16日
木曜日
フライド
KFCに勤める木村拓哉を描く月9ドラマ。
※原稿一本 東大講義打ち合わせ
朝9時起床。
いわゆる快眠とはちょっと異るが、
この数日の肌寒さが、布団の中を非常に居心地のいい場所に
している。寝床読書、浜本隆志『拷問と処刑の西洋史』(新潮選書)。
有名な“鉄の処女”による拷問が行われたという史実はない、
という考察など、前から頭の中のどこかにあった疑問を払拭して
くれた感じで感服。
洗顔歯磨き如例。
9時半、朝食。バナナジュースとメロン。メロンそろそろ千秋楽。
たっぷり楽しませていただいた。
自室に戻り日記つけなど。
子供時代のフェイバリット番組『怪鳥人バットマン』のテーマを
作曲したニール・ヘフティ、11日に死去。85歳。
60年代をテレビの前で過ごした人間にとってはバットマンの
テーマは名曲中の名曲だが、実はこのテレビシリーズの音楽は
ネルソン・リドル(『パリで一緒に』『七人の愚連隊』)が
担当しており、ヘフティの作曲はこのテーマ曲のみ。
1966年公開の映画では、この曲は主題曲としては使われて
いない。プロデューサー(兼ナレーター)のウィリアム・ドジアー
のアイデアだろうが、ヘフティのこのテーマが大々的に使われて、
テレビ『バットマン』は大ヒットにつながった。ここらへんは
007シリーズ(音楽担当はジョン・バリーだが、テーマ曲の
作曲はモンティ・ノーマン)と相似であろう。
http://jp.youtube.com/watch?v=oDc-1zfffMw
↑テレビのオープニング
http://jp.youtube.com/watch?v=uXvXz7OqgbY
↑全長版はこっち。
他の代表作には映画『女房の殺し方教えます』、テレビ『おかしな
二人』など。
カウント・ベイシー楽団のアレンジャーとしても活躍していたが、
ヘフティの曲はいつもやたらテンポが早く、ベイシーはそれをうんと
ゆっくり演奏してヒットさせたという。
http://jp.youtube.com/watch?v=MrJvZkKyoOE
↑『ガール・トーク』などというジャズの名曲も作曲しており、
“都会的”という言葉がこれほど似合う人もいなかった。現代の
サツバツとした都会でなく、夜が輝いていた60年代の都会である。
冥福をお祈りする。
大阪行きの件をmixiの日記に書いたら、思いがけない
ところから、別件の用事と合わせられないか、という
問い合わせ。
これは願ってもないことかも、と。
昼は鶏肉の山椒付け焼き、美味。
取り立てて食べたい、と熱望するものではないが弁当のお菜に
あったりすると心嬉しくなる料理というものがあり、
私にとってのその代表かも知れず。
牛肉とピーマンの炒めもの、とか。
2時半、家を出る。
ギリギリまで原稿書き。なんとか文字数合わせ完了、
編プロに送って、すぐに着替えて家を出る。
それでも新中野〜新宿間はさすがに近く、
遅れずに珈琲西武へ。
東大のY先生と打ち合わせ。
映像コンテンツ授業の講義について、レジュメという
程でもないが、基本の内容につき、話し合う。
今回は私は講義の方向性を決め、あとは司会進行という
感じなのだが、それだけにこっちがしっかりしないと
ただのトークライブになる。
その後、雑談。
上記の大阪行きの件をちょっと話したら、それ関連で、
Y先生から思いがけない大きな提案をいただく。
少し虚を突かれるが、一瞬後には“それはいいんじゃないですかね!”
と小さく叫んだほど。
いろいろな、私の周辺に私が置いたピースがカチッと合う。
こういうときほど興奮することはない。
Y先生はこれから慶応大で講義するとか。
帰宅、連絡事項多々。
いろいろどうしようか考えているうちに急激な脱力感に襲われて
眠くなり、しばらくベッドに横になる。
パワーが吸い取られた感じ。
ある種の決定を夢うつつの中で。
1時間ほどして起き出し、気分を切り替えて、
10時過ぎまで原稿書き。
終って、ヘフティ追悼と思い、DVDで
『バットマン/オリジナル・ムービー』をアダム・ウエストと
バート・ウォード(バットマン&ロビン)の音声解説で見る。
私はこの映画をテレビ・シリーズのパイロット版、
と思っていたのだが、アダム・ウエストが
「この映画はテレビシリーズで30本ほど撮った後に作った」
と言っていた。しかし、ジョーカーのメイク等に、
あきらかなテレビ版との差があり、しかもこちらの方が
ハマっていない。さらにはストーリィにかなりの混乱があり
(最初にキャットウーマンの存在も明示しているのに、後で
それがあきらかになったような話になっている)、バットマンの
マスクの色がシーンによって異ったり、統一が全体的に
とれていないことなどから考えるに、パイロット版として
作ったものにシーンをつけ加えて映画に仕立てたのではないか、と
想像する。キャットウーマンをテレビ版のジェリー・ニューマー
でなくリー・メリウェザーが演じているのを
「ジェリーは映画『マッケンナの黄金』に出演しないと
いけなかったため」
と説明していたが、『マッケンナの黄金』にはペンギン役の
バージェス・メレディスも出演しており、なんでニューマーだけが
ダメだったのか、説明がつかないのである。
夜食にカツオ丼。サントクで380円で買ったカツオのトロの
刺し身を煮切り酒で醤油を割ったものに1時間ほど漬けこみ、
酢飯にゴマ、シソとショウガの微塵切りをまぜたものの上に乗せ、
揉み海苔を大量にふりかけていただく。
思わず口に出して“美味いなあ!”と叫んでしまったほど。
問題山積なれど、乗り切る力湧く。