裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

5日

金曜日

マゾヒズム町の光と影の中

ムチ打つあなたにおくる言葉(「もっとぶって!」)。

朝8時起床。ゆうべのアリ酒のせいか、凄まじい水様便。ただし不思議なことに今朝はアリ、そんなに浮かばず。かなり飲んだはずだが? 入浴して、9時朝食。プレーンヨーグルトにオレンジ一顆、半熟卵一個。

ネットに新手のスパム来る。毎朝、“オナニー見てください”とか“逆援助交際しませんか”とかのタイトルのものを消去していくのが日課なのだが、その中に
『トカゲ』
というものが。ナニかと思って見てみると
※※
夢中になってタバコを探す女の姿。笑うと濡れる唇にトカゲを這わせて戯れたい。おまえの顔は猥褻だ!!
※※
というもの。ちょっとシュールで、名文だなあ、と感心。そう思っていたら、たぶん
同じところからだろう、
『またまた今日は何の日DAY(´ー`)?』
というのが来た。
※※
石井ちゃんからの報告だお(´ー`)
今日は子供を作る日(´ー`)
宇宙人と過ごしたあの日・・・
石井ちゃんは(´ー`)
続きはまた今度ね。。(´ー`)
※※
不覚にも続きが気になる。宇宙人……? 
『ポケット』のブログ文、書く。今日の仕事はそれだけ。ネットで若桜木虔氏関連のサイトを読んだりして資料収集。なんで若桜木さんの情報が資料なのかは秘密。
ちんたらしていると時間はあまりたたないことを発見。3時半、新宿に出る。昼飯を食い忘れていたことを思い出し、回転寿司に入る。失敗。それからジョイシネマ2で『小さき勇者たち〜ガメラ〜』鑑賞。客の入りは5分くらいか。

1・ジュヴナイル作品としては十分、合格点。子供たちによる突然の赤い石リレーは
  最初驚き、次に泣けた。
2・その分、怪獣同士の対決は迫力不足。ガメラとジーダスが時を同じくして出てく
  るという不自然さに映画の中で説明がない。クライマックスは勢いで説明をすっ
  とばしてもいいが(上記のリレーもそうだが)、冒頭の登場シーンあたりは、観
  客を引き込むために、その頭に浮かぶであろう疑問には丁寧にひとつひとつ、答
  えておかないといけないんである。これは怪獣映画の基本。
3・ヒロインの存在が地味。少年の成長を描くなら、これまで守られ続けてきたお姉
  さんを今度は少年が守り、助ける、という話にしないと、全然この女の子の映画
  の中での存在意義がない。

……(1)のよさも(2)(3)のダメさも、女性(『星の金貨』の龍居由佳里)が脚本を担当していることによるように思う。ヒロインが地味と書いたが、実は映画観ていて困ったのは、この女優(夏帆)って子が、スチールではよくわからなかったが大物AV女優の小林ひとみの若い頃にそっくりなことだった。目のあたり、それから表情など。ついつい、お世話になった昔を思い出し、ニヤついてしまって、映画への感動がその分薄れた気が……。

主人公の透少年を演じる富岡涼のうまさには驚いた。そして舞台となる伊勢志摩のいい感じのレトロっぽさ。一番気に入ったのはあいざわ食堂のセットと外観。あったよなあ、こういう店。客(チャントリの南方英二)が
「サメタレ焼いてや」
と注文するのも伊勢志摩らしくていい。

出刃包丁、延びる舌など昭和ガメラへのオマージュはもうちょっとあってもよかったかと。ガメラ以外の映画からのインスパイアもかなりあって、透がビルの階段を駆け上がるのは『オトナ帝国』だろう。そういえば父親の口調は完全にひろしだし(なんで主演級の登場人物だけ東京弁なのか?)。今や親子を描くときの基準がクレしん映画なのかもしれない。

敵怪獣ジーダス(舌を出す、からの命名か?)がとにかく不満のモトかもしれない。巨大さや破壊力よりも人間を食う恐さの方が強調されているために、逆に、あまり強そうでない。恐いと強そうは違うんである。子供の怪獣をいじめる、という点でガバラなみのチンピラ怪獣のイメージになってしまう。この程度の怪獣なら自衛隊のミサイル一発で倒せそうに思える。やはり、怪獣はまず自衛隊と前座試合をやってみせてそれを歯牙にもかけず、かくなる上はガメラの出馬(出亀)をあおがなくては、という風に話を盛り上げていかないと最後の決戦が生きてこない(そう言えばこの映画、戦車が出てこないのは何故だろう?)。緋色真珠のパワーも、もう少し前にきちんと見せておかねば(ヒロインの心臓病がそれで治るとか)。基本的に伏線さえもう少しうまく生かせば倍は興奮する映画になったような気がする。

見終わって仕事場に行き、ちょっと作業。それから家を出て、渋谷駅まで。今日は橋沢さんに次回客演する予定のあぁルナの舞台のDVDを借りつつ、一緒に飲もうと話をしていたんだが、それに海谷さん、はれつさんも加わることになった。連休のこととて、あちこちの店が閉まっている。以前行った気に入りの沖縄居酒屋は満員。仕方なく、その隣の炭火焼き居酒屋。そこで飲んで話して、それからもう一件、トルコ料理屋でワイン。途中から酒が回りすぎて熟睡してしまった。ナニ話したんだか、記憶
にまったく無し。気がついたら家の廊下にズボン脱ぎ捨ててベッドの中。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa