裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

12日

日曜日

体固めに鐘は鳴る

 ゴングが打ち鳴らされております! 力道山フォール勝ち! 朝8時起き。このごろの眠りの特長として、深いのだか浅いのだかわからず。朝食、サツマイモ切れたのでジャガイモ(あやさんからもらったの。“とうや”という種類だとか。洞爺、なのだろうか?)をマッシュにして。それとリンゴ(紅玉)三片。二日酔いという感じではないが、昨日の“古い”真露の酔いで、少し体が変調を起こして、胸のあたりが空虚っぽい。

 母から電話。親父が今日はあまり喋ってくれない、と泣いている。こないだカタログハウスの取材のとき聞いた話だが、やはり人間、独居房などに長期間置かれると、“しゃべり方”というものを忘れてしまうそうなのである。親父もノドに穴をあけてしゃべられない状態が長く、どんなにしていても、しゃべるのが段々おっくうになってくるのは仕方ない、血中の酸素の状態や何かが正常ならば、そんなに心配することはないのではないか、と言っておく。もっとも、しゃべりのリハビリは必要だろう。

 午前中、ずっとSFマガジン続き。書き始めたときはまとまるか、と不安だったのだが、案外スムーズにネタとネタのツナギがいったのにホッとひと安心。あとは快調に筆がすすむ。十一枚(今日の分八枚)書き上げてメールし、図版用のブツを公園通りのローソンから宅急便で送り、ついでに肉まんを二ケ、買って昼飯にする。満腹感も満足感もなく、胸が焼けただけ。

 食い終わって即、イーストプレス『フーゾク魂』原稿“昭和秘宝見聞録”第二回を書く。五枚強、4時までにアゲ。自分で書きながら戦後という時代が無暗に魅力的に思えてきて仕方ない。メアドがどこにいったか行方不明なのでFAXしておく。ブツは明日、バイク便。

 5時半、新宿に出てマッサージ。筋肉の疲れはだいぶよくなっていると言われる。肩凝りは風邪のせいかなあ。フィリピン人らしい客が二人来ていて、べらべら話しまくっていた。なんで東南アジアの人たちってのはああノベタラにしゃべり続けるのだ ろうか。揉まれ終わって少し頭痛。

 8時、伊勢丹の天一でK子と食事。小柱品切れは残念だったが、メゴチはうまくておかわり。日本酒三本飲んで、汗やたらかく。やはり代謝が変ぽい。帰ってすぐ寝るが2時過ぎに目が覚め、もう一度風邪薬飲み、ノドがかわくのでジュース飲んで、またフトンにもぐり込む。唇に出来たプツプツはどうやらヘルペスではなかったらしいが、目がカユいのはまた去年のようにインフルエンザが目に入った結膜炎なのではないか、などといろいろ疑心暗鬼。

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