裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

1日

水曜日

郵政少年ポッピー(鳩)

♪たちまちかわるピー、ポッピー
 大臣がかわる、ピー、ポッピー

※眼科検診 レジュメ作成

夢、2つ。
一本はアニメの夢。『ジャングル黒べえ』よりさらにひどい
人食い人種もので、ジャングルに住む主人公(人食い人種)が
ガールフレンドの女の子(日本人)に、
「オカアサン、キテイタダキタイ」
と言うので、主人公の家(ジャングルの)にお母さんを呼ぶと、
食べられてしまう。主人公は最初からお母さんが食べたくて
「来て、いただきたい」
と言ったのだった。女の子は当然怒るが、
「もう、ほんっとにー」
程度の怒り方だった。
もう一本は、山の中の旅館に友人・知人たち20人くらいで
泊まるが、地震があるかもしれないというので、みんな広い部屋に
ザコ寝するというもの。

9時起床、電話朝から頻々、イベント系の話など。
ちょっと鬱になる。
脳のリフレッシュ期間があまりにないよなあ。

講談社から新刊何冊か恵贈。中に、買おうと思っていたものがあり
やった、と喜ぶ。某持ち込み企画の大きな資料になるもの。

9時半朝食、病院から出た薬を10種類ほどのむ。
薬をのむのは成長した環境がら抵抗なく、いちいちに最近は効能書が
つくので、読んで“うん、これは確かに効いている”などと確認
するのが楽しくもある。

食べて自室に帰り入浴、10時半に急いで家を出て、病院。
今日は眼科の診断。入院した際に全臓器不全みたいな状態で糖も
かなり出ていたので、網膜の検査をしなさいと言われた。
その時の検査では“きれいなもの”だったのでホッとしたが、
継続して検査受けることにしたもの。
待合室で資料本読みながら待つが、アトロピン点眼で瞳孔を
開かせているのでちょっと読書が大変。

しかし、病院の待合ブースで待つたびに思うのだが、
病人(ことに老人)というのは指示に従わない。いや、従えないのか。
順番がまだなのに何度も“まだですか”と窓口に問い合わせる、
そのくせいざ呼ばれるとその場にいない、呼ばれても番号だと自分の
ことだと気がつかない、2つ言われたことを1つしか記憶できない。
まあ、自分の症状のことで頭がパニクって、それ以外のことは
記憶とか理解の能力が著しく低下してしまうのだろう。
それはわかるが、待合室に入るたびに、もう少し能率的にすることは
できないだろうか、と思うくらい、ラチがあいてない。

1時間近く待って(それでもスムーズな方)、診察は数分。
網膜に異常はナシ。数値も合格点。ただ、
「合格点と言っても100点満点ではないのでそのつもりで」
と。まあ、年齢も年齢。

帰宅、まだ目が本調子でないのでベッドに寝転がる。
1時、昼食。サザエのペペロンチーニ。唐辛子が切れたので胡椒で
代用していたが、こちらの方が私の好み。
キモも入っているので濃厚な味付け。
コツを訊いたら“オリーブオイルたっぷり使えば何だっておいしく
なるのよ”と。
それとキャベツのサラダ。

明日のインタビューのレジュメをまとめてT氏経由で先様に送る。
書き上げたところで、ちょっと眩暈とフラつきが出る。
これも、毎度のんでいる薬の効能書にまさに“時折、めまい、ふらつき
が出る場合がある”と明記されているので、やあ、あれだな、という
感じ。ただし、全身ぐっしょりになるほど汗をかいた。

企画の方をいじくっていたら、原稿書く時間がなくなってしまった。
まだ〆切には間があるといえ……どうする。
ハッシーから電話、例の件、思いがけない大成功とか。
これでうまく回ってくれれば……である。
その彼とは明後日、札幌。

昨日の日記に『ナーザの大暴れ』はつまらない、と書いたら、
反論を日記に書かれたマイミクの方がいた。
いや、申し訳ありません、アニドウ当時から大のヘソ曲がり人間で
あったのです。とはいえ、バヤヤ王子やアレクセイエフ作品のように、
全くわれわれの周囲にあるアニメーションとは異る系譜に属する
作品ではなく、目指すところが日本のアニメと極めて近い故に
その技術の未熟さや、日中の感覚の差異が如実にわかる部分が多々、
あったので、そこにどうしても引っかかってしまうのですね。
龍の描写(ドジョウみたい)だとか、ナーザの自殺シーンだとか、
露骨な台詞説明とか、今見ても“ちょっとなあ”なんであります。

8時半、夕食。
豆腐と油揚と豚バラの湯豆腐。
ジャコとカシューナッツの炒め物。
これで酒。

ビデオでW・S・ヴァン・ダイク監督『影なき男』(1934)。
以前に見た筈だがラストなどまるで記憶になし。
冒頭で行方不明になる発明家の実験シーンがちょっとユニークで、
手持ちの機械を実験対象(?)に遠ざけたり近づけたりしており、
何を実験しているんだか気になる。
放射能関係の実験を手探りでイメージしたもの、
なのではないかとチラと思ったのだがどうだろうか。

推理劇というよりはおしどり探偵のしゃれた会話を楽しむコメディとして
まとめたのが成功の理由だろうが、ノーラ役のマーナ・ロイの
色っぽさに改めて感心。大富豪の娘ということで、ツンデレの元祖
みたいな台詞もある。危険な捜査に亭主のニックが向かうのに、
「気をつけてね」
「心配するなよ」
「……別に心配しているんじゃないわ。あなたとはなじみなんだから
言ってるだけよ!」
とか、強気な癖に亭主が暴漢に襲われて怪我をすると凄く取り乱したり
とか。

シーザー・ロメロがプレイボーイ的なチョイ役で出ていた。
IMDbによると、デビューまだ二作目くらいの出演であるらしい。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa