裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

20日

月曜日

ボジョレー乳房

 巨乳解禁! 昨日、駄ジャレタイトルをUPしたあとで“落ちミュシャ狩り”というのを思いつき、しまった、こっちの方がよかった、と落ち込む。落ち込むこともないか。朝、7時半起き。髪の毛から何からホルモンくさい。夢で、“と学会の帰りにホルモン焼きを食う”というのを見る。まんまじゃねえか。朝食、サツマイモとブドウ。シャワー浴びて肉臭さを落とす。

 某氏から電話で、“このあいだ話した○○についての件、日記などには書かないでおいてもらいたいんですが・・・・・・”“ああ、はいはい、わかっております。あそこだけの話ということで”“ああ、どうもすいません、なにしろいろいろとしがらみが”“わかります、わかります、ことが微妙ですからねえ”などと業界人的会話して切ったが、実はその“○○について”の件というの、酔っ払って聞いていたので日記につけようにも人に話そうにも、サッパリ記憶にないのである。

 仕事連絡いろいろ。週刊ポスト映画評、急遽もう一本書かねばならなくなる。『シベ超2』はどうだ、と言ったら、ウチはカルト雑誌じゃない、と一蹴された。『フィギュア王』、原稿がまだ入っていない、とメール。一週間も前に出したはずだが、届いてなかったか。緊急に再メール。太田出版の図版ブツ追加分、バイク便で出す。雑用が多くていけねえ。資料にジョン・E・ルイス『完全犯罪の事件簿』(原書房)を再読する。カンタリジン(カンタリス)を分泌する昆虫の名をゲンセイと記載している。はて、カンタリスというのはハンミョウ(ツチハンミョウ)からとれるもので、ゲンセイというのはハンミョウの羽を粉末にして作った催淫薬の名ではなかったか?と思い、調べてみたら、ハンミョウの一種でゲンセイというのがおり、スペイン産のそれがいわゆるスパニッシュ・フライであると解った。江戸時代、南蛮から伝わったそれをそのままゲンセイと呼んだのだろう。

 雨降りそぼる寒空で、体調極めて悪し。ウルトラグラフィックスの今年の十大ニュース原稿、書いてメール。それからカタログハウスのインタビュー起こし原稿とモノマガジン、平行して進める。昼はシオカラでお茶漬け。食ったあと、血液が胃に行ってしまい、何も書けなくなる。3時半、歯医者に行って歯石を取る。帰りに、パルコブックセンターでマンガ数冊買う。最近鴨居まさねとか二宮知子とか皇なつきとか、女流ばかり読んでいるので、積極的に、男性作家のものを買う。

 6時過ぎ、モノマガジン原稿やっとアゲる。原稿に印をつけて、雨の日に書いたものと晴の日に書いたものを比較してみたらどのような結果が出るか。8時、体力の限界で仕事放棄。外へ出て、雨と風の中、船山の三周年記念に招かれて出かける。珍しい料理いろいろ。甘鯛のアーモンド焼きが風味満点。これだけ三皿食べたい。こういう日の酒は回る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa