26日
火曜日
あ!拉致を呼ぶ男
おいらは首領様、やくざな首領様、おいらが指示すりゃ……。朝8時15分起床。管理人のいる海辺の家に私は住んでいるのだが、この管理人には何故かときどき私の姿が見えなくなり、幽霊ではないのかと疑られる、という夢。朝食、コンニャク粒のスープ、温泉卵。レトルトのスープには特有の嫌な匂いがある。相模大野でQPさんから貰った烏骨鶏の卵をK子に目玉焼きにするが、黄身をつぶしてしまった。
講談社Web現代、原稿にかかる。前回の続編だから簡単に行くと思っていたらこれに手こずり、とうとう一日仕事になってしまう。書いても書いても面白くならぬ。連絡いろいろ。昨日の文春文庫さんから、対談の日取りの件。阿部能丸くんから、次回の小椋事務所との打ち合わせの件。予定がどんどんつまる。クルーからは来年の〆 切予定日がもうFAXされた。GW進行のあたりまで呈示されている。
こちらからも連絡いくつか。河出書房新社Aさんに、中断している怪獣官能本の仕切り直しどうしましょう、と連絡。折り返しメールで、大変手間取る本をやっていて連絡採れず申し訳ない、12月に入れば再開できるのでそれまでお待ちを、との返事あり。あと、JCMのM田くんに、某企画の件で連絡。速攻で電話入り、こちらにこの件、まかせていただけませんかと頼もしい返事。ちょっと毛色の変わった楽しい仕事になれば、と思う。
昼は実家のカレーの残りをご飯にかけ、さらに上に烏骨鶏の目玉焼きを乗せて食べる。さすが濃厚。マッサージ予約していたが、Web現代アガらず、キャンセル。うぐうぐと考える。すこうしているうちに世界文化社の本、突発的にこれまでいきあたりばったりにメモしていた内容が一直線につながり、オタク的にも文化史的にも意味あるものになるアイデアがひらめき、急いでメモする。なんでまるで今考えているものと違う本のアイデアが浮かぶのか。
4時、時間割にて村崎百郎さんと社会派くん対談。今回も北朝鮮一色。その合間にモスクワの劇場占拠事件とか、千代田区の歩き煙草禁止令とか、ウィノナ・ライダー万引事件有罪判決とか。ちと活字に出来ない話も多々。そろそろこの対談もまた単行本化。表紙は古屋兎丸さんでもう決定しているが、タイトルが決まらない(昨今の出版状況では続編的タイトルでは売れない)。二人でいろいろ出し合うが、“サリドわれらがマイド”とか“鬼畜人ヤプー”とか、ダジャレばっかり。今日の日記タイトルはその中で出たもの。
6時半、家に帰り、またWeb現代原稿。なんとか8時半には仕上げてメール。結局四回書き直した。が、出来はまずし。どうしてもメッセージ性のある、重い文章になってしまう。かなり手を入れてくだらないものにしたが、まだ真面目。後でもう少し手を加えよう。何か語るべきことを持つとき、人は往々にして生硬な文章を書いてしまいがちである。谷川渥が文藝別冊の澁澤龍彦特集で、澁澤が自らの若い頃の美術論の筆致の硬さを反省し、“興味本位”を語り口の主体にしなければいけない、とその技術を身につけていったことを述べている。興味本位こそ、モノカキの基本。私ももう一度修行が必要である。
9時半、家を出て新宿三笠会館。フィンランド語終えたK子と待ち合わせ。10時ラストオーダーなのでいささかせわしない。野菜サラダのアンチョビソース、赤唐辛子とニンニクのスパゲッティ(単純な味だが癖になる)、ボイルド・フィッシュ、それにTボーンステーキ。二人で半分づつ。やはりこういう食事はもっとゆったりとした気分でしたいもの。