裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

16日

火曜日

血圧コアトル

 神よ、わがのぼせと立ちくらみを治したまえ(アステカ王)。朝7時半起床。台風だそうで、交通機関がのきなみストップしている。被害状況を伝える報道で出雲の様子が映った。二日ずれてたらえらいところだった。朝食、トウモロコシとソラマメの蒸したの。トウモロコシ、サツマイモなどは塩気がまったく無くてもおいしいが、ソ ラマメ、ジャガイモはちとつらい。それにゴマスープ、スイカ。

 日記つけなどしていたら、窓の外が凄まじい様子になる。昨日の窓拭きが完全にムダになったな、と思うと何となくおかしい。以前のような気圧による変調がかなりおさまっているのは、亜鉛錠のせいか、それとも青物中心の食事のせいか? 快楽亭の師匠より電話。ちょっと込み入った頼まれごと。メンドクサイことではないが、少し考える。あと、しばらく放ったらかしてしまった廣済堂のIくんから。来週打ち合わせのことに。

 こっちが旅行の間に、ネットウイルスがかなり蔓延している模様で、怪しいものが三件も来ている。まあ、マック故安心とは思うがおだやかでない。すぐに削除。もっとも、今騒がれている“Re:your password”というやつはナシ。

 4日の日に送ったと思っていた海拓舎の原稿と頼まれごとの報告、まだ届いていなかったことが判明。古いアドレスに送ってしまったらしい。あわててもう一回、メールする。太田出版から例の件でメール。ちょっとこちらが思いもかけない速度で話が大きく具体化してきて、イベント屋としてワクワクする。しかし、ちょっとうまく行き過ぎの感もあり。すぐ返事。

 台風は朝のうち、大急ぎで関東地方を通りすぎていってしまった模様。昼は新宿に出て、王ろじでトン丼。すっかり雨もあがり、蒸し暑くなりそうである。紀伊國屋で本を冷やかし、伊勢丹で買い物して帰る。寝転がって、池波正太郎『梅安針供養』を読む。もう五、六ぺんは読んでいるはずだと思うのだが、食い物の描写以外、ストーリィは見事に覚えておらず、何度でも面白く読める。この記憶への残らなさは一体、何なんだろう。

 太田出版Hさんから、こちらのメールに折り返し、という感じで返答。さっきのワクワクはやっぱり期待はずれに終わったことが判明して苦笑。感想を一言で言えば、“現代思想なんてもンはやっぱり、モノの役にもたたねえ”。つまり、かつての『批評空間』の頃のカオを太田が使おうとして、全然使えなかったということ。まあ、ソンナもんである、と代替案をすぐ出す。それやこれやの最中、好美のぼる先生未亡人から電話。22日にインタビューする件。今年は好美先生の七回忌にあたり、そこでまたこういう本が出る(亡くなった年に最初に好美作品を復刻した『カルトホラー漫画秘宝館』が出た)というのも縁ですねえ、という話。遺影に毎日、報告しているそうである。

 SF大会に参加した人たちから、エロの冒険者さんはじめ、報告いろいろ。玉泉の食事の写真なども届く。あやさんに官能パティオで“見ますか?”と言ったら、“忌々しいから見ません!”。やはり食い物のウラミは後を引く。あと、MLでの話題はすでにコミケのことに。今年は10周年なんで刷り部数が多く、ブースに36箱が積 まれることになるので、その分配の算段など。と学会で台車を購入する騒ぎ。

 8時半までぐちゃぐちゃと雑用、9時半、フィン語から帰ってきたK子と夕食。昨日のチクワの煮物に豆腐を加え作り直したもの、イサキの塩焼き、ウナギの酢の物、ソーメンチャンプル。ソーメンチャンプルはまず、上手く出来た。他のものはみな、少しづつ失敗。ビデオで特撮ものや戦争ものをチャンポンにあれこれと見散らかす。 12時、就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa