の病死の増加につながっているのではないか。

12時、昼食。野菜サラダ(繊切りハムのせ)、牛肉とピーマン、
タケノコの細切り炒め、油揚げの味噌汁、タクアンでご飯一膳。
デザートは小粒イチゴとスチューベン。大変に美味。
郷里大輔氏の自殺は糖尿病を苦にしたのが原因らしい。
年齢から言っても自分も用心が必要。くわばらくわばら。

午後、原稿書き、不捗。
入浴し損ね、今日はいいか、と思いかけるが、
髪の毛がばさばさになっていたので、
4時過ぎになって入浴。

年賀状の返事、書き続け。
赤かぶ検事の再放送などを横目で見ながら。
出演している女優の、某所で聞いた某噂を思い出す。

7時、早めに食事の支度。
羊肉とニンジンの煮込料理。
ネットでレシピを調べた
http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20071010A/?NLV=NL000501-59
のだが、添えるパスタのソースにもしたいので、自己流に改変。
ニンニクとトマト煮込みと炒めタマネギを加え、どろりとした
ソースにする。ラムもブロックがサントクに売っていなかったので
ラムチョップを買って骨を外し、切り身にしたものを使う。
味は上々出来で結構。これにヨーグルトソースをかけると
パスタソースとしても抜群。肉がやはりちょっとパサつく。
今度はモモ肉で作ってみたい。
マッコリのソーダ割で。

夜半になり急に寒くなる。本を片手に早々とベッドの中へ、
それでも1時くらい

*羊肉とニンジンの煮込み、ペンネ添え。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa