5日
日曜日
同人お吉
幕末本新刊でーす。ハリス×ヒュースケンでーす。早暁4時ころ目が覚める。なをきの家で『ウルトラQ』のリメイクものを見せてもらう夢を見る。リメイクではあってもちゃんと白黒で撮影してあって、特撮(ラゴンの腕が植物のツルのようにクネクネ動く)は進歩しているが、背景などが昭和四○年代そのままなのは感心だ、などと思う。なぜかカネゴンの金男少年が大金持ちの子供、という設定に直されており、召使の子供を犬、犬と呼んでいるのがヒドい、と思ったら目が覚めた。少し原稿など書いて、5時半にまた寝る。8時起床。朝食、あやさんからもらった馬鈴薯。なんという種類なのか、非常にホクホクしていて、ベイクドして食べると最高。ハモン・セラノと。
午前中は仕事用読書。寝転がって読むのが私の読書スタイルだが、今日はあまり熟睡できてないのですぐ眠くなる。こないだの『映画バカ一代』をまたパラパラ。ガメラ3にアツくなっている人々の言を微笑ましく読む。“およそ怪獣に関する議論の中に、正論というのはないのではないか”とさえ、最近は思う。UFO問題を、すでに宇宙人はいるかいないか、で論じるだけでは本質がつかめないのと同じく、カイジュウ映画というジャンルは、社会現象となるほどの大ブームを起こしたジャンルに必然的に、ありとあらゆる人々の、ありとあらゆるオモワクを含有した“ハイ・ストレンジネス(一般分析不可能)”なものになっていると思う。安達Oさんのサイトの映画日記を読むと、彼は怪獣プロレスものが嫌いらしいけど、カイジュウ映画の本質はアレじゃあ、という人だって山ほどいるし、カメーバやメガロを愛する人だってちゃんと存在する。“怪獣三倍段”という言葉さえオタク界にはあるのだ。なぜ、一般 のパニック映画、SFX映画などと比べものにならない濃いオタク層がこのジャンルには存在するのか、ということを考えるとき、怪獣は単なる映画の一分野ではなく、もっとオタクという人種の出現の根本にかかわるナニカをその存在の底に秘めているのではないか、と思わざるを得ない。
昼は青山の方まで散歩がてらブラブラ歩いて、スカしたブティックの二階にあるレストランで、パスタを食べる。カフェラテが無暗に濃くて甘くて、胸が悪くなって、ほとんど残して出た。青山学院向かいの広場でフリマをのぞき、紀の国屋で買い物し て帰る。
少し原稿書き。左肩がパンパンに張る。新宿へ出てマッサージにかかる。施術師さんが指でさわって“うわあ”と言った。世間ばなししながら揉まれているうちに、うつぶせ枕に顔を押し付けながら、気絶同様に寝込んでしまったらしい。ハッと気がついたら、もう一時間たっていた。十分くらいしか受けていないように思ったのだが。服を着ながら鏡を見たら、うつぶせ枕の跡が額と両頬に赤くついていた。
タクシーで帰る。運転手が競馬の話をしてくる。こないだ快楽亭と話したことなどをしゃべると、こいつ詳しいと思われたとみえ、さらにディープな話。地方競馬の赤字状態や、競馬界の今後のことなどに無暗やたらと詳しい運ちゃんであった。帰って食事の支度。8時半夕食。牛肉とゴボウの煮物、イワシ天ぷら。ビデオで『親指トムの奇妙な冒険』、それからサウスパーク。缶ビール一本、日本酒二合。牧場由美(おくの剛)さんから電話、こないだのカルトDVDの打ち合わせの件。