裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

月曜日

まるぼしの湖

この丸干しはロブ・ノール湖でとれたイワシで……。

※東京三世社原稿

寝た寝た、夜の9時半から朝の9時半まで、12時間近く寝た。
途中で目が覚めるかと思ったらほぼ、トイレなど以外ぐっすり。
それも快眠である。体が眠りを欲しているのか?

その長い睡眠で見た夢。
弟(ときどき母と区別つかなくなる)を連れて、恵比寿の町を歩く。
もちろん、実際の恵比寿とは似ても似つかぬ奇怪な町である。
もう何年も前に通いつめていた『愛』という創作料理屋に連れていこうと
いうのである。路地をくぐったり横丁をいいかげんに曲がったり
しているうち、大きな通りに出るが、派手な火災があったらしく
見覚えのある寺が焼け跡になっている。それどころが通りの反対側
のマンションはいままさに焼け落ちるところであるが誰も騒いでいない。
やっとくだんの料理屋を見つけるが今日はマスターが出ていて休みだと
店員の女の子がいい、落胆するが、その子に、何ならいま店内で常連
さんに、自家製チャーシューと焼酎の味見してもらっているんで
どうですかと言われ、じゃアちょっと、入る。コの字型のカウンター
に客が並んでいる。一番奥でご機嫌になっているのが阿川弘之氏で、
自作やいろんな小説の一節を次々暗唱していて、記憶力がいいなあと
私はひたすら感心していた。

起きだして見るに都議選、自民惨敗、民主圧倒的勝利。
まア自民には今回勝てる要素が何一つない。この結果も
予想はしたことであるが、しかしネットであれだけ民主が叩かれて
いたのは、今にして思えば何だ、という気がする。
ネトウヨとかが書き込んで、炎上しているブログとかを見ると
あれが世論の100%であるような感じがしてしまうが、
実際はどれほどの力のあるものなのか?
少なくともネット発言から世情分析をしていたら大間違いである
ことがよくわかる。

ま、私はこの都議選に関しては民主圧勝・第一党をどちらかと
いうと歓迎。石原慎太郎知事の残り在任期間だけでいいが。
何となれば
・築地市場移転問題
・オリンピック招致問題
・新銀行東京経営再建問題
知事の横暴で進んでいるこの3つの政策がこれで停滞、廃案
に追い込まれる可能性が高くなってきたからである。
もちろん、国政はそんなこっちゃすまないとはわかっているが
現今、目睫の問題をまず考えねばならぬ状況になってきている。

9時半、朝食。夕張メロン、トマトスープ、ミルクティー。
それから、志水さんの追悼文を書く。短くするつもりがつい、
長くなってしまった。

さらに続けて東京三世社原稿。
資料を読んでいたときから面白くて、というものだったが、
往々にしてこういうときは資料そのものに流されがち。
これは後で別な形でもまとめたいと思う。

O氏から電話、某社新企画打ち合わせ、明日3時ということに。
アリモノで向うが指定しているものはまあ、すぐ出来るが
問題はその後の企画。

昼は母の室で、ご飯、銀ダラの味噌漬け、じゃこおろし。
ごぼうの味噌汁。味噌汁には山椒がぱらりと。
この、熱い味噌汁で全身に毎度大汗をかく。

原稿続き、カリカリと。11枚、何とか仕上げたのは6時過ぎ。
編集部とK子に送り、買い物に出る。
マッコリ2本、それとサントクで夕食の素材。

雑用その後いくつか。
ファックスのインク交換など。
全女の元会長、松永高司氏11日死去、間質性肺炎で死去。73歳。
長年糖尿を患い、数年前のインタビューで“血糖値が990になった”
とスゴいことを言っていたが、その割に長生きはした。
興業が心底好きで、自分で会場で焼きそば作って売っていた
くらいだった。晩年にもうひと花を夢見ていたことではあろうが、
ついに果たせなかった。とはいえ、女史プロレスという文化ジャンルを
日本に根付かせた“昭和史上の人物”であり、最盛期の人気と稼ぎは
凄まじいものであった。マッハ文朱、ビューティー・ペアなど、
時代を象徴する人気者も生みだし、興行師(山師)としては、
大きな夢を見られた、充実の一生だったと確信する。

夕食、ゆうべ上海小吃で食べた酢辣湯がおいしかったので
自宅で作ってみようと思い、試作。
鍋に酒と水を煮立たせて、昆布だしと中華だしでスープを作り、
そこに醤油と調味酢を入れて味を整える(ピリッとした酸っぱさが
欲しければ普通の酢で)。豆腐の細切り、黄ニラ、ネギの微塵切りを
加え、さらにホタテの角切りを入れて、黒胡椒を多めに挽き入れ、
一煮立ちさせる。最後に片栗粉でとろみを。
黒胡椒のピリリが効いた、なかなかの出来のものになった。
今回はホタテを入れたが、もっとあっさり行きたいときは豆腐のみ、
いろいろ複雑な味を楽しみたければシイタケ、ハム、鶏肉、カニ肉、
香菜(コリアンダー)など好みで入れればほぼ数えきれない
バリエーションができるだろう。

ビデオ類など見ながらマッコリソーダ二杯、黒ホッピー二杯。
1時頃、就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa