裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

6日

火曜日

大岡ジャバウォッキー

 アリス・リデルとやら、おもてをあげい。朝、3時頃、ハナミズやたらに出て目が覚める。仕方なく本など読んでいるうちに、4時くらいになってやっとパブロン効いてきたか(遅すぎると思うが)、鼻がスーッとしてきて、気持よく眠れる。8時ころ改めて起床。風邪グスリのんで寝ると、目覚めに片頭痛のようなものが少し残る。頭痛は困るが、あの、妙に神経がイラチがかった、だけど鼻が通ってさわやか、という感じの、風邪の治ったあした、という感覚に、なにか胸にしみわたる懐かしさを感じる。小学生のころはこういう感覚、しょっちゅうだったよなあ。こんな気持になるの も、春の空気の麻薬性のせいか。

 朝食、ホットドッグとイチゴ。新聞で篠原ともえ、台湾のホテルでラリって騒いで病院送りになった、という記事。ビールのせいだというが、どうだかね。朝、原稿書き、フィギュア王。とりあえず、という感じでまとめて、K子に渡す。F社から、連載原稿につき電話。もうオリたい、という件で談判。明日、会ってまた、という約束したが、どうも気がすすまない。グリーンアローの原稿ゲラチェックして返送。

 一日の日記にBOOK・TVのことを書いたが、きのうスタッフから電話があり、番組終了とのこと。思えばこの番組にも三年近く、間歇的ではあるが出演していたことになる。別にオイシイ仕事とかいうわけではないし、そもそも誰が見てるんだという番組ではあったが、終わるとなるとちょっと寂しい気がした。昼はロールキャベツと菜の花の味噌汁でゴハン一パイ。

 その後は外にも出ず、ずっと海拓舎原稿。4時半ころ、とりあえず完成したところまでを送る。それから、センベかじりつつ、今日の睦月さんのロフトトークのゲストで流すビデオを検索する。4月のロフト『唐沢俊一のお蔵出し』に使う予定のビデオの中に混じって、無修正の性転換手術ビデオがあったので、これを持っていくことにする。週刊ポストからFAX。神田陽司さんに、4月の二人会のことでメール。

 新創刊予定の某誌の編集さんから電話。まあ、ただの御意見伺いだが、とりあえず打ち合わせの日取りを決める。この季節は終わる仕事、始まる仕事、変わる仕事と、とかくあわただしい。担当編集者さんの異動も多々。6時、家を出て、パルコブックセンターで資料本買い込み。思っていたものがスグ見つかって機嫌よくなる。新宿に行き、ロフトプラスワン、睦月影郎の変態ナイト。

 ゲストの名を呈示していなかったり、宣伝をあまりしていなかったこともあり、客はパラパラ。こういうときは逆にゆったりとしゃべることが出来ると、睦月さん、開田あやさん、ひえだオンまゆらさんなどと一緒に(しかし、いつもとまったく同じメンツで、“豪華ゲスト”というのもなあ)壇上に上がり、ふだん酒の席でしゃべっているようなことを話す。案外盛り上がり、少ない割に客の反応もよし。性器関係の名称がポンポン飛び出し、笑う々々。客の一人が“来てよかったなあ”とつぶやいたそうで、睦月さんが感動していた。客があまりいないとみんな本音を言うし、取材するならこういうときが穴。

 ビデオもウケて、後半は談之助師匠も加わって、さらに話はどんどん飛ぶ。11時おひらき、阿部能丸くんも一緒に風林会館裏手の中国料理屋で、火鍋で打ち上げ。カエルは皮つき、猪脳、赤イカ、いずれも美味。鶏の血を固めたもの、普通は血餅とか称するだろうが、ここのメニューでは単に“血”。別皿で、ワタリガニと餅(ムチ)を炒めたもの、ワタリガニの出汁が餅に染みて、抜群のうまさ。カエルの皮は火照った体を冷やす作用がある、と店員の女の子が傍役声優みたいな声で教えてくれたが、果然、ひえださんが“背中がゾクゾクする”と言い出した。何か霊感か? と思ったが、紹興酒飲んだらおさまったとか。ここは睦月さんが出演料ということでオゴッてくれ、タクシーも便乗させてもらって帰宅。すぐ寝る。

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