裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

日曜日

ギャルゲ魔人

 ド〜ルゲ〜、人間をみなゲーム脳にするのだ〜。朝7時15分起床。朝食作りながら『ハリケンジャー』。シリーズ展開に重心を置きすぎて伏線張りばかり、話の面白さは低調。次回は期待できそうだが。朝食、昨日小田急で買ったサーモンとポテトのサンド、コーヒー。ロシア語はピーバ(ビール)。

 新聞に訃報、元プロレスラー、サンダー杉山死去、62歳。案外若かった。国際プロレスで一時はエースの座にあった人だった。必殺技が“雷電ドロップ”。要するにマットに倒した相手選手の上にジャンプして尻餅を落とすというあまりカッコよくない技で、いかにも国際プロレスといった感じで味があった。試合運びを見ていても、どこか人のよさを感じさせてしまうのも、国際プロレス出身者の悲しい特長だったかもしれない。引退後は俳優となったが、大抵ヤクザの用心棒とか、酒場の暴れ者とかばかりで、あまり大きな役をやっていたのは見たことがない。和田勉監督の『ハリマオ』で山下泰文を演じていたのが一番大きな役柄か。『宇宙からのメッセージ』では額にダイヤモンド型のシールを貼り付けただけ(下はTシャツ)で、宇宙人(でも、やはり酒場の暴れ者)を演じていた。それでも、一ぺん見たら忘れられないキャラクターで、その顔をいかして、自社『サンダー杉山コーポレーション』は業界で確固たる地位を築き、飲食業経営などで年商35億の利益を上げていたという。糖尿病で両足右腕を切断という状態だったというが、最後まで意気軒昂であったというのに何となくホッとするものを感じる。

 母から電話。渡米前に外反母趾の手術で入院しているのだが、神戸旅行で転んだかぶつけたかした手の指を見せたら、骨折していたそうで、その治療もしているとか。私の日記を毎度読んでいるが、“よくわからない”そうである。朝食に野菜の蒸したのというのは効果あるの、と言うから、二キロ体重が減った、と報告。と学会例会の準備をしていたら、山本会長から電話。急に娘さんが熱を出して、今日の例会は行けないので、よろしくお願いしますとのこと。こないだ送った『ジャナ・オブ・ジャングル』の話も少し。

 11時、K子と家を出て、半蔵門線で神保町。都営線に乗り換えて白山。車中、皆神龍太郎氏と出会って雑談。皆神氏の今日の発表は、例の樺旦純氏の『人はなぜ「占い」や「超能力」に魅かれるのか』だそうな。“あれはイイ本だよ、なにせオレたちの書いた本や菊池さんの書いた本を実にうまくまとめて、文章もわかりやすく書いてある。あれ一冊読んだ方がと学会の本読むより超常現象のことがアタマに入る”と笑う。私が“でも、あれ、笠原敏男の本までそっくり引用して、サブリミナルが本当だと書いてるじゃないですか”と言うと、“いや、あれは笠原さんが信じているんで、著者はただ引用しているだけ。その引用した内容は本文と違ってないからね”と。

 会場についたのが結局11時40分(運営メンバーは11時半に集合)。会長欠席の次第を伝え、ちょっと運営メンバー打ち合わせ。6月のトンデモ本大賞会場確保は現在のところ確率未定。公立の施設を用いるために、会場確保にはクジビキが必要なのだが、6月は区の行事があるために競争率がやたら高いのだそうだ。7月ならとれるとのことだったが、それだとクジビキが来年1月になり、冬コミでの告知ができなくなる。ちょっとアタマの痛いジレンマである。まあ、そのときはまたそのときで善後策を講じることとして、とりあえず抽選結果待ちということに。

 12時、発表開始。今回は私が先陣をつとめ、トルコのB級映画紹介本、超有名バカ自主制作アニメ『バンビ・ミーツ・ゴジラ』の、30年ぶりの続編(タイトルはもちろん『ザ・サン・オブ・バンビ・ミーツ・ゴジラ』)などを紹介。あとは5時までエンエンと、会員諸氏の発表物件紹介。開田あやさんが“アントニオ猪木コンドーム(INOKIX)”を紹介。自分の顔をコンドームにまで使わせて金を稼がねばならない猪木と、知名度ははるかに劣るが年商35億の会社を経営していたサンダー杉山との対比を思い、なかなか感慨深し。あと、まんだらけを退職した声ちゃんが持ってきたネタというのが、いや、実にどうも、社長の、いやいや、アハハハハなもの。とはいえ、面白うてやがて悲しき、になっていく。

 休み時間に、会員のUさんから、こないだ『サンシャイン・ボーイズ』観たときの日記に“あれがホンモノだったらスゴい”と書いた吉川亜紀子、テアトル・エコーの若手で、エコーのイエローキャブ(老婆心から解説すると小池栄子やMEGUMIなど巨乳アイドルを集めたタレント・プロ)と呼ばれている女優さんだということを教わる。今度公演を見に行くそうで、“なにか伝言はありませんか”と聞かれたので、“おっぱいによろしく”と伝えておく。どんな名演もあの胸にはかなわぬ。

 5時45分、会場を出て、40人以上の人数で1・5次会。駕籠町会館。例会では発表しきれなかったネタなどをここで出す。トンデモハーレクインの本郷さん、植木不等式さん、皆神龍太郎さんなどと雑談。右翼も左翼も聞いていたらアタマに血が上るであろう、というような話。会員のK川さんの持ってきた中国の駄菓子屋クジなどやって遊ぶ。

 7時10分、大塚駅前のいつもの無国籍居酒屋にて2次会。例会が白山、1・5次会が巣鴨、2次会が大塚と、歩くわ歩くわ。も少し固めた場所で出来んかな。今日は珍しく声ちゃんも皆神さんも2次会参加。植木さんたちと、ここの料理ももう飽きたよねえ、だいたい味をも少し何とか出来ないもんかねえ、などと文句タレながら、結局なんだかんだと皿をとってばくばく食ってしまう。えんえんと歩かせたのは腹を減らせて、どんなもんでも食いたくさせるためではないか、などとみんなで話す。本郷さんは何か桐生祐狩さんとやおい話で盛り上がり、『トンデモ本男と男の世界』というのが出せないか、というような話。いや、これはイケるかも知れませんぜ。10時解散、〆は皆神氏に“では、Sさんが早く私に借金を返してくれることを願いまして一本締めを……”でK子大笑い。山手線で新宿、そこからタクシーで帰宅。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa