裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

日曜日

ポン女七不思議

1・日大の付属でない、2・就職率が異様にいい、3・生田と目白でまるで校風が違う……。

朝8時半起床。夢で海保アナと仕事のことで言い争い。その後と学会の藤倉珊氏と、江戸時代の商家を改造した和食屋で落語会を聞く。この店で弁当が出るのだが、それが一品々々みんな人間の形に調理されて出てくる。……こういう変な夢を見る日は絶対気圧が乱れているよな、と思いつつ目覚めるに、やはり雨。

入浴、9時朝食。ブロッコリのスープ、青汁(久しぶり)、キウイ、イチゴ。テレビを見たらフジ子・ヘミングが出ていた。ついこのあいだ、平山さんとのトークに名前が出てきた俳優・大月ウルフの姉、である。姉弟そろってユニークな。

このところ毎日予定ギッシリであるが今日は久しぶりに何もない。ぐったりしていようと決定。本当はしなくちゃならんこと多々、なのだがとにかく鬱、である。

昨日のトークイベントの感想がmixiに多々、上げられている。好評なようでまず嬉しい。気がつく限り対応。オノに某件でメール。こっちの考えを示す。
「心底、よかったですー」
と返事。

昼、弁当は一乃谷から送られたフキをシャケとたいた煮物。豆モヤシの味噌汁で。食後、家を出て渋谷へ。運転手さんと雑談。今日の運転手さんは自然な話題をふってくる人で好感触。おとつい乗った時の人は、私の顔を知っていたのか、
「私、くりぃむしちゅーの高校の同期でね」
とかいきなり話しかけてきて、やれ地球温暖化がどうの英語とフランス語の発音の比較がどうのと脈絡なく話題を持ち出し、いろいろくたびれている身として応対が非常に荷であった(人前に顔を出す商売としてニコニコ聞いてはいるが)。

山田誠二監督から電話。次回作(11月撮影)の新作の私の役が決まったとか。私は“カラーサワ俊一郎”という名で、羽織袴に短マント、ステッキ、それにシルクハット姿で西洋妖怪の解説をする役だとか。扮装だけで怪演。なお、いま出演交渉中の俳優さんの名前を聞くがなかなかにすごい人。

8時まで仕事場でちんたら。東急本店地下の紀伊國屋で買い物をして帰宅。すきやき風鶏鍋、鮎一夜干しを焙ったもので酒。途中でK子も帰ってきて一緒に食べる。食べながらDVDでコロンボ『断たれた音』。犯人役がローレンス・ハーベイで、娘(ドミノ)がバウンティー・ハンターになっちゃった人である(なろうとしてなれる職業なんですね)。

最初に見たのが1975年で、私は17歳。ハーベイがチェスのライバルと一緒にエスカルゴを食べるシーンがなにより印象的だったが、このエスカルゴがちゃんとコロンボの捜査に役立っている(袖口にニンニクの匂いがつく)ことには、再見で初めて気がついた。最初見た高校3年の時分にはエスカルゴをまだ食べたことがなかったんでピンとこなかったのであろう。犯人が聴覚障害者、というユニークな話だが、今日は朝にやはり聴覚障害者のフジ子・ヘミングを見て、夜は聴覚障害者を演じるローレンス・ハーベイを見る。首尾一貫、……と言っていいのか。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa