23日
木曜日
タミヤ伊右衛門
お岩様人形改造コンテスト!
※雑仕事多々 新宿村ライブ『SHOUT!』観劇 ゆっこちゃん送別
ゆうべ早めに寝たためか、目が三度くらい覚め、覚めるたびに
夢を見て、メモしておく。
一本目
舞台を三つに区切り、大きな木が下手から根の部分、幹の部分、梢の
部分と別れてセットが組まれている。幹の部分は奈落から上まで
通してセットがある。木の上にいる者と下にいる者との間の芝居で、
上から下に落っこちるとすぐ下手の方の舞台に人形の体が落っこちて
きたりして、つながっているところを工夫で見せる。
二本目
下半身にぐっしょり寝汗をかき(実際にはかいてない)、シャワーを
浴びようと浴室(札幌の実家の浴室だが黄色いタイル張りになっている)
に入る。引越間際なのか、やたらあちこちに物が積み上げてあったり
する。途中で洗い場の壁などが壊れて倒れかけてきて、それを
押さえながら必死で入浴する。
三本目
終戦間際の日本。私は難しい新聞記事を注文を受けてリライトする
職業で、特攻隊が、勇を奮い起こすためにやたら辛い唐辛子を
食って意気をあげて出撃した、これを美談に仕立てろと言われて
難渋するが、何とか書き上げて賞賛される。
9時15分起床、雨もよい。やがて降り出す。
ずーんと体調、気分が落ち込む。
朝食、9時半。
バナナジュース、トマトスープ。
自室に戻って入浴しようとしていたら、
宝酒造から届ものがあります、とインタホンで。
ただ、他の荷物を届けてから、というので、30分ほど
風呂にも入れずつくねんと待つ。
やがて届けられたのが、缶チューハイ7箱(ドライとレモン)、
清酒750ml瓶6本、焼酎同じく6本。
先日のCMのお礼だろうが、積み上げられたのを見て
「こんな飲めないよ」
と思ってしまう。別に、すぐ飲まなくてもいいのだが。
単行本の販促文を書いて出版社に送る。
同人誌の原稿を書く。
書き下ろしの原稿のメモを作る。
某社の原稿料未払いの件は解決した模様。
誕生日の友人との食事会をいろいろ算段。
等々々々、案外午前中から午後1時にかけての時間を有意義に使った。
鬱の効用というやつか。
昼は弁当、菜はオムレツ。旨かったが飯が固いこと。
2時、地下鉄で西新宿。新宿村スタジオに行こうとしてのことだが、
はるかに中野坂上の方が近いということはわかっているのに、
なぜ西新宿まで行ったか。新宿村スタジオのサイトの地図に西新宿から
のアクセスが書いてあったのが頭の隅にあったからかもしれない。
しかし新宿村スタジオ近辺は凄い。
再開発に必死で抵抗しているというか、一種別世界。
このあたりに以前住んでいた友人が
「まあ、言って見れば貧民窟でしたから」
と笑っていたが、今見ると、その雑然たるたたずまいが実に魅力的。
スタジオに併設されている『新宿村ライブ』にて、『ホラリオン』に
客演してくれた別府明華ちゃんの出演する舞台『SHOUT!!』鑑賞。
昔ながらのチケット売りの小窓がある(もう使ってないが)
嬉しい小屋。客席が二手に分かれて、その真ん中に柱数本が立っていて
消火器とか、掃除用具とかがそこに立てかけてある。
これもそのまま、らしい。
演劇の自由自在性ってすごい。
客席の隣がいつも麻衣夢のライブに来てくれている人、
向かい側の席に魚健さんがいた。
芝居は凄く固いテーマがあるものだった。
若者たちが、そのテーマを主張し、汚い大人たちの思惑を
粉砕する。芝居中でなされるディスカッションも青臭くて、マジに
聞かせられたらちょっと閉口するかも。
しかし、演劇空間というのは、こういうものもちゃんと包容する
フトコロの深さを持っている。これに驚き、若い役者たちの
精いっぱいの演技に反発も感じずうなづいている自分は、
もうオジサンなのか? いや、受け入られるようになったから
オジサンということもないだろうが。
別府ちゃんの存在というものも大きかったろうな。
しかし、あぁルナの次がこれと、振幅の大きい芝居を両方とも
コナしてしまう彼女、さすがである。
挨拶して、感想を述べ、一旦地下鉄で帰宅。
同人誌原稿チェックをアゲて送る。
これまで三回送って、向うで開けなかったというので、
別の方法で送ってみる。
それから中野までバスで行き、中央線で東京駅。
銀の鈴で岩澤ゆっこちゃんと待ち合わせ。
こないだの芝居の日は先約があって食事に誘えなかったので、
今夜京都に帰る前に、食事でも、と。
近くのイタリア居酒屋で、軽く乾杯。
いろいろあの芝居(『桜の園』)の話を聞く。
私の見たところ(象徴とか)はほぼ、演出家の意図に合っていた
と言われて面目をちょっとほどこす。床に敷きつめられて
いたのはやはり一円玉らしい。
「何枚あったと思います?」
と聞かれたので、1万枚くらい? と答えたらブー。
「36万円分です」
とのこと。大道具さんがコマメに換金して、床に敷きつめたとのこと。
よく、“この予算でよくこれだけのセットを組めた”とか、
“これだけ金かけてこんなセコなセットかい”などという感想を
聞くが、これほどかけた金の額がはっきりわかるセットもあるまい。
ゆっこちゃんは京都の梵鐘屋さんの娘さん。
要するに寺の釣鐘を作っている家である。
なかなかこういう家業というのもなかろう。
こないだもNHKが取材に来たとか。
1時間ほど楽しく話していいるうちに新幹線の時間が迫る。
彼女を送り出し、その後、マスターと話しながらちょっと飲み足し、帰宅。
皆神さんからのメールでの提案に、いいんじゃないですか、と返答。
家でホッピー飲み足す。
ゆっこちゃん、明華ちゃんからお礼メール。
『第三の男』についてちょっと調べる。
ハリー・ライム役はオーソン・ウェルズ一世一代の名演で代わりなど
考えられない、とわれわれは思っているが、イギリスでは50年代末
にテレビシリーズになって、『地球の静止する日』のマイケル・レニー
がハリー・ライムを演じて人気で、59年〜65年まで続いた長期
シリーズになっている。助演が後に『宇宙家族ロビンソン』で
ブレイクするドクター・スミスことジョナサン・ハリスだったそうな。
凄いコンビだ。
※写真はゆっこちゃん。