裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

日曜日

パリスの旋風(かぜ)

♪ドンガドンガラガッタ、パリス・ヒルトンのお通りだい、大金持ちのセレブのお通りだい、パパラッチの皆さんこんにちわ、交通係のおまわりさん、こんにちわ。

※笹公人さん結婚式 魁演劇塾発表会

朝、7時起床。しばらくベッド読書、『虹の橋 黒澤明と本木荘二郎』続き読む。“エグゼクティブプロデューサー”のことを平気で“エクレクテルプロデューサー”などと書く神経がすごい。文体の癖はマキノ雅弘などの模倣ではないかと思う。時勢を憂いアウトローを気取り成功者を侮蔑するそのスタイルのアナクロニズムを、著者がアナクロニズムと思っていないところがかえってこの本の個性か。インタビュー相手にも
「チリ紙交換を職としています」
と自己紹介する韜晦ぶり、失笑でしかないのだが。

スイカで朝食を摂る。入浴、洗顔。昨日の日記をつける。服を着付けてみて、10時半、家を出てホテルオークラ。笹公人くんの結婚式。クロークに荷物を預け、受付をしたら受付にいたのがあぁルナで写真を撮っているYくんだった。世の中は狭い。いま、着ているモーニングが、このあいだあぁルナの舞台でも着たもの、というところがまたなんとも。

受付終えたところで声をかけられる。さいばらりえこと高須院長親子。席も同じテーブルだった。他に出口汪氏、榎本了壱氏、蜷川有紀氏などが同じ席。全ての出席者80人以上の卓に、それぞれ笹さんの
歌集から本人に合せて選った短歌が書かれた色紙が添えられていた。
私のところの短歌は
「ノムラサチヨ
 ホソキカズコ
 と唱えれば
 魔界の数え歌のごとしも」
 というやつ。さいばらが
「あ、やっぱりいいなあ、唐沢さんのは!」
とうらやましがっていた。

左隣は某社の編集長、Hさん。名字を見ておやと思ったが、最初に『念力家族』を出した宝珍のHさんの旦那さんだった。今日何度目かで驚く。世の中は狭い。

司会は金原亭世之介。新郎新婦を見るに、新婦側はごく一般人の皆様。高校時代のクラスメートが、スピーチで感極まって涙ぐんだり、会社の上司のあいさつがあったり、こういう普通社会の人の言を聞いていると、われわれ業界人などというのはいかに派手々々しくとも朝日の前の幽霊で、消えていくしかない。そんな一般人に求婚した笹さんは偉いなあ。私にはとてもそういう度胸はない。しかし、アヤシゲ関係のみんなのスピーチもそれぞれ、さすが。私のスピーチ、早口すぎて失敗。服が暑くて、アルコールが回り過ぎた。

サエキけんぞうさんにも挨拶。高須先生、また親子で、
「もっとと学会で発表しなくちゃ。研究は論文発表して初めて自分の学説になるんだから」
「いえ、と学会は笑いをとらなくちゃならないんです」
と、やりとりしている。
Hさんから、以前よりHさんの会社で懸案になっている企画のこと、話に出る。また、会社あげてバックアップしますよ、との言を受け、つくづく自分の果報を思う。

タクシーで渋谷に行き、明日の入りとか確認。酔いを醒すために、しばらく抱き枕を枕にして事務所の床で寝る。5時、家を出て代官山へ。エド・エドで明日の収録に備えてヘアカット。

そこから、天沼へ。天沼会議室3階で、あぁルナティックシアターの魁演劇塾生発表会。女性二人のコント。シロウトさんで、プロになろうという感覚もなく、普通のカルチャーとか、お稽古ごとの感覚でコントをやるというのはいい時代だ。一生懸命さが伝わってくる。ハッシーに言わせると、無我夢中だった昨日(初日)の方が出来がよかった、と。

岡っちが、合間を使って独りコントをやったが、自分でやりながら納得いかなくなったか、
「やめる」
と言って、中断させてしまった。これが今日一番のバカウケになる。

バラしのあと、塾生二人と、劇団員たちで荻窪で飲む。ハッシー、岡っち、誠吾くんなどと12時近くまでいろいろと話す。疲れと酔いで、ちょっとヘンテコになっていたかも。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa