裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

木曜日

ゴエモン小暮

「またつまらん相撲をとりおって」

※『コント考現学』ゲスト

朝、昨日のことを何度も何度もビデオ再生
するような夢。軽い苦痛。

9時半起床。
すでに寒い。暖房を入れる。
朝食、バナナジュース、スープ。
なんやかやともう年の暮れの気配濃厚である。

ジェラルド・ダミアーノ25日に死去、80歳。ポルノ映画史上、
いや映画史上最も興行効率的に成功した作品『ディープ・スロート』の
監督(ジェリー・ジェラルド名義)。
IMBのトリビア項目によると、この映画は制作費(2万2000ドル)
の実に2万5000倍の興行収入をあげた。あの『タイタニック』ですら
興行収入総額は制作費(2億ドル)の10倍そこそこにすぎない。

公開時は私はまだ中学生だったから観ているわけもないが、
大学に入って浅草の名画座にかかったのをやっと観た。
『プッシー・トーク』との二本立てだったと思う。
どっちもカットと修正の嵐で、ほとんどストーリィもわからぬ
代物に成り果てていた。あんなもんであっても、当時(70年代)の
日本人男性は必死の形相でスクリーンを凝視していたのである。

昼は弁当、野菜炒めと卵焼き。
NHKのYくんから電話、2日のヒーローソングイベント
の件で店長の児玉さんに確認したいことがある、とのことで
児玉さんの連絡先教えるが、間違って声優の児玉さとみさんの
番号を教えてしまい、ちょっと混乱の一幕あり。
申し訳ない。

快楽亭から電話、名古屋の『楽』でお名残落語会を、とのこと。
今回は元気いいぞうと一緒だとか。来年一月の予定を調べて
おかねば。
朝日新聞から電話、来週の書評の本の選定の件。

体力急速に消耗、気圧か、風邪か?
少しベッドに横になって読書。
そのうちグーと寝てしまう。眠くて寝るのでなく、
体力消耗しての薄い気絶、という感じ。

起き出して原稿。
5時半、家を出て新宿に出て用事足し(するつもりで出来ず)
中央線で阿佐谷。
あぁルナティックシアター『コント考現学』。
店に行く前にラーメン啜って腹を作るが、朝日新聞社から
電話、昼の電話で決めた書評本と、同じ出版社のものがカチ合うので
ズラせないかとの件。向うは恐縮してくれていたが、フリーの
モノカキとしては、その程度のことはありがちなこと。

阿佐谷ロフトA、劇団のみんなに挨拶。
たった一月ぶりなのに、何だか半年も会っていないような
気分になるのは、9月にほぼ毎日、顔を会わせるという
ディープな付き合いをしていたからだろう。
麻衣夢から電話で、昨日のイベント(プロレスの)に
来たとき万年筆を忘れてきてしまったのが事務室に保管されて
いるので、それを預かって欲しいとのこと。
麻衣夢とプロレス? と首をひねったが、舞台にも観にきて
くれている人だそうな。

客の入りがちょっと心配だったが、後になるにつれ、
次第に入って恥ずかしくないだけの入りになる。
開演を待つ間に大阪のテレビ局から電話一件、それから
オノが持ってきた(彼女は今日は風邪ですぐ帰る)講談社からの
原稿依頼手紙一件読む。講談社のは、以前同人誌で出た
『「幻影城」の時代』を単行本で刊行する、というもの。
この同人誌、以前金沢での仕事で、ホテルで読もうと思って
持っていき、地震騒ぎのドタバタで紛失してしまった。
完売して在庫もないということなので残念に思っていたので、
単行本化は嬉しい。
あと、一月の連休中のスケジュールをチェックするが、
10日、11日はイベント、テレビ収録予定ですでにツブれ。

考現学コント、最初はいやにグダグダで、あれれと
思っていたが流石はルナ、中盤からぐーんとテンション上がる。
藤田由美子ちゃんの黒柳徹子モノマネに笑った。
あと、NC赤英がNCを“生クリーム”の略に改名するという
発表、琴重ちゃんとテリーの“あんみつ姫”ネタ、
“ボーグ星人”ネタなど。

私はトークと、映像ネタに出演。
映像ネタは秘蔵のものを放出、さすがにウケた。
お客さんを壇上にあげてのジェスチャーにも参加。
このとき壇上に上がったオカアサンと娘さん(小学2年生くらい)
が無茶苦茶に達者。
その母娘に客席から声をかけるおじいちゃんのキャラクターも、
(客席で大声で会話されるのがちょっと困ったが)オモシロイ。
聞いたら未確認ではあるが、荻窪北口駅前の珍来の一家らしい。
こないだオノと一緒に入ったところではないか。

T田くん、しら〜さんとハッシーと、いつものじげもんで
打ち合わせ。T田くんにはおごる。
来年の件、外部との打ち合わせやつきあいの件等々。
それほどベロにもならず、1時半、タクシーで帰宅。
メールチェックのみして就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa