2日
日曜日
アッシャー寝アッシャー酒アッシャー湯が大好きで
それでお家は崩壊だ、ああもっともだぁもっともだ。朝7時半起床。朝食、トウモロコシ半本とブロッコリの蒸したの。少し蒸しすぎた。果物はやっと手に届く値段になった佐藤錦。渡辺文雄の『遠くへ行きたい』、どこだったかの漁港に高足ガニが水揚げされていた。食べられるのか。
夫婦でと学会例会の準備。K子は桜井さんから届いたマグカップを持てるだけ紙袋に詰めている。私は発表するブツをカバンに詰め、先日藤倉さんが家に忘れた本も詰める。紀ノ国屋で買った弁当も持ち、他に何か忘れ物は、などとチェックしていると 小学校の遠足の日を思い出す。
出かける前に日曜恒例で母に電話。小野伯父からはまだ連絡も何もないそうだ。まだ怒っているか、自分の言動を恥じているか、どちらかだろう。怒るのはこちらもわざと怒らせるようなことを言った向きもあるから別にいい。怒りで自分の本性が露わになった後で、そのことを反芻してみて自分を恥じてくれればいいのだが、まあ、そういうメンタリティーは期待できまい。もっとも、それがないから芸人になれるとい うこともある。常識家ではなれないのである。
10時半、両手に紙袋下げて出る。出たところでネタをひとつ、忘れてきたことに気がついたが、もう仕方ない。曇り空で、湿気がすさまじい。センター街、まだこの時間は開店していない店が多い。普段は店を閉める際もただドアにカギをかけるところが、シャッターを下ろしたりチェーンで看板などをつないでいるところが目立つのは、やはりフーリガン対策であろうか。半蔵門線で神保町まで、都営三田線に乗り換えて千石。こないだと同じく、競馬新聞片手の老人たちが白山、千石あたりでゾロゾロ乗り込んでくる。
千石生涯学習館、11時半着。すでに部屋は開いており、十人ほど来ている。名義はやはり『東京と学会』になっている。K子はさっそくマグカップと扇子を売り出した。グッズ担当のSさんもと学会特製トートバッグ、名刺入れを売り出して、俄然市が開く。弁当を使うが上品すぎてすぐ腹がすきそうである。連絡が遅れた会員さんやビジター参加のベギちゃん、裏モノのIPPANさんなど、無事到着して一安心。それどころか、会員の出席率高く、またビジターさんも多く、60人定員の会場がほぼ一杯になる(事務局発表では57人、うちビジター11人)。九州会員の不気味社こと寺西さんなど、珍しい顔ぶれも。
12時15分過ぎ、発表開始。私のネタはタクシー内に置かれている健康食品の小冊子(志ん朝師匠も、というくだりが改訂版でカットされている)と、スパイシー・テイルズなど三点。一人7分の時間枠だったので、それでギリギリで、忘れてきたネタは次回回しでちょうどよかった。まずまずのウケ。さすがこの会も十年続くとプレゼンテーションの仕方がみな手慣れてきた、という感がするが、それだけに巧拙も、はっきりと出る。藤倉さん、植木さん、皆神さん、ひえださんなどベテラン陣はさすがにツボを心得ていて無駄がない。鶴岡も投げっぱなしな芸風はちょっと他の追随を許さない。新田五郎さんくらいか、同芸風でタメをはれるのは。談之助さんや声ちゃんはマイク使った発声がプロの技で、通りがまるで違う。特筆は前回から会員となったHさん(トンデモハーレクイン・ロマンスの研究をやっている)の発表で、彼女の入会推薦者となった植木不等式さんが推薦理由のひとつに“プレゼンのうまさ”を挙げていたほどで、見事。後で聞いたら、“20歳まで××学会にいたんで、学習発表会で人前でしゃべる訓練はされているんです”とのこと。なるほど。あそこに入っていていいことというのもあるんだな、と感心。
5分から7分という短い時間内の発表なので、機材を凝って使おうという発表は苦しい。二回目なのだからそこらへんは学習しておいた方がいい。このあいだ、ここのビデオ器機がいまいちの性能だったので、なんと自分で用意してきた人がいた。そこまでやるか、と驚く。志水さんは“きちんと”2時間半、遅刻。藤倉さんと“なんて自分のキャラに忠実な人だ”と話していたら、録音記録をとっていた太田出版のH向さんがひっくりかえって笑っていた。
一時間前に開始したが、結局ギリギリになり、一人発表がコボれる。1・5次会の会場の時間にはまだ間があるので、理研跡地で少し時間つぶし。前回の会のときに比べ、日の長いことがしみじみ実感できる。会長、眠田、皆神の各氏は所用で帰る。談之助師匠はちょっと中座して日暮里の落語会へ。われわれ残りはだだっ広い理研後の再開発で作られたセンターで突っ立ってダラダラ。腹がやたらすいたので、マックにでも入ろうかと思ったらK子に見つかって怒鳴られた。道出版のNくんから、K書店がらみの話も聞く。最近と学会、あちこちで大モテの感。
ここはビルの中庭みたいなところで、風が強い。ここは犬の散歩コースになっているらしく、大型犬中型犬がやたらにおり、日曜で遊んでいる女の子(何故か女の子ばかりである)もたくさん。暑いので少女たちみな薄着で、それが強風のため体にピッタリと貼りつき、体の線などがくっきりと透けて、みんなで“談之助師匠がいたらさぞよろこんだろう”と話す。K子はまんだらけのKさんと、新刊(復刊)UA! ライブラリーのことを話している。さすがまんだらけで、注文の部数が凄い。K子、ややビビっている。5時半、駕籠町会館。畳敷きの部屋で2時間ほどくじゃくじゃ。寺西さん、開田さん、Sさんたちが物販し、ここもほとんどフリマ状態。H向さんと、クイック・ジャパンのことなどうわさ話。扶桑社のOくん、ベギちゃん、連れのSさん(ぐるなびの人)と雑談。鶴岡がスカトロAVネタを披露。ベギちゃんがのぞき込んで笑っているので“え、出てんの?”と訊いたら鶴岡から“そのオヤジくさいからみ、やめなさいって!”と叱られた。
2次会は7時からこないだと同じ店で。腹がやたら空いたので、ここの料理にもまず、満足。寺西さんの友人という、阪大経済学部助教授のBさんに紹介される。いろんな人といろんな話して、ややクタビレたが、テンションだけは高い。鶴岡、談之助両人から立川流前座の話をまた聞く。一人以外、みんな逆に大元気らしい。苦笑の連続である。K子、藤倉さんにベギちゃん、Hさんをそれぞれ見合させていたが不調に終わったので、諦めて大沢南さん、Bさんなどとドイツのホモばなしをしていた。お開き10時ころ。関係ないお客で町内の親方、といった感じの人が三本締めの音頭をとってくれた。帰宅11時半。