6日
火曜日
のざらしのタマちゃん
いずくのものやらしらねども、かようなところに姿をさらすはまことに不憫(千乃裕子代表・談)。朝、8時45分起床。朝食、レトルトのお粥と梅干し。ブラッドオレンジ、ごく小さいの一個。ミルクコーヒー。新聞休刊日。テレビで相も変わらぬパナウェーブ研究所情報。いくらなんでも取材陣の数、多すぎである。テレ朝の番組でやたら張り切っている若い現地レポーターが、スタジオの渡辺宜嗣が彼の言葉をさえぎったり横取りしてしゃべるのに、露骨に不満そうな顔。そう言ったらK子が“ワタナベって、局でみんなに嫌われているのよ〜!”とウレシソウに言った。ちなみにこの人は007映画だの東宝特撮だののオタクだそうである。テレ朝のキャスター紹介サイトの“尊敬する人”の欄に、『007/ジェームス・ボンド』と明記してある。
千乃正法に関してはこのテレ朝より千乃裕子のナマ声を伝えたフジがヒット。やはり反共ということで利害一致か。ところでこないだ知って驚いたのだが、まさかこんな連中の反共宣言など、一顧だにしていないと思っていたら、ちゃんと共産党でも彼 らに言及しているのであった。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-03/15_01.html
なんと神経質な、と思うところであるが、国際勝共連合でもスカラー電磁波ウンヌンという言葉を使っている。先にこの日記で紹介した『宇宙と霊界と科学の接点』でも勝共連合のサイトを紹介していた。どちらが元ネタかわからないが、共産党もピリ ピリしているのかもしれない。
http://www.ifvoc.gr.jp/1999/newpage222.htm
昼1時までに、本日〆切の『Memo男の部屋』原稿を書き上げてメール。それから外出、センター街を歩いて駅前までいき、少し雑用片付け。細かい札がなくなり、三菱銀行で両替しようと思って入ったら、最近は両替にも銀行のカードが必要なのであった。私はもはや自分の口座のカードも女房に取り上げられており、プー状態なので両替も出来ず。渋谷古書センターで本を一冊、買ってくずす。W・C・ヤンガー著『ヒトラーの心』(平凡社・1974)。1000円。ヒトラーがスカトロ・フェチである、と分析した本。
『江戸一』で回転寿司食って帰宅、一旦寝転がって資料本をパラパラ再読し、ヨシ、と起きてすぐ、原稿書きにかかる。今度は明日〆切の『フィギュア王』原稿、10枚半。麻黄附子細辛湯の効果か、ややハイな精神状態で、原稿を書きながら、メールに返事を出したり、パティオに書き込みをしたりする。そうでもしないと脳の火照りをおさえられない、という感じである。サクサク進んで、7時には脱稿。
と学会MLでは、タマちゃん釣り針事件もあってか(何かモノクルをかけたみたいに見える)パナウェーブ研の書き込みが巻き返し。副島センセイはさすがにみな、引いたようである(このセンセイに『第三の選択』のビデオを見せてどう反応するか見たい、という声が出たりしているが)。私が一昨日の日記で氏を“真摯”と表現したことに違和感を持つ人がいたようだが、私にとって“真摯”とは“視野狭窄”と同義の用語である。裏モノ会議室からの読者ならおわかりと思うが、ついその頃の癖が出た。“インテリ”も同じく褒め言葉ではない。為念。……パナ研もそうだし副島氏もそうだが、こういう人たちに対しいくら“それは科学的に間違っている”と説明しても、まず相手を説得することは不可能である。彼らは“絶対”の概念を自分たちの思考にのみ、おいているのであり、科学的という言葉をその思考の補強に用いているだけなのだ。自分たちの考えと相反する科学は“間違った科学”、もしくは“どうでもいいつまらぬ事実”なのである。その二種類の区別が、彼らの中にはあるのである。東浩紀さんの著書の誤りを指摘したときの、ファンたちの態度と何か、類似性を感じ てしまうのだが。
ともかくも、科学畑の人は、正しい科学的知識を教え込むことでカルトを打破できるという考え方からは脱却した方がいいと思う。これもまた、頑迷な信仰(大槻義彦氏がはまっているような)でしかない(もっとも大槻氏自身の言説が“正しい科学的知識でない”ということがより、話をややこしくしているが)。UFO研究は既に、世界のUFO目撃談が正しいかインチキかの考察ではなく、“なぜ人は正しくないものであっても見てしまうのか”の考察へと、その比重を移している。宗教がカルトに走るのは、社会から異端視され、その教義の誤りをあばきたてられたときから、という説もある。科学的思考で彼らに論争を挑む者が、パナ研や副島氏信者、さらにゲーム脳信者たちをむしろカルト化してしまう可能性が高いように思えてならないのである。と学会員としてはもちろん、カルト化してくれた方がネタにはなると期待してしまうんだが。
8時半、神山町『華暦』。連休明けでカウンターは満員、小あがりで。もっとも、9時半にはみな帰ってガラガラになった。これもいかにも連休明けらしい。イサキとマグロの刺身、生しらす、筍焼き、肉じゃがなど。ビール生小二杯、日本酒お燗で二合ちょっと。と学会原稿の集まり具合など聞く。