裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

2日

火曜日

人の不幸は

 仕事々々。朝、薬局新聞一本。K子がHPに(実は彼女がこのHPの管理をやっている)11月分初日の日記をアゲようとするが、うまくいかず、平塚くんに電話。“そんな教え方しかできないの?”“じゃあ、こないだはウソ教えたのね?!”“要するに、あなたは電話じゃあ何もできないのねッ!!”と次第に口調がきつくなり、とうとう明日、休日返上で平塚くん、来てくれることになる。
 あ、そうそう、こないだE社の本の装丁を平塚くんが云々、と書いたが、装丁はあくまで井上則人氏であり、平塚くんはその下働きのヤトワレ人に過ぎない、と編集部から訂正が入った(笑)。踏んだり蹴ったりですな。
 昼は博多みやげのメンタイコで茶漬け書き込み、学陽書房、最終ゲラチェック、取りに来たのを渡す。それから鬼のようなイキオイでその後書き&前書き(400字詰め12枚分相当)バリバリバリと。それをメールしようとしたら、2時から3時まで、再メンテでニフ使えず。もーやだ。ちょっと休もうとベッドに横になったとたん意識が混濁し、一瞬、頭の中に走馬灯のように様々な幻影がキラメき、魂がもう彼岸に足を踏み入れたような感じになる。もうちょっとで行きっぱなしになりそうなところで大和書房Iくんからの電話で娑婆に引き戻される。新著売れ行き好調の報。ここで死んではイケナイという、天の声か? まあ、あの程度の部数で死んでいてはどうしようもないがな。
 続いてE社の日記原稿ゲラチェック。文体に相当手を入れる。6時、E社のKくんと打ち合わせ。チェック原稿渡す。やたら甘いものが欲しくなり、レアチーズケーキ食べる。疲れた脳細胞が糖分を欲しているのか。中野貴雄のあのマシンガンギャグは糖分過剰の副産物か。も少し有効な方向性をつけられんものか?
 しばらくKくんと雑談。モノカキ業界で、ダレダレはなぜ売れないか、ソレソレはなぜ消えたかなどという分析。人の不幸の原因を分析させて俺以上の人間はいないということを確認。“不幸評論家”と名刺に刷りたいくらい。
 K子と待合せ、渋谷の豆腐料理屋。最初はここ、オヤジ向けの味付けだったのだが最近、若い客が増えてきて(ヘルシー指向?)、だんだん味付けが濃くなってきた。醤油も濃い口に変わったようである。どうもいかん。いい気で若い連中に合わせていてはジジイ族、早死にするぞ。人間、年相応に枯れるがいいのだ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa