裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

27日

火曜日

陰陽師ことば

 このf**kでs**tな式神め! 朝、7時45分起床。トイレでの便通が実に快感。ゆうべの犬鍋でゼラチン分たっぷりとったせいか。トウガラシや生ニンニクも食べたので心配していたが、ヒリヒリ感はなし。テレビ、新聞等、昨日の地震情報でいっぱい。マグニチュード7.0という阪神大震災と同レベルの地震でありながら、 人的被害が実に軽微なのが不思議。

 と学会東京大会実行委員の会場下見、ゆうべ参加者の確認をとったが、こちらの訊き方も悪かったのかもしれないが、行くとも行かないとも何とも返事をしない人が多く、人数確定が出来なくて、その後の打ち合わせの店の予約などがしにくく、どうにもイラつく。ML見ているのかどうか不明、という人もいるのである。幹事とか事務方などという役目にはなるものでない。母がクラス会の幹事になったとき、人というものは100人いたら98人まではゾロッペエと思わないと駄目、と言っていた。そ の言葉がよっくわかる今日このごろ。

 しかし、ゾロッペエはこちらも同じ。ゆうべ、犬を食いに行くついでにその料理を写真に撮って、Web現代の原稿に使おうと思っていたのだが、うまいうまいと食ってばかりで、まったく失念してしまった。近いうちにまた行かねばなるまい。編集部 各位より電話々々。

 雨もよいで気圧乱れ、体も頭もまったく動かず。バスで新宿まで出てラーメンを食い、雑用をすまそうとするがいろいろ食い違いで果たせず、空しく帰宅。帰宅したらすでに2時で、日暮里3時の待ち合わせにすぐにも出なくてはならない。植木不等式さんから指示のあった確認事項をメモして、山手線、日暮里。南口で声ちゃんと待ち合わせ。わざわざ雨の中で、傘をクルクル回しながら立っていた。この、オタク男の嗜好をインプットされて、それに合わせるパフォーマンスを行うようにプログラミングされているかのような、アーティフィシャルな少女っぽさがこの子の本質なのだろ う。アンドロイドを前に話しているような気がする。

 本来は4時に談之助さんと一緒に訪れる予定だったのだが、彼女が5時には三軒茶屋に仕事でいかねばならないというので声ちゃんを先にエスコートなのである。ラングウッドまで行くと、4時と伺ってましたので会場係がいません、と言われるが、なんとか頼んで呼び出してもらう。ウッちゃんに似た顔のお兄さん、親切にいろいろと見せてくれた。楽屋で女性陣の着替え場所を確保できるかということを確認。やや狭 い第二楽屋をそこに当てることとする。

 声ちゃんとの確認作業はそこまでなので、後は談之助さんとのこととし、まだ時間あるので、ホテル前のルノアールで少し話す。私はルノアールに来たらガラナを頼むことにしているのだが、声ちゃん、“ソレ、何デスカ”と言うので、南米産の木の実を原料にした飲み物でガラナというのだ、と教えると、ヘエエ、初メテ見マシタ、と言う。ガラナってのは……と、そこは雑学男で、コカコーラのライバルだった昔のことから、ガラナチョコのことまで説明してやる。ガラナチョコも初めて聞いたというので、あれはお菓子屋にはない、スケベグッズ屋にある品で、女性が食べるともう、ムラムラしてきて男に身をまかせてしまう、というシロモノだ、と話すときゃはは、と笑う。グラスに注ぐときビンに少し残して、飲んでみる? と勧めたら、興味しんしん、という表情で飲んで、“オイシイデスゥ。今度カラ、こーらジャナクテ、コレ飲ムヨウニシマスゥ”と言い、すぐ、“デモ、飲ンデモムラムラシテキマセェン”と口をとがらかす。本当にこれがこの子にとっては無心な、自然のしぐさ、自然のセリフなのである。……彼女には私も知ってる某業界有名人がぞっこんまいって、それでまあ、いろいろとあったりどたばたしたりしてこっちは大いに面白がったわけだが、改めて間近に見て、なるほど、こりゃ、オジサンにはたまらんだろね、とつくづく感 心。自分がオタク少女趣味だったら、やはりあぶないところである。

 彼女と別れて、またラングウッドに舞い戻り、今度は談之助さんと舞台をチェックする。看板の件と、袖幕の件のみ気になっていたので確認。あと、会場警備は、席の関係上、会場への出入り口が一カ所のみに絞られるので、ここを重点的に警備していれば、たとえ荒らしが乱入して騒ぎを起こしてもも、逃げ場がない。と学会には武道の達人もいれば棒術の有段者もおり、腕を見せたくてウズウズしているのである。さらに気になっていた会場費残金の件。明日の正式下見の際に支払うことにする。他のことはまあ、イベント数回でもやった経験のある者がいれば、当日判断でOK。問題は音響機器で、これは出来れば明日、やっているというイベントをのぞいて、どんな もんかということを頭に入れておきたいものだが。

 またまたルノアールで、談之助さんとちょいと打ち合わせ。今後のこういったイベント関係の充実を図る件について、ちょっとこちらの思うところを述べる。とにかく積極的に打って出ないとはじまらない。と学会内部には、あくまでと学会は趣味団体にとどまるべきで、大げさなことはしない方がいい、という意見もあるが、はっきり言って十年やっていればどんな活動も世間からはマンネリと見られる。それに運営委員も徐々に高齢化が進んでいるし、基本のトンデモ本発掘・紹介はきちんとやり続けながらも、どうそれを世間と時代のニーズ、会内の世代交代にあわせて発展・展開していくか、を考えていかないと、せっかく日本に根付いたトンデモという価値観が拡散消失してしまう。そろそろそれを考えておいていい時期である。

 山手線で帰宅、今日の視察結果ML報告。原稿書き仕事。8時半、『華暦』にてK子と夕食。明日の会場費の件など話す。メニューがちょっと更新され、豚のレタス包みホイル焼き、穴子と長甘唐辛子の揚げ出し、茄子焼きなど新顔が出て、どれもなかなかの味で感心する。最近、以前はよく行っていたのになぜか足が遠のいてしまった店があるが、それはやはり、メニューに新鮮味がない、ということに原因がある。工夫のない店は、同じメニューを出し続けながら味が落ちていくのである。ここはその工夫があり、しかも、この店に期待してくる常連を置いてきぼりにしない、店の味というものを守っている。伝統を守る、ということは工夫をしないことではない。老舗の店ほど、実は時代に合わせて、客に気づかれないように、徐々に味や素材を変化させていっているという。やはり、おなじみのメニューの中にも少しずつ、新しいものを入れていかないと。10時帰宅、途上で中野貴雄監督の“股につけてる、マ×コを修正〜”というシャレを教えたらK子が拍手して爆笑した。

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