11日
木曜日
今日から段落で一行アケですっきり
ずっと家にこもって原稿書きばかり。薬局新聞、M社単行本、モノマガジン。一日で総枚数400字詰め換算で40枚近く。M社のはもう編集が印刷所で待っているという状態だったが、やっとここにきてテンションが上がって書き始められた。別に難しい原稿ではないのだが、担当の電話のかけ方とか、途中トラブルとか、いろんなことで上がりかけたテンションに水をかけられること数度。やれんなあ、という感じであった。とはいえ、ここまで諦めないで食いついてくるんだから、その執着は大したもんである。モノマガ、いきなりFAXで“今日の午前中まで”とか言ってくる。言われたって不可能なので無視。私くらいになると、こんなことではモー驚かない。
新連載決定。『週刊読書人』に月イチでマンガ評論。原稿料はとてもここに書けないくらい(笑)だが、映画評とマンガ評の仕事は、自分にノルマを課すために、来ればありがたくお引き受けする所存。基本的に活字人間なので、映像とかマンガはきっかけがないと一年以上も御無沙汰になってしまったりするのだね。
昼は二日続きでレトルトのカレー。食いながら都々逸のテープを聞く。都々逸というと柳家三亀松の節回しがすぐ頭に思い浮かぶのだが、アレは実はかなり我流の歌い方だったんだな。そう言えば母親に、“広沢虎造の浪曲なんて、出てきたときは下手で下手で聞けたもんじゃない、と年寄りたちは言っていた”と聞いたことがある。クセがあるから記憶され、一世を風靡してしまうと、それが基準のように思われてしまう。夏目漱石の文体なんてのもそれであろう。
夕方6時にM社、原稿&前書きどうにか完成。私の担当執筆量は当初の予定の数分の一になったが、一時はまったく載らない、と言うことになったくらいだったから、まあ書いた方だろう。志水一夫氏は間に合ったのかしらん。
それからモノマガやる。晩飯のことについてK子に電話。彼女がダイヤモンド社の本の装丁のことで井上デザインに行ったら、井上くんが仕事から逃避したいような目つきをしていた(笑)、というので、一緒に飲むことにする。M社のプロフィール原稿最後に書き上げて送り、8時半、四谷荒木町の居酒屋『まさ吉』に行く。この日記の話など。私の記述が甘いということで(笑)、来年から裏日記としてソルボンヌK子執筆のコーナーが出来ることになった。業界人、戦慄せよ。
豚バラ串揚げ、牛すじ煮込み、イカニンニク焼き。もつ鍋のちゃんぽんがまことに結構。仕事疲れの凝りがほぐれた。納豆シソ揚げを食い損ねたな。