裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

26日

日曜日

天災はスペースコロニーやってくる

 わあっ、隕石が! 朝8時過ぎまでぐっすり安眠。ベッドで文春文庫の秦郁彦『昭和史の謎』を読む。『正論』常連執筆者で、南京大虐殺“あった”派であるのが珍しい。もっとも、三・八万人から四・二万人といった数であるらしいが。起床し、シャワー浴びて、1Fのレストランで朝食バイキング。和風で明太子としらすおろし、それに目玉焼と味噌汁。少々天神の町をブラつき、グッズ類などの店をのぞく。書店で九州ウォーカーを買い、ホテルのロビーで昼飯の店を選んでいたら、岡田さんに会った。原稿催促頻々で、モバイルのパソコンを持ってきたが、ホテルの机が小さくて仕事しにくく、まるですすまなかったと言う。私もそうだが、モバイルを持ったからどこでも仕事が出来るというものではない。ある程度まとまった仕事には環境の充実ということが不可欠なのである。しばらく仕事ばなしをする。テレ朝の楽屋で木元教子女史に説教くらったときのエピソードに、ひッくりかえって笑う。

 一旦部屋に戻り、ネタをカバンにつめ直して、出かける。昼は結局、一番近い天神ビブレ地下の釜あげうどん『太郎ちゃん』。まるきり大衆食堂風の店だが、コシのあるうどんに甘めのツユ、それにテーブルの上に山盛りになっているゴマをスプーンですくって入れて、すすりこむ。うまいうまい。もっとも、ソバと違い、釜あげうどんというのはすべらないようにハシでつまむのが案外難しいものだということも再確認した。

 そこから地下鉄に乗り、西新駅まで。じつはまるきり会場とかを把握しておらず、去年の記憶のみでなんとなく地下鉄に乗り、なんとなく降りて、なんとなく横断歩道を渡った。幸い、過去二回も行っているから足が覚えていたが、この確認が大儀な性格は実に困ったものである。無事、会場の西新パレスに到着。スタッフのみんなに挨拶して、マイクテスト。今回はワイヤレスを用いる。

 1時半、ライブ開始。お客さん、二○○人弱つめかけてくれて盛況。しょっぱなにファイティングマンをやり、あと、エロネタが続く。やはり九州まで来たんだし、という解放感が三人ともにあるのか、危ない話頻々。もっとも、客も引いてる様子なさそう。途中で私のワイヤレスの調子が悪くなり、一人だけ手持ちマイクになる。ここの会場、唯一の不満が音響がハオったり、客席の手ごたえが受け取りにくいことで、ネタが果たしてどれくらい受けたか、が把握しにくい。そのため、少しトークがギコチなくなる。『チャンピオン太』ネタをやったときには、客席の反応がまるでこちらに届かず、受けなかったか、とちょっと思ったが、後で聞くとなかなか評判よかったようで、ならも少しツッこめばよかった、と思う。結局、MTVネタと読みネタはは出来なかった。流れがそこへ持っていけるような風に行かなかったためで、これは仕方ない。

 途中急速をはさんで5時半まで。そのあと、サイン会に移行。岡田斗司夫と私の列は、毎度ほとんど同数となる。なかなか、どちらかが突出して人気を独占する、とはならないものである。終了後、スタッフの皆さんと記念写真を撮り、一旦ホテルに帰る。8時から打ち上げ。もつ鍋屋。昨日に比べるとかなり大衆的な店だが、もつはさすがに脂肪のついた丸もつで、ミソ仕立てでうまいうまい。魔王はじめ焼酎各種、飲んで満足。最後は恒例のオタクの三々七拍子。岡田・眠田両人は私用でそこで退席するが、私は別に用事もないので、スタッフとカラオケにつきあう。当然のことながらオタクソング縛りでえんえん、1時過ぎまで。一人十曲は歌い、最後はもう、何が何だかわからなくなる。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa