裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

木曜日

デリダ、デリダ、デリダ、空の彼方に踊る影

 タイトルは脱構築的。二日酔いそれほどひどくなし。8時15分、起床。朝食はトマト一ケ、リンゴ数切。昨日の日記に書いた伊藤くんのHP、もう削除されていた。私の記述読んで見にいった人、残念でした。その件で光文社のS氏、それから担当のHさんと電話。S氏から実際のところを聞く。

 午前中にK子用の、フィギュア王原稿、それから薬局新聞原稿、それぞれアゲる。アゲてから弁当作り。鶏肉とゴボウの炒めもの。鶴岡から電話。荒井注の話いろいろと。昼飯は冷蔵庫に冷凍のフカヒレスープがあったのでフカヒレ丼。1時過ぎ、文化放送に出向く。タクシーに乗るが、ゴットー日の連休前、混むこと混むこと。おまけにこのタクシーが文化放送の場所を知らず、なんだか見当違いの場所に降ろされる。2時入り予定、ゆうゆうの筈が15分も遅れた。10分ほどまだ余裕はあったが、すぐ本番。しゃべるタイミングをとちったり、喉が乾いて声がカスレたり、ややヒドい出来であった。ネタがウケていたからよしとするか。

 帰って原稿。最近、躁病的多幸感にひたっていたのが昨日あたりからやや、落ち着いて、人並みに(笑)不安や焦燥も感じるようになったが、原稿はそちらの方がすすむので結構。光文社、二見書房、早川書房、アスキー、いずれもちょこちょこ齧るように。明日からの三連休で全部かたづけねば。

 青林堂K氏から電話。ネットでマンガ書店をやるが、『正太郎伝』を入れてもいいか、ということ。これは許諾。次号以降の執筆はなをきが忙しいと思うので実質ムリである。NHKのYくんからも電話。番組の内容一部変更の件。問題なし。リイド社からも電話。山咲トオル本の解説の原稿料の件。ウン万で結構でしょうか、とおそるおそる。どうやら、私を大変にエラい、原稿料の高いモノカキとカンちがいしているらしい。基本的に、どんな安い原稿でもお仕事はありがたく引き受けさせていただいております。まだゼイタク言える身分じゃない。

 もと官能倶楽部の安田理央氏が、“唐沢俊一と安田理央、大ゲンカ!”というデマに困っているそうである。安田氏はメルマガで必死で否定に回っているが、出所が2ちゃんねるらしい。ああいうところで出たウワサは、いじるとどんどん大きくなる。しばらく無視していれば、根のないものは消えていく。とにかく、われわれ名前出して商売している者は、あそこに出没しているような捨てハン者には基本的にハンデを背負っているんだから、ジタバタしない方がよろしい。

 光文社の書き下ろし用に、このごろ毎日大量の少年探偵小説を読んでいるが、まあどれもこれも奇想天外、ハズレがめったにないのに驚く。海野十三のものなんか、トンデモを通り越してシュールですらある。感動。初夏ごろに発売予定の『少年探偵の逆襲』を買うこと。

 夜7時半、外出。家の近くにある中華雑貨店の奥の画廊で、『日曜研究家』の表紙やコミックGONのイラストの中川雪子さんの個展が開かれていた。ポップレトロな画風、原画で見るとなお、すばらしい。彼女をイラストレーターに、B級少年探偵ものの復刻シリーズか新創作絵本ができないかなあ。そのあと渋谷スペイン坂で靴をK子と買い、和食屋『猿丸』へ入る。満員なので、隣のバー『Alcohl』(経営者は同じ)に通され、ここのカウンターで食事。角煮、おぼろ豆腐、牛タン味噌漬けなど、つまみ風なものばかり数品。ビール2ハイ、日本酒2合。

・今日のお料理『フカヒレ丼』 冷凍のフカヒレスープを解凍し、鍋にあける。醤油とオイスターソースで、味を少し濃いめにし、カタクリ粉を加えてドロリとさせる。ごはんの上にこれをかけ、上にきざみショウガをのせてレンゲで食べる。

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