13日
水曜日
植木自動書記
あっ、手が勝手にダジャレを! 他にいろいろ考える。
・植木自暴自棄(ヤケ食いはやめた方が……)
・植木非常識(常識にとらわれていては食の神髄は味わえんですよ)
・植木不凍液(ワインを甘くするような人ですね)
・植木リボウスキ(同姓同名の億万長者がいそう)
・植木ピロシキ(シャレになっているのか?)
・植木ねじ式(なにがなんだか)
朝、7時半に目が覚めたが、えらい二日酔いである。もう、脳がワイン漬けになっている。二日酔いはいいのだが、酒のあしたというのはどうしてこう肩が張って喉が腫れているんだろう。酔ってサトちゃんの象さんかついでくるとか、高歌放吟したってこともないのだが。こりゃまだダメだと、もう一度布団に戻り、8時半まで寝る。やや、回復してきたので起き出して、エンドウ豆のポタージュのみで朝食。K子には野菜炒め。
ビジネスキングから電話、FAXがなんべんやっても不通だという。おかしいな、と思い見てみると、コンセントがはずれていた。うちのFAXは大型で、コンセントの差込もかなりしっかりしており、はずそうと思ってはずさなければはずれるわけもないものである。なんではずれていたのか。酔って引っこ抜いたか?
と学会MLでコミケの当選の報告。あれ、ウチには来てないぞ、と、一階の郵便受けを確認しにいったら来ていた。無事、東文研も当選。立川流は落選してしまったそうである。うーむ、共同で申し込んだのだが、それが裏目に出て“一緒にやって”で落とされたのか。なんにせよ、ウチで委託で売ることになるだろうが、スタッフ入場券の割り振りが困ったことになる。K子と善後策を立てる。いずれお知らせ欄に載るだろうが、とりあえず告知。12月30日(月)の東U−03a。洋モノ馬鹿コミックの紹介誌をまた、出します。
二日酔いのフラつきは治ったが、胸が焼けて焼けてまいる。2時に廣済堂出版Iくんと打ち合わせなので、原稿一本(7枚)書き上げ、メール。出て、マンション一階のソバ屋でざるそばだけ腹におさめる。カレー丼とカレーライスの違いについて論争している二人連れがいた。
時間割で廣済堂Iくん。本の進行が中断していることにペコペコ。まったく申し訳ない。スケジュールの立て直しをはかる。体力気力ともに低下していて、二冊同時進行的なことがキツくなっている。しかし廣済堂はさすがに前の会社に比べて大きく、宣伝や関連企画をきちんと打ってくれそうなので期待できる。これで(廣済堂での)実績を作ったら、新しい方向性の仕事をやりましょう、と言ってくれるのは嬉しい。
銀行でビジネスキングへの振り込みをしなくては、と思い、タクシーに乗るが、サイフの中に一万円札しかなく、“大きいので大丈夫ですか”と訊いたら今ないとのこと。仕方なくそのタクシーはキャンセルし、金を細かくしなくては、とパルコブックセンターに入ったら、ギャラリーで古書展をやっていた。北尾トロ氏にばったり出会う。ネット古書店の特別出店企画があったのだった。こうなるともう、そこに囚われてしまうという感じで、気がついたら両手に本を抱えていた。おまけに、さらにバッタリ、ユリイカの元編集、Sくんにも出会った。トロ氏が“あ、ここで待ち合わせていたんですか”と言う。いやいや、偶然ですとわれわれ。やはり集まるようなところに人は集まる。結局、数冊買い物したら、タクシー代もなくなってしまい、振り込みは明日のこと、と諦めて家に帰る。
〆切を一周遅れにしてしまっている講談社Web現代、かかる。書き出しを何回か変更、探り針を入れている感じでキーボードに指を打ち付け、文章を構成しているうちに、コレダ、というツボにひっかかるものに当たり、あとはダダダと一気に十枚を書き上げる。書き上げて7時15分、急いでタクシーに飛び乗って新大久保まで。ところが明治通りが馬鹿な混みよう。ナニカと思ったら花園神社の酉の市であった。結局15分遅れでチュニジア料理ハンニバル。談之助夫妻、講談社Yくんとウサギを食う集い。
談之助さんと、コミケ落選で立川流同人誌をどうするか、という件。ネタ的にはどれも古くなるようなものではないので夏コミに回し、今回はと学会とウチ、開田さんのところへの委託で、土曜の座談会の再録小冊子のみの作成にしようと話す。ワインは例のマシニッサがまだあったが、昨日の今夜でワイン連続はちときつい。チュニジアサラダ、チュニジアギョーザ、魚と麦のスープ、クスクスと出て、さていよいよウサギの丸焼き。K子、“ミミちゃん、ミミちゃん”とか呼んで写真を撮るが、これメスですかオスですかと訊いたらオスだと言うので、急遽“ピョン吉”に変更。
ここのウサギは臭みがまったくなく、鶏肉のようでおいしい。ソースにはウサギのレバを使い、これは濃厚で、ソースの染みたジャガイモのフライがこれまた美味。例によって頭蓋骨をカチ割り、脳味噌、舌、頬肉まで全て味わって、成仏を祈念。食後酒にナツメヤシの酒をもらう。おいしい養命酒、という感じ。この店、初めて来たときには閑古鳥が鳴いているかのように私らしか客がいなかったものだが、Wカップでチュニジアという国名がポピュラーになって以来、常に満席の状況なのはめでたいことである。壁に貼られた色紙も、だんだん数が多くなり、カトリーヌあやこなど著名人のものもあった。最後に恒例の記念写真、みんなで耳を立てたスタイルで撮って、 11時半解散。