14日
月曜日
バンジャブ下がって師の影を踏まず
インドの儒教。朝8時15分起き。ケンカちゅうの某評論家に政治的折衝を行って和解しようとしたところへ、高校時代の友人の香城貴麿がやってきてメチャクチャにする、という夢を見る。香城というのは医者のドラ息子でラチもない男だったが、卒業以来一度も会ったこともなければ思い出したこともない。なぜそんな奴が、しかも まったく関係ないシチュエーションの夢の中に出てくるのか?
朝食、アボカドの残り半分、安売りの果物。新聞休刊日なので落ち着かず。情報依存症だよなあ。昨日の日記を書く。『サムライ』はアラン・ドロンのではなく、ジュリアーノ・ジェンマ主演の、『レッド・サン』のパロディみたいな映画。“イタリア人と日本のカンカンの間に出来た子”なんてセリフがある。カンカンはパンパンの間違いか。それにしても太平洋戦争後のコトバだろ。ヘンな日本語と言えば、こないだ見た『コンドールマン』に、外人の密輸船々長が出てきて“コレデワレワレハ、オーガネモチネ”などと、アヤシゲな日本語をしゃべっていたが、この役者がエンベル・アルテンバイ。ひえー、『スーパー・ジャイアンツ/人工衛星と人類の破滅』に出てきたE・アルテンバイ氏でありましたか。懐かしいなあ、って『コンドールマン』もいいかげん懐かしいけど。双子の兄弟(たぶん)のJ・アルテンバイのJはジャックとわかっていたんだが、Eの方は何の略かわからなかった。ひょんなところで知識というのは得られるものだ。わかったからといってコンマ1も賢くならない知識だが。
札幌の実家から食料を送ってくる。わが母親は人にメシを作ってやる生きがいで、きんさんぎんさんの年まで生き続けられるであろう。昼は惣菜屋で買ったエビフライを煮て卵でとじたエビカツ丼。食ってまた仕事。モノマガジン、書き上げてメール。ネットで資料検索ちゅう、“植木不等式氏死去!”という記事(見出しのみ)が出てきて驚く。1999年のものだったからガセであるが、死亡説が流れるほど有名なんですなあ、この名前。私も早く死んだとウワサされたい。
幻冬舎から連絡あり、『トンデモレディースコミックの逆襲』、売れ行き好調増刷決定。これは早い、と驚いた。なをきとコンビの雑学もの、K子とコンビの猟奇ものはすでに定評があるからある程度は売れるのも予想つくのだが、今回のはネタが旬も過ぎたレディースコミックであるし、どうかな、と実は危ぶんでいたのだ。これが、しかもこれまで出したものとほぼ同じスピードで増刷になったというのは、ある程度の内容の幅があっても、私の名でブランド買いをしてくれるファン層が幻冬舎の文庫に定着したということだろう(それと井上デザインに徹底して派手なレイアウトをしてもらったこと)。まずはホッとする。
それにしても、本家レディースコミックの業界は都条例がきびしくなって、大変な状況らしい。渡辺やよい先生のホームページなど見ると、ああいう“他の人よりスケベ”ということをウリにしていた人ほどキツい状況だとわかる。担当編集者は警察で“あなたの子供がこういうものを読むと思ったらどういう気持ちか”などと頭の悪いことを言われたそうだ。子供に読ませるために描いているわけじゃあるまいがな。われわれはスケベでなくトンデモで売っていてよかった。まあ、仕事がなくなったのは同じだが、トンデモはかように再利用がきく。
SFマガジン図版用ブツ、送って、原稿書き。日経ヘルス新連載エッセイ。前よりいささか原稿料が上がった分、〆切厳守、と言われていたが見事に遅れた。それでも6時前には何とか脱稿、メール。フト気がついたら、歯医者に予約入れていたにもかかわらず、コロリと忘れていた。あちゃあ。
8時半、四谷の深夜スーパー『セイフー』で買い物し、新宿ホテル街の寿司屋『すがわら』で食事。月曜はネタが豊富で楽しい。イカゲソ刺しなど、まだ吸盤がうごめいていて、女房“気味が悪い〜”と大喜び。ヒラメ、赤貝、コハダ、ウニなど。いいちこスーパーという焼酎をお湯割りでやるが、これが実にうまい。